Manifesta 4  

 5/25-8/25
 フランクフルター・クンストフェラインほか、フランクフルト(ドイツ)

カタログについて

 Prologue by the curators

 Martin Fritz, "The Yarn Game"

 Acknowledgements

 Preface of the International Foundation Manifesta


 Vanessa Joan Müller, "Mobile Elements in Space"

 Stéphanie Moisdon Trembley interviewed by Eric Troncy

 Archive


 Jochen Volz, "Parachuted"

 Nuria Enguita Mayo in conversation with Santiago Eraso


 Iara Boubnova interviewed by Alexander Kiossev

 Transpassing

 
 Video Programme 1

 Video Programme 2

 Video Programme 3

 Video Programme 4

 Lectures

 Biographies

 Photo Credits

 Text Credits

 Special Thanks

 Team


展覧会構成

会場:
 フランケンシュタイナー・ホフ
 フランクフルター・クンストフェライン
 シュテーデル美術研究所
 ポルティクス
 シルン・クンストハーレ前庭、中央駅、フランクフルト空港内、ほかフランクフルト市内各所

キュレーター
 ヌリア・エンギー・マヨ(Nuria Enguita Mayo)
 ステファニー・モアドン・トランブレー(Stéphanie Moisdon Trembley)
 イアラ・ブブノヴァ(Iara Boubnova)


出品作品紹介


講義ノート

1 三木あき子「マニフェスタ4 欧州現代美術ビエンナーレ レポート」 『美術手帖』 2002年8月号 pp.76-79

 ●タイトルに込められた意味

  マニフェスタ=「動きを起こす」:ラテン語の動詞manifestareに由来。レネ・ブロックにより命名。

 ●毎回開催会場を変える国際美術展

   第1回 1996年 ロッテルダム(オランダ)
   第2回 1998年 ルクセンブルグ(ルクセンブルグ)
   第3回 2000年 リュブリアナ(スロヴェニア)
   第4回 2002年 フランクフルト(ドイツ)
  <第5回 2004年 ドノスティア=サン・セバスティアン(Donostia-San Sebastián:スペイン)>

 p.76  "つまり、小国、旧東の都市のつぎは、異なる意味で変革過程にある旧西の大都市に注目するわけで、このへんに、マニフェスタ特有のポリティカリー・コレクトな均衡感覚を指摘できるだろう。"

 ●3人の女性キュレーター

  ヌリア・エンギー・マヨ         (1967年生まれ、スペイン)
  ステファニー・モアドン・トランブレー (1967年生まれ、フランス)
  イアラ・ブブノヴァ           (1961年生まれ、ブルガリア)

 ●展覧会のテーマ

  キーワード:住居、流動、旅、言語、歴史

 p.77 "...シャープな白壁空間と、女性的というと語弊があるかもしれないが、微妙な日常の事象への視線、緻密に計算された構成、美しい展示への配慮などが特徴的だった。"

  作品解説

イアエル・バルタナ:国家力学、価値体系と個人の関係についての問いを、軍人記念日の高速道路の映像を用いて静謐なトーンで視覚化

ピエール・ビスムート:各キャラクターが異なる言語でコミュニケート/ディスコミュニケートするディズニー・アニメ

ハンス・シャバス:現代都市の秘境とも言える下水道をリバー・ラフティングのごとく探検する映像

マンス・ランゲ: 統計学的にスウェーデンの平均的人物像を割りだし、それに最も近い現存の人物の意見を政治・経済・文化メディア界へのロビー活動で反映、実践

ジャンニ・モッティ:クルド指導者の拘置される独房をマイン河の中洲に再現

ROR:高度なハンド・クラフト技術、神秘主義とリアリズムが奇妙に混在したスタイルで日常の<革命>を提示

 p.77 "その淡々とした語りの先に見えるのは、ゆっくりと少しずつだが確実に動く世界であり、その当事者としてのわれわれ一人一人の存在だ。"  

 ●「交流展」の限界?

 pp.77-78 "だが、気になるのは、そこにわれわれの住む環境・日常に異なる視点を提供するという以上のアートの想像力・創造性の余地があまり残されていないように感じることである。前回より格段に注意深く構想・作品選択がなされ、全体的に上手くまとめられた企画であるだけに、「作品」よりも「組織化」が主役である「交流展」の限界のようなものを垣間見てしまった気がしたのは私だけだろうか。"


過去のマニフェスタ

第1回 1996年 ロッテルダム

第2回 1998年 ルクセンブルグ 6/28-10/11

 キュレイター
  ロバート・フリック        (パリ/ウィーン)
  マリア・リンド           (ストックホルム)
  バーバラ・ヴァンダーリンデン (ブリュッセル)

 嘉藤笑子「マニフェスタ2:ヨーロッパの各都市を巡るノマド型ビエンナーレを開催」 『美術手帖』 1998年10月号 pp.183-190

pp.183-184 "こうしたノマド型のビエンナーレが各国を開催ごとに巡るといのは、単独の力では経済的にも経験的にも難しい状況にある国々にとってリスクを最小限に抑えた(原文:押さえた)開催へのチャンスが与えられているわけだ。"

p.184 "...ヨーロッパを中心にくまなく調査したというのは、まんざら嘘ではなく、まったく知られていない地域や東ヨーロッパからの作家が選ばれていたことは、マニフェスタの存在意義ともいえる特徴だろう。"

p.184 "...物語的(フィクション)な作品は、今回の展覧会では多く見られた。"

第3回 2000年 リュブリアナ 6/23-9/24

 大友恵理「マニフェスタ3」(世界の国際美術展最新レポート) 『美術手帖』 2000年9月号 pp.114-117

 テーマ:ボーダーライン・シンドローム―防御のエネルギー

 キュレイター
  フランチェスコ・ボナミ
  オレ・ボーマン
  マリア・ウラヴァヨハ
  キャサリン・ロンバーグ

p.116 "この西欧と東欧、そしてバルカン半島を結ぶ中継地点での開催は、現代ヨーロッパを探る意欲的な試みとなった。"

p.116 "過去二回の開催では、特定のテーマは設けず、従来のビエンナーレの在り方に対する問題提起、キャリアの若い作家へ作品発表の機会を提供、アートの国際的なネットワークを築くなど、マニフェスタの存在自体が主張されたきらいがあった..."

p.116 "...私たちがヨーロッパと一括りにして呼ぶ地域がじつに多種多様な国家の集合体であり、その再編成が一筋縄ではいかないことがうかがえる。"


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