美術史2005
西欧美術史学の歴史3:超領域化する美術史
配布プリントL
フォーマリズム批評
フォーマリズム=形式主義
クレメント・グリンバーグとモダンアート
平面性,光学性
フォーマリズムの批判的継承
ロザリンド・クラウスとポスト・モダンアート →講座 現代美術史
構造主義:
※「芸術とは何か?」→「社会と芸術」,「芸術と政治」,「文化における芸術」を問う
・関係論:あるものごとの実体を直接問うのではなく,関係のあり方として問う
・共時論的分析:起源や歴史ではなく,現在そのものの総体的関係として問う
・構造論:制度をささえている無意識の構造を問う
ポスト構造主義:
※「西洋美術史」は「人類の精神史」などではなく,自ら人類の精神を代表しようと欲する「西欧」に特殊的な文化史の一形態
構造主義の「客観的で普遍的な世界認識=ヨーロッパの理性中心主義」を批判
→反・人間中心主義
→反・西欧中心主義
→反・民族中心主義
→反・理性中心主義
参考:竹田青嗣「ポスト構造主義の挑戦」,『現代思想・入門』,JICC出版局,1984: 190-201.
表象論,記号論
表象論:
表象=representation(英),représentation(仏)
cf.「表象文化論」
1986年,東京大学駒場キャンパスに学科として発足
現在,東京大学大学院総合文化研究科・超域文化科学専攻・表象文化論コース
参考リンク:表象文化論とは何か
※映画,写真を中心に広く文化全般をめぐる思索
記号論:
シニフィアン(SA)
シニフィエ(SE)
各要素間の差異の構造において意味が決定される
※「巨匠の真作」はアマチュアや素人画家,贋作や模作との関係でそれ独自の価値=意味を得る
フェミニズム
「神=天才=芸術家」は「西欧の,白人の,男性」であり,富裕階級の精神的モデル
まとめ
1.語学の問題
ルネサンスを研究するなら「古いイタリア語」を
美術史学の草創期を研究するなら「ドイツ語」を
現代思想的な背景を理解した上で美術史を考えるなら「フランス語」を
「英語」以外に習得するとよい
2.真善美の現在
真→「解けない問題(=アポリア)」を抱え続ける真摯さを
善→「特定のイデオロギー」に偏らない「惑星性」的な公平さを
美→真摯さと公平さにおいて障りのない陶酔を