芸術論特殊講義二〇〇六


授業の概要

この講義では、国内外で開催されている国際美術展の現況について解説します。デジタル画像やビデオの上映を交えながら国際美術展の歴史、代表的な国際美術展を紹介したのち、特に 一九九〇年代以降のグローバリゼーションの影響について、ヨーロッパとアジアとの対比の中で見ていきます。


授業の一般目標

一、国際美術展の現況について理解する。
二、現代美術に関心をもつ。


授業の到達目標

知識・理解の観点

 一、現代美術の面白さ、展覧会の面白さがわかる。二、代表的な国際美術展について簡単な説明ができる。

思考・判断の観点

 一、幅広く深い教養を背景に、美術作品の好悪巧拙の判断ができる。二、国際美術展について肯定的な側面と課題とを指摘できる。

関心・意欲の観点

 一、自分の感性を絶えず磨き続ける。二、幅広い教養を身につける。

態度の観点

 一、国内で開催されている展覧会情報をチェックし、心の琴線に触れた展覧会には実際に出掛けてみる。二、海外旅行に出掛ける際には、旅先の美術館や美術展を訪れる。

 

 

授業計画

前半は、二〇〇五年開催の国際美術展について紹介。後半は、国際美術展と「ビエンナリゼーション」、脱欧米中心主義について論じる。

四・十一

   <零>    オリエンテーション

四・十八

<第一講> 第三回福岡アジア美術トリエンナーレ二〇〇五紹介

四・二十五

<第二講> 福岡アジア美術トリエンナーレをめぐって

五・二

(休講)

五・九

<第三講> 横浜トリエンナーレ二〇〇五紹介

五・十六

<第四講> 横浜トリエンナーレをめぐって

五・二十三

<第五講> 第五十一回ヴェネツィア・ビエンナーレ紹介(一)

五・三十

<第六講> 第五十一回ヴェネツィア・ビエンナーレ紹介(二)

六・六

<第七講> 第五十一回ヴェネツィア・ビエンナーレ紹介(三)

六・十三

<第八講> ヴェネツィア・ビエンナーレの歴史

六・二十

<第九講> 中間まとめ:二〇〇六年開催の国際美術展

六・二十七

<第十講> 国際美術展とビエンナリゼーション(一)

七・四

<第十一講> 国際美術展とビエンナリゼーション(二)

七・十一

<第十二講> まとめ:ハラルド・ゼーマンと「人類のプラトー 」

七・十八

(休講)月曜振替授業

七・二十五

(休講)芸術論集中講義ワークショップ

 

 

八・四

 レポート(学務係BOX) ※17時締め切り

リンクシラバス


参考図書

ヴェネツィア・ビエンナーレ

『12人の挑戦――大観から日比野まで』(茨城新聞社、二〇〇二年)

石井元章『ヴェネツィアと日本―美術をめぐる交流』(ブリュッケ、一九九九年

『ヴェネツィア・ビエンナーレ―日本参加の40年』(国際交流基金ほか、一九九五年)

国際美術展

伊東正伸ほか『アートマネージメント』(武蔵野美術大学出版局、二〇〇三年)
 ※国際展の急増、横浜トリエンナーレ

岡部あおみ編『アートが知りたい』(武蔵野美術大学出版局、二〇〇五年)
 ※第7章が国際美術展に充てられている:「ユートピアのインスタレーション――国際展都市論」「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」

『記録集 横浜会議2004「なぜ、国際展か?」』(BankART1929、二〇〇五年)

南條史生『美術から都市へ――インディペンデント・キュレーター15年の軌跡』(鹿島出版会、一九九七年)