舌下免疫療法外来
〜アレルギー性鼻炎,花粉症に対する新しい治療法〜

担当:菅原一真,狩野有加莉



近年アレルギー性鼻炎患者は著しく増加し、特にスギ花粉症は罹患率が3割を超える国民病となっています。抗原特異的免疫療法は、アレルギー性鼻炎の唯一の根治が可能な治療法で、皮下注射法は100年以上の歴史があります。当科では、近年保険適応となった、スギ、ダニの舌下免疫療法を中心に治療を開始いたしました。

抗原特異的免疫療法はアレルギー性鼻炎に対する唯一の根治が可能な治療法で、注射に代わる投与法の舌下免疫療法が有効性、安全性の高いことが報告されるようになり、患者負担の軽減される治療として注目されています。2014(平成26)年10月にスギ花粉症舌下免疫療法が、2015(平成27)年11月にダニ舌下免疫療法治療が保険適応となりました。
花粉症 以前より行われている皮下注射と比べ副反応の程度は軽くなりましたが,可能性はあります。当科では導入時に充分時間を掛けて説明させていただきます。そして検査上,適応のある方に治療を開始するようにしております。夜間も耳鼻咽喉科医が常駐しており,急激な副作用にも対応可能です。舌下免疫療法を御希望の患者さんは,当院を受診いただければと存じます。
現在,ダニアレルギーの患者さんへは,アシテア®,ミテキュア®による治療,スギ花粉症の患者さんへは,シダキュア®を用いた治療を行っており,多くの患者さんが通院されています。

〜重症花粉症に対する抗体製剤を用いた治療〜

2019年12月より重症の花粉症患者さんに対する新しい治療法が可能になりました。花粉症の症状発現には血液中のIgEという蛋白質が重要ですが,新しい治療法ではIgEを標的とした「ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤」商品名:ゾレアを用いた治療法になります。既存の治療法においても症状が改善しない患者さんが対象となります。例年,花粉症症状が重症化して,日常生活に支障を感じておられる患者さんにお勧めするようにしております。御希望の患者さんは現在通院中の病院の担当の先生を通じて紹介いただけると,説明させていただきます。

ゾレア®に関する情報(ノバルティスファーマ株式会社)