北九州市立美術館 連続美術講座
講座 現代美術史

4-2.ユニバーサルな辺境
 

"しかし、世界に中心は一つしかなきとも辺境は無数にある。世界は辺境ばかりだ。ならば辺境人のほうが世界の全体と通じ合えるのではないのか。われわれのほうがユニバーサルではないのか。辺境人こそがコスモポリットであり得るのではないのか、といった思考の逆転が生まれてくる。全世界を渉猟し、味わい、理解できるのはむしろ辺境の人間のほうなのだ、というわけである。"

"「独楽の落ちるところ」すべてが世界の中心であると喝破するにいたったのだった。"

旦敬介「辺境のユニバーサル オクタビオ・パスの発見」『国際交流』第100号、2003年7月、37頁。

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