山口大学医学部眼科

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交流事業を行いました!

ロンドン大学・ムアフィールド眼科病院での合同セミナー(園田先生、鈴木先生、折田先生)

折田 朋子

 昨年(2013年)は、長州ファイブがロンドン大学(UCL: University College of London )に命がけの密航留学をしてから150周年という、記念すべき節目の年でした。日英学術交流150周年記念事業の一環でさまざまなイベントが行われましたが、長州のわれわれが参加しないでどうする、ということで、山口大学(YU: Yamaguchi University)眼科から園田、鈴木、折田の3名で2014年3月3日にUCL眼科研究所を訪問しました。

 まずはUCL眼科研究所の大沼教授(UCLで活躍している日本人の一人です!)と面会し、今回の合同セミナーの趣旨と今後の交流計画について話し合いました。その後、UCL眼科研究所に併設しているMoorfields Eye HospitalとChildren Eye Hospitalを案内してもらいました。 Moorfields Eye Hospitalは世界最大規模の眼科病院で、ヨーロッパ中から眼科の患者さんが集まってきます。外来ブースだけでも50以上あり、もちろん患者さんもたくさんいらっしゃるのですが、スタッフの分業が効率よくなされていて、院内がごった返している、というような印象は受けませんでした。私たちの外来診察をストップさせる硝子体内注射もここでは看護師が担当する業務となっていて、医師はひたすら診察に専念できるようになっています。また大規模な臨床研究を行うための患者をリクルートするシステムもよくできており、日本の病院との違いを興味深く観察することができました。

 病院見学の後はUCLに在籍している日本人の先生方と、海外生活の苦労話や日本の時事問題などについて話しながら昼食を楽しみました。午後からはUCL眼科研究所のそうそうたる教授陣の先生方(ARVOのchairmanも務める Khaw先生、鈴木先生の留学時代のボスGarway-Heath先生、UCL理事のLuthert先生と免疫学のCalder先生)を交えて、今後の両大学の交流や共同研究をどのように進めていくか、ということについてディスカッションを行いました。具体的には、定期的に今回のような合同セミナーを開催し、演者を派遣・招待する、あるいは若手研究者や医学生の相互派遣をおこなう、などといったプランについて3時間ほど話し合いました。

 その後に開催されたUCL-YU special seminars in Ophthalmology -150 Year Anniversary of UK-Japan Academic Interaction- では園田教授と鈴木講師が講演し、UCLの学生や若い研究者たちが聴講しました。質問も何件かあり、活発で有意義な討論の場となりました。セミナー後は日本から持参した日本酒やお煎餅などを参加者に試食してもらいましたが、特に日本酒は好評を博していました。

 今回の訪問はたった1日でしたが、今後のUCLとYUの交流の礎となりえる、とても充実した1日となりました。


ベトナムでの教育セミナー

森重 直行


 2014年2月26日・27日と、ベトナムの首都ハノイ市のVietnam National Institute of Ophthalmologyにおいて、ベトナムの若手医師を対象とした教育セミナー「Fundamentals in Cornea, Ocular Surface, Tear Film and Contact Lens」を行いました。このプログラムは、西田輝夫前教授の発案で、柳井先生と私とにお声をかけていただき実現したものでした。ですので、3人で出かけてきました。

 ベトナムってどんな国かご存知でしょうか?私はもちろん始めての訪問で、バイクを中心とした非常に複雑な(というかむちゃくちゃな)交通状況に唖然としました。信号無視、ノーヘル運転(大人は着用義務、子供は義務なし?)、バイクに4人乗り、左折時にはそーっと対向車線に進入し対向車両を止めて通行(右側通行です)、などなど…日常生活でジェットコースターのスリルが味わえる始めての経験でした。もっとも、乗っていたタクシーがバイクの方をはねてしまったのはいけなかったです(軽い怪我ですんだようです)。

 あちらではとても厚遇されました。毎晩パーティーを開催していただき、ベトナムの眼科の先生方とお会いでき,交流を深めることができました。Phoや春巻きなどのベトナムの郷土料理も堪能することができました。

 さて、実際の教育セミナーですが…決して広くはないセミナー室にきちきちに並べられた机といす。80名ほどでしょうか、満席でした。西田先生、柳井先生そして私とで、自分の得意分野を講演しました。ベトナムでは英語を理解できる先生が少ないのと、学生さんの聴衆も多かったため、ベトナム語の通訳を入れてのセミナーになりました。われわれが用意したテキストにメモを取りながら話しに耳を傾けていただくことができ、聴衆の皆さんの熱意をひしひしと感じました。英語で教育するというのは初めての経験でしたが、講師であるわれわれもとても満足のできるセミナーになったと思います。

 今回のベトナムでの講演は、私自身にとってとてもセンセーショナルで有意義であったと感じています。これまでの私の仕事というのは、世界の最先端を走る研究、地域の人たちの目の健康維持を行う診療、明日の医師を育てる教育だけでしたが、後進国の医療関係者に対してその地域の医療レベル知識レベルの向上を目的とする国際貢献という、まったくベクトルの異なる仕事をすることができました。ベトナムという国に対する貢献度は決して大きくはないと思いますが、その仕事に携わることができた自分にはとても大きな経験であったと思います。このプロジェクトが定期的に行えるように、今後もがんばって生きたいと思います。