2025.7.18更新
周防鋳銭司設置1200年記念事業
地域連携企画展

吉田遺跡の古代官衙

吉田遺跡の古代に注目
   山口市南部の鋳銭司(すぜんじ)地区に古代の官営銭貨鋳造機関「周防鋳銭司(すおのうじゅせんし)」が設けられたのは、天長2(825)年のこととされています。周防鋳銭司の跡地は昭和48(1973)年に国の史跡に指定され、近年は山口市と本学とで共同調査が行われており、鋳損じ銭をはじめとする貴重な発見が相次いでいます。
 本年は、周防鋳銭司が設置されて1,200年にあたることから、山口市により記念事業が開催されることになりました。当館は、山口市歴史民俗資料館で開催される『古代の山口』展に連携して、古代の吉田遺跡に関する展示を行うことになりました。
 山口県山口市平川地区に所在する本学吉田キャンパスは、旧石器時代から江戸時代まで全時代の埋蔵文化財を包蔵する「吉田遺跡」の中に立地しています。半世紀以上に及ぶキャンパス内での発掘調査により、遺跡の各時代の性格などが明らかとなっていますが、中でも奈良時代から平安時代にかけて、官衙(かんが:役所のこと)が存在したことが大きな特徴として挙げられます。
 古代律令制下では、行政組織は国・郡(評)・里(郷)制がとられていました。国はその規模により大国・上国・中国・下国に区分されており、周防国は上国に位置づけられていました。国の下には郡が置かれており、周防国には大島郡、玖珂郡、熊毛
郡、都濃郡、佐波郡、吉敷郡が置かれました。現在の山口市平川地区は、吉敷郡内に位置します。周防国で国司が政務を執る国衙(こくが)は現在の防府市に置かれましたが、吉敷郡で郡司が政務を執った郡衙(ぐんが)(郡家(ぐうけ))の所在地は未だ明らかとなっていません。
 吉田遺跡に官衙が存在したことは確定的ですが、その位置づけ、役割については未だ不明確な点が数多く残されています。展示では、官衙成立前夜から官衙設置期までの吉田遺跡の状況を、数多くの出土品から紐解いていきます。ぜひ足をお運びください。

主   催:山口大学埋蔵文化財資料館
協   力:山口市教育委員会
会   場:埋蔵文化財資料館展示室
会   期:令和7年7月22日(火)〜11月21日(金)
開館時間:9時〜17時
休 館 日:土・日・祝日、8月12日(火)〜18日(月)
入 館 料:学内・学外者問わず無料





クリックでチラシ裏面を確認
短い梅雨が明け、連携企画展オープンです
展示室は約100点の考古資料で埋め尽くされています

吉田遺跡から出土した多彩な墨書土器や


廃棄された各種木製品(千字文音義木簡(レプリカ)を含む)


特徴的ななヘラ記号のある須恵器など、吉田官衙に関連する資料を大公開!


山口市教育委員会の協力により、平川地区から発見された
官衙の存在を想像させる資料も公開しています


山口市歴史民俗資料館、小郡文化資料館、鋳銭司郷土館、山口県立山口博物館、そして当館で
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