フリーダ・カーロとその時代

 7/19-9/7 Bunkamura ザ・ミュージアム
 9/13-10/19 サントリーミュージアム天保山
 11/1-12/21 名古屋市美術館
 04.1/4-2/22 高知県立美術館


Source: NHK中部ブレーンズ / フリーダ・カーロとその時代

(03/12/1)

カタログについて

 ごあいさつ

 メッセージ/メキシコ合衆国外務大臣 ルイス・エルネスト・デルベス・バウティスタ

 メッセージ/メキシコ国立文化芸術審議会総裁 サリ・ベルムーデス

  目次

 序文/野中雅代

 ラクェル・ティボル「マリア・イスキエルドとフリーダ・カーロの芸術に見られるシュルレアリスト的要素について」

 野中雅代「メキシコにおけるヨーロッパ亡命女性シュルレアリストたち―1940年代〜60年代の創造」

 オリヴィエ・ドゥブロワーズ「ローラ・アルバレス・ブラボとシュルレアリスムの精神」

  カタログ

マリア・イスキエルド

フリーダ・カーロ

レメディオス・バロ

レオノーラ・キャリントン

アリス・ラオン

ローラ・アルバレス・ブラボ

カティ・オルナ

 関連年表

 参考文献


カタログより

 ◆ラクェル・ティボル「マリア・イスキエルドとフリーダ・カーロの芸術に見られるシュルレアリスト的要素について」より

メキシコにシュルレアリスム運動はない

p.17 "アルトナン・アルトー、アンドレ・ブルトン、セサール・モロ、バンジャマン・ペレといった、メキシコに一定期間滞在した芸術家や、この国に移り住んだヴォルフガング・パーレン、ラオン、バロ、そしてキャリントンによって、メキシコの美術界は刺激されたが、それによりメキシコでのシュルレアリスム運動が確立したわけではない。"

p.17 "…シュルレアリストの共存するメキシコ美術というものはあったが、メキシコのシュルレアリスム運動なるものは存在しなかった。"

 ◆野中雅代「メキシコにおけるヨーロッパ亡命女性シュルレアリストたち―1940年代〜60年代の創造」より

ヨーロッパ文化による植民地化への抵抗感

p.29 "亡命者たちはメキシコ社会に安全な避難場所を与えられ、自由に生活し創造する場を保証された。しかし、メキシコ政府の寛大な受け入れには外国人を敬遠する風潮も微妙に混ざり合っていた。美術界にも愛国意識と地域性が強く流れ、1920年代に始まったリベラ、オロスコ、シケイロスら三大壁画作家の政治的創造活動は、雑誌『同時代人(コンテムポラオネス)』(1928-31)に携わって創作する作家・画家グループによって多少緩和されてはいたが、ヨーロッパ文化に植民地化されることへの強い抵抗感は残っていた。アンドレ・ブルトンは1938年にメキシコを訪問し、シュルレアリスムの概念について講演したが、ヨーロッパのシュルレアリスムがメキシコに根付いていたとは言えなかった。"

 cf.展覧会名の英語表記は「Women Surrealists in Mexico:メキシコの女性シュルレアリストたち」


出品作品紹介


リンク

東京新聞 / フリーダ・カーロとその時代

映画「フリーダ」公式ホームページ

 講座 現代美術史の『フリーダ』紹介ページ

(03/12/1)


参考図版

 シュルレアリスムについて

ジョアン・ミロ

 《カタルーニャの風景》、1923-24年、64.8×100.3cm、ニューヨーク、近代美術館

サルバドール・ダリ

 《記憶の固執》、1931年、24.1×33 cm、ニューヨーク、近代美術館

マックス・エルンスト

 《花嫁の化粧》、1940年、129.6×96.3cm、ヴェネツィア、ペギー・グッゲンハイム美術館

ルネ・マグリット

 《光の帝国》、1953–54年、195.4 × 131.2 cm、ヴェネツィア、ペギー・グッゲンハイム美術館

 ※上記4点の作品画像は各美術館のサイトより

 メキシコ壁画運動について

ディエゴ・リベラ/Diego Rivera (1886-1957)

 Detroit Industry, South Wall, 1932-33, Fresco, Detroit Institute of Arts
  Source: Artchive /Rivera, Diego / Detroit Industry, South Wall

 Nude with Calla Lilies (Desnudo con alcatraces), 1944, oil on hardboard, Emilia Gussy de Gálvez collection, Mexico City
  Source: CGFA / Diego Rivera

ホセ・クレメンテ・オロスコ/José Clemente Orozco (1883-1949)

 American Civilization (The Gods of the Modern World), 1932
  Source: EPdLP: El Poder de la Palabra (The Power of the Word) / José Clemente Orozco

ダヴィド・アルファロ・シケイロス/David Alfaro Siqueiros

 Echo of a Scream, 1937, The Museum of Modern Art, New York
  Source: Humanities Web / David Alfaro Siqueiros