当院における睡眠時無呼吸症候群に対する治療法について



目次
  1. 診断と治療(このページ)
  2. 手術による治療について
  3. 経鼻的持続陽圧呼吸(nasal CPAP)による治療について
  4. 口腔内装具(sleep splint)による治療について
  5. 当科の治療方針



睡眠時無呼吸症候群 sleep apnea syndrome (SAS)とは? 現在の臨床的観点から睡眠時無呼吸症候群の診断は? 睡眠時無呼吸症候群(SAS)になるとどんな症状が出るの?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置しておくとどうなるの?
以下のように体中の様々な臓器に影響が出る可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)にはどんなタイプがあるの?
  1. 閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS):胸郭の拡大により胸腔内圧が陰圧になったときに気道が閉塞する状態です。
  2. 中枢型睡眠時無呼吸症候群:呼吸中枢から呼吸の指令が出ない状態です。
  3. 混合型睡眠時無呼吸症候群:上の2つの病態が混合して存在します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のほとんどは閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)です。 本邦のSAS有病率は国民全体の1.7%(男性3.3%、女性0.5%)(岡田、粥 川ら)とされています。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の閉塞部位はどこ?
また,原因となる疾患にはどんなものがあるの?

(OSASは気道の閉塞が原因ですから、気道を狭くする疾患が隠されています。) 睡眠時無呼吸症候群の診断はどうやってするの?
睡眠時無呼吸症候群はどうやって治療するの?
各施設で,様々な治療が行われていますが,代表的には以下のものがあります。 治療法についての詳しい説明はそれぞれをクリックしていただければ御覧になれます。


当施設での治療方針について

当施設では,睡眠時無呼吸の原因となる疾患と,正確に重症度を診断した後,以下の方法で治療を行います。

  • SASの場合
    • AHI>40 nasal CPAPを主体とし、sleep splintや閉塞部位に対する手術の併用を検討します。
    • AHI 20〜40
      nasal CPAPを導入した後、sleep splintや手術による離脱を目標とします。
    • AHI10〜20
      手術やsleep splintによる治療をお勧めします。ご都合により手術ができない場合は通院による経過観察が必要と思われます。
  • 単純いびきの場合
    • AHI<10
      いびき軽減の希望があれば、手術を考慮します。音響解析結果などを参考と最もよい治療法を選択します。
低呼吸指数(apnea hypopnea index :AHI) とは1時間あたりの低呼吸の出現回数のことです。

 
(2002,3,11以来)