講義ノート2


序論精読1

1 序論の構成を把握する

  1-1 序論の構成
1 pp. 3-19 :イコノログラフィー/イコノロジー要説
 pp.3〜5 日常生活を例にとった三層分析
 pp.6〜10 美術作品における三つの層
 pp.11〜19 実例とまとめ

2 pp.20-33 :イコノログラフィー/イコノロジーの実践:ルネサンスのイコノグラフィー/イコノロジー前史
 p.20〜22 分裂した状況の例示
 p.22〜26 分裂の原因1:造形上の伝統と文献上の伝統との相違
 p.26〜30 分裂の原因2:意識的な放棄=歴史的感覚の欠如
 p.30〜32 分裂の原因3:情緒上の相違
 p.32〜33 結び:次章以下の目的


  1-2 キー・センテンス
日常生活を例にとった三層分析 pp.3〜5

p.3 l.4  それでは、「主題・意味」とそれに対する「形」との区別をあきらかにしてみよう。
 →「第一段階的・自然的意味」

p.4 l.5-6 ...まったく別の解釈の領域に属している。
 →「第二段階的・伝習的」

p.4 l.19-p.5 l.2 そして最後に、私の知人の行為は、…(中略)…彼の「人格」を作り上げるにいたったすべてのものを表すことにもなる。
 →「内的意味・内容」

美術作品における三つの層 pp.6〜10

p.6 l.1-2 以上の分析の結果を日常生活から美術作品に移した場合、われわれはその主題、意味の中に、これと同じ三つの層を区別することができる。

実例とまとめ pp.11〜19

p.11 l.1 さて、…(中略)…われわれはどのようにして、…(中略)…到達するのであろうか。

p.11 l.18-9 ...ロージェ・ファン・デル・ヴァイデンの『三人のマギ』(図1)についてイコノグラフィー以前の記述を行うとすれば、...
 →「イコノグラフィー以前の記述」

p.13 l.15-7 さて、…(中略)…「イコノグラフィー上の分析」には、…(中略)…さらにそれ以上のことが前提とされている。
 →「イコノグラフィー上の分析」

p.16 l.9-11 ...われわれが「象徴的価値」と名づけたものを取扱っておこなう「内的意味・内容」による解釈は、…(中略)…それ以上のものを要求する。
 →「内的意味・内容」による解釈

p.17 l.19 結論。

ルネサンスのイコノグラフィー/イコノロジー前史 p.20〜

p.20 l.1-2-4 さて、イコノグラフィー一般の問題からルネサンスのイコノグラフィーという特殊な問題に目を向けると、当然われわれはルネサンスという名称そのものが由来した現象、すなわち古典古代の再生ということにもっとも興味をひかれよう。

分裂した状況の例示 p.20〜22

p.20 l.15-7 しかしながら重要なのは、まさに中世の最盛期(十三-十四世紀)にあっては、古典の「モティーフ」は古典の「テーマ」を表現するのに用いられず、また一方、古典の「テーマ」は古典の「モティーフ」によって表されることはなかった、という点である。

分裂の原因1:造形上の伝統と文献上の伝統との相違 p.22〜26

p.22 l.8-9 ...この奇妙な分裂の原因をわれわれが探るとすれば、その明確な解答は、造形上の伝統と文献上の伝統との相違に求められるだろう。

分裂の原因2:意識的な放棄=歴史的感覚の欠如 p.26〜30

p.26 l.13-7 しかしながら、造形上の伝統と文献上の伝統とを対比させて示すことも重要ではあるけれども、それだけでは、中世盛期の美術を特色づける古典の「モティーフ」と古典の「テーマ」のあの奇妙な二分裂は説明されない。…(中略)…この造形上の伝統は、中世が完全に自己の様式を作りあげてしまうと直ちに、…(中略)…意識的に放棄されてしまったからである。

分裂の原因3:情緒上の相違 p.30〜32

p.30 l.17-9 しかしながら、このように、古典の「テーマ」と古典の「モティーフ」が内的に「一つであること」が理解されなかったのは、歴史的感覚の欠如によってのみ説明されるのではなく、キリスト教中世と異教古代との情緒上の相違によっても説明される。

結び:次章以下の目的 p.32〜33

p.33 l.5 こういう創造上の相互浸透の過程を示すことが次章以下の目的である。