アフリカ・リミックス
森美術館 二〇〇六年五月二十七日〜八月三十一日
◆展覧会構成
アイデンティティと歴史
身体と魂
都市と大地
――アフリカ現代美術の成熟と同時代性を示すために、どのような力が働いているのかを考察するための章立て(一八頁)
◆図録より
アイデンティティと歴史
“問われるのは、もはやポスト・コロニアル時代のアフリカとは何かを吟味することではなく、むしろ、より国際的な舞台における、個人としてのアフリカ人の役割を明確にすることであった。”(四七頁)
身体と魂
“ここでは、通俗的なイメージ、つまり人種の分類学に立ち戻る必要はない。なぜならば、我々が扱うアフリカの身体は複数だからだ。アフリカの身体はコーカサス系であり、アジア系であり、アラブ系であり、ニグロ系である。”(八〇頁)
都市と大地
“突如として都市も田舎もなくなり、すべてを混ぜあわせ、すべてを原初の平衡状態に連れ戻す、そんな生まれ故郷の大地だけが存在する。それは、もはや祖国と判別がつかなくなった大地、幼少期のはやし唄のように記憶にまとわりつく大地である。”(一一六頁)
◆展覧会企画者について
シモン・ンジャミ(Simon Njami, 1962- )
カメルーン出身の両親のもとにスイス、ローザンヌに生まれる。パリを拠点に現代アフリカの文学と美術に関する雑誌の編集、展覧会企画などで活躍。20年に亘ってアフリカ各地を旅し、アフリカ人による初めての現代美術展として「アフリカ・リミックス」展を企画した。
ンジャミの経歴についてより詳しくは次を参照:REALTOKYO BBS
◆リンク