北九州市立美術館 連続美術講座
講座 現代美術史

 

アピナン・ポーサヤーナン「大国覇権主義以降のアジア美術」(藤原えりみ訳)
 

日本主導の、ないしは日本の裁量による"アジア思潮"というものを、近隣諸国は間近に吟味するべきである。

文化交流とは、文化的帝国主義を押しつけるための穏便な方法のひとつである、ということが認識されねばならない。

…地球的な規模で問われつつある地域的な緊急の問題に取り組むためには、アジアのアーティスト、評論家、キュレイター、研究者たちは一緒になって解決策を見いだそうとしなければならない。文化のプロモーションや国家のプロパガンダのためにこういう問題をなおざりにするならば、打算的な業績づくりに役立つ程度の展覧会しか生み出せないであろう。

『現代美術シンポジウム1994「アジア思潮のポテンシャル」[当日資料・和]』、1994年、89-90頁。

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