期末試験問題概略告知
1.国際美術展、および現代美術について基礎的な知識を問う/○×問題/10問/各3点(30点)
2.ヴェネツィア・ビエンナーレについて解説した文章の空欄に適切な用語を選んで文を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/5問/各4点(20点)
3.グローバリゼーション時代の国際美術展の現状と課題について、指定される5つの用語を適切に用いて論述せよ/論述問題・用語指定/字数制限なし/30点
4.万国博覧会について自由に論述せよ/論述問題・自由形式/字数制限なし/20点
成績評価方法
試験:100点満点×0.6(計60点)
課題:20点
出席:10回=10点(1欠席毎-1点 ex.欠席3回=出席点7点)
※最初の2回をカウントしない
授業態度等の調整点:全回出席者に+2点
そのほか授業への参加度をオピニオンシートの回答等をもとに7〜10点の範囲で加算
芸術論特殊講義(前期)試験問題/講師:藤川哲
実施日時:2005年7月26日(火) 14:30〜16:00(90分)
(各3点、計30点)
1 以下に示される(1)〜(10)の短文のうち,内容の正しいものに○印を,誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ.
(1) 現在開催中の「愛・地球博」では,「幸福のかたち」をテーマに7人の現代美術作家による作品が展示されている.
(2) ノマド型ビエンナーレと呼ばれる「マニフェスタ」は,毎回開催地を変える.
(3) 「マニフェスタ」は,毎回一人のキュレイターがテーマと作家の選定を行い,東西南北のヨーロッパの交流を図る.
(4) 「2004光州ビエンナーレ」は,観客の代表の意見を展示作品に反映させる「参加観客制度」を導入した.
(5) 「光州ビエンナーレ」は,1980年の「光州事件」による市民の不満を沈静化するため1985年に創設された.
(6) 今年9月には,17日から第3回福岡アジア美術トリエンナーレが,28日から第2回横浜トリエンナーレが開幕する.
(7) 1970年に開催された「大阪万博」の来場者数は約6,420万人で,現在もなお史上最高記録である.
(8) 「大阪万博」開催の象徴的な意義は,「敗戦の事実を帳消しにすること」だったという論者もいる.
(9) 現在開催中の「第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ」には,約150カ国が参加している.
(10) 「第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ」では,史上初めて第三世界出身のキュレイターがディレクターに抜擢された.
(各4点、計20点)
2 次の文を読み,空欄となっている( A )〜( E )に,文の下に記されている(1)〜(15)のうち最も適当と思われる言葉を補い,文を完成せよ.解答用紙には,( A )〜( E )の各欄に該当する言葉を(1)〜(15)の番号で記すこと.
ヴェネツィア・ビエンナーレは,国際美術展の中で最も歴史が古く,( A )年に創設された.同展の国別参加制度は,同じ19世紀の発明である( B )の流れを受け継ぐものである.主会場はカステッロ公園とアルセナーレで,前者には31の国別パヴィリオンに各国を代表する作家が展示され,後者ではローザ・マルティネス企画による「( C )」が開催されている.今年の日本館の展示は,東京都現代美術館のキュレイター,笠原美智子がコミッショナーを務め,写真家の石内都による母の身体や遺品を撮影した写真が展示されている.カステッロ公園内にパヴィリオンを持たない国は,市内の教会やギャラリー等を借りて参加する.シンガポールやタイ,インドネシアといった東南アジアの国,エストニア,ラトヴィア,「( D )」、ウクライナなど東欧の国,そしてラテン・アメリカやアフリカの国々が,そうした主会場にパヴィリオンを持たない国である.これらはヴェネツィア・ビエンナーレに比較的最近参加するようになった国々であるが,現代アートの実践が,アジアや第三世界,( E )などへ拡がっていることは,西ヨーロッパとアメリカ合衆国を中心としてきた芸術観を相対化し,現代アートの歴史を語る言説の見直しを促している.
(1)1851 (2)1889 (3)1895 (4)オリンピック (5)万国博覧会 (6)モーター・ショー (7)アートの経験
(8)いつも少しだけ先へ (9)神は偉大 (10)ノルウェー (11)ギリシア (12)ベラルーシ (13)旧共産圏 (14)発展途上国 (15)無文字社会
(30点)
3 グローバリゼーション時代の国際美術展の現状と課題について,以下の5つの用語を適切に用いて論述せよ(字数制限なし).
共同キュレイター制 参加観客制 ヴェネツィア・ビエンナーレ 万国博覧会 脱欧米中心主義
(20点)
4 万国博覧会について自由に論述せよ(字数制限なし).
評価基準は,優:100〜80,良:79〜70,可:69〜60,不可:59〜0である.本試験の結果に各自の出席数による調整点や課題提出に対する評価を加算したものを評点とする.また,3,4の解答のうち優れたものは,試験問題を蓄積し,今期以後の学生の参考に供するため,Web上で公開する予定である.