講義ノート3


精読3

 序文

  3 宗教と道徳 p.27 l.14-p.29 l.12

p.27 "この本が対象とはしないことについてもここで言及しておくべきだろう。直接、宗教に関わる問題は本書ではあまりとりあげられていない。"

p.27 "…秩序を認識する宗教的感覚の中に暗黙のうちに入りこんでいく知の体系とか世界観との関連において、私は芸術を考察してみたいと思うのである。"

p.28 "ほかのヨーロッパ諸国と比べるなら、オランダでは驚くほど宗教的偏見がなく、また宗教的侵略行為も起こらなかったことを想起すべきだろう。"

p.29 "寛容な精神は現実的側面をもつ。"

p.29 "オランダの絵は行動の記録であり表象なのである。それは何かを指図するのではなく描写しているのである。"

メモ
 ルネサンス・イタリア絵画(指図)/一七世紀・オランダ絵画(描写)

p.29 "都市を田舎から、娼婦を妻から区別してきた西欧都市文明の定義にとって根本的なものであった文化的、社会的境界は、奇妙にもここでは揺らいでいるのである。"

  4 各章の主題、構成 p.29 l.13-p.30

第II章:一七世紀オランダ絵画とは何であったのか、(例)眼についてのケプラーの分析から得られる絵

第III章:イメージを制作することやそれを見ることに付随するある種の権威性

第IV章:地図制作法への関心

第V章:イメージにおける言葉の役割

p.30 "私はむしろ、ここで芸術が決して等質なものではないことに注意を喚起したいのである。"

p.30 "本書は一七世紀オランダ美術の概説を意図してはいない。"

p.30 "私の議論はオランダ美術の根幹に関わるものを明瞭に示している芸術家や作品に集中している。描写性を強調することだけがオランダ美術を理解する唯一の方法であると考えているわけではないが、それはオランダ美術の理解にとって本質的なことではないだろうか。"