北九州市立美術館 連続美術講座
講座 現代美術史

1-3.文化ボランティア

『文化ボランティア通信』
−第1号(平成14年2月)−より

御挨拶

文化庁長官 河合 隼雄  

皆さん、こんにちは。このたび、文化庁長官に就任いたしました河合隼雄です。私は、文化芸術を盛んにして、日本中を元気に、楽しくしていきたい。また、皆さんの持っている潜在的な可能性を引き出す方策を考えていきたいと思っています。その中でまっさきに思ったのが、文化ボランティアの推進です。「もの」から「こころ」の豊かさに関心が高まっている現在、「こころ」を豊かにするものこそ、文化芸術ではないでしょうか。そこで、文化ボランティアの重要性が浮かび上がってきます。美術館や博物館などの様々な催し、「うちの町に一度、ほんもののオーケストラを呼びたい」、「歌舞伎を見たい」などといったことの企画、そのための宣伝、労力の提供など、ボランティアができることはたくさんあるのではないでしょうか。文化ボランティアと行政の一致協力なしに、このような仕事はできません。上からではなく、下から盛り上がってくる「公共的」な仕事の展開です。日本の各地域で、文化ボランティアと地域の芸術家や芸術団体、行政が協力しあって文化芸術の振興を図っていけたらと考えています。このため、本通信によって、皆様方からいただいた文化ボランティアに関するいろいろな情報等を適宜、提供し、一人でも多くの方々が「文化ボランティアっておもしろい」、「文化ボランティアをやってみよう」という気持ちになっていただけることを願っています。

出典:文化庁/文化ボランティア通信
(04/3/3)

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