北九州市立美術館 連続美術講座
講座 現代美術史

2-1.テーマについて
 

[語る手 結ぶ手]
 

カタログより

1.後小路雅弘「コラボレーションと手わざ―21世紀初頭のアジア・アート」

 手段ではなく目的としてのコラボレーション=現代アジア美術の特徴

"...現在とくにアジアで顕在化してきたコラボレーションでは、他人と共になにかを作る、そのこと自体が手段ではなく目的となっている。手段としての共同作業ではなく、共同で制作することによって生まれる、制作に関与する人々との関係、育まれる絆や、あるいは逆に共同性を育む場への関心など、コラボレーションをめぐる様々な関係性への関心が作品に反映し、あるいは制作の契機になっている。"

2.北澤憲昭「手の記憶―工芸的なものの可能性」

 他への配慮

"[近代彫刻と異なって置物のありようにおいては]他の床飾りとの連関が重視され、その場その場への適合性が重んじられる。…(中略)…他への配慮が要求されるのだ。"

 工芸的なもの

"...工芸的なものの可能性は未来に属しているとさえいえる。"

 手の記憶

"手が記憶する世界と人間の基本的なかかわり、いいかえれば、人間が住まう世界の在り方について――実践的に、あるいは観想的に――思いを馳せることが大切なのである。"

 アジア現代美術の身体性

"アジアの現代美術における手の所作は、熟練の手並みより、こうした単純な行為において、身体性を静かに活気だたせるように思われるのである"

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