マルセル・デュシャンと20世紀美術


11/3-12/19 国立国際美術館
2005.1/5-3/21 横浜美術館


カタログについて

ごあいさつ

マイケル・R・テイラー「ブラインド・マンの虚勢―デュシャン、スティーグリッツ、《泉》をめぐるスキャンダル再考(抄)」

河合哲夫「デュシャンのミュンヘン滞在」

北山研二「ノートのマルセル・デュシャン、蝶番の思索者」

 [第1部]

 I 画家マルセル・デュシャン

 II 《大ガラス》―観念と視覚的産物の結婚

 III レディ・メイド

 IV 沈黙の時代―《大ガラス》放棄以降

 V 《遺作》が与えられたとせよ

平芳幸浩「鏡の送り返し―デュシャン以降の芸術」

 [第2部]

 デュシャン以降の芸術

関連年譜

主要参考文献

展覧会歴

出品リスト

List of Works

Michael R. Taylor, Blind Man's Bluff: Duchamp, Stieglitz, and the Fountain Scandal Revisited

Tetsuo Kawai, Duchamp in Munich

Kenji Kitayama, Marcel Duchamp's Notes: The Hinge Ponderer

Yukihiro Hirayoshi, Mirrorical Returns: Art after Duchamp


出品作品紹介


講義ノート

企画のねらい

「ごあいさつ」(p.10)より

"…美術の伝統的な規範を拒絶したはずのデュシャンの方法論自体が、皮肉なことに現代美術の新たな伝統になりつつあります。"

"デュシャンの初期の絵画から晩年の仕事まで約70点を第1部で紹介し、デュシャンの型破りな作品と皮肉や洒落に満ちた言説に触発された国内外の美術家たちの作品約80点を第2部で展示します。デュシャンが現代美術にもたらした意味を探るとともに、多くの作家たちがそれぞれの視点や問題意識から映し出した、一筋縄では捉えられない「デュシャン像」を展望します。"

平芳幸浩「鏡の送り返し―デュシャン以降の芸術」(p.106-11)より

"展示されているデュシャン以外の作家による作品が全て、何らかの形で「デュシャン」に言及していることに注意していただきたい。それらは、デュシャンによる「影響」を垣間見せているというよりも、それぞれの問題意識とデュシャン的実践との距離の表出であり、それぞれが見出した「デュシャン像」の視覚化である。"

"21世紀のデュシャン像がどのようなものとなるかは断言できないが、デュシャンと現代美術の豊かな共鳴関係はこれからもアクチュアルなものとして続いていくことであろう。"


リンク

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