芸術論特殊講義二〇〇七


期末試験問題概略告知

1.国際美術展、および現代美術について基礎的な知識を問う/○×問題/10問/各3点(30点)

2.アジアにおける国際美術展の歴史について解説した文章の空欄に適切な用語を選んで文を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/10問/各2点(20点)

3.第一回シンガポール・ビエンナーレについて、指定される5つの用語を適切に用いて論述せよ/論述問題・用語指定/字数制限なし/20点

4.地球規模化時代の国際美術展について自由に論述せよ/論述問題・自由形式/字数制限なし/30点


成績評価方法

試験:100点満点×0.7(計70点)

課題レポート:10点

出席:10回=10点(1欠席毎-1点 ex.欠席3回=出席点7点)

※最初の1回をカウントしない

授業態度等の調整点:全回出席者に+2点

そのほか授業への参加度をオピニオンシートの回答等をもとに7〜10点の範囲で加算


芸術論特殊講義(前期)試験問題

実施日時 二〇〇七年七月二十六日(木)
14時30分〜16時(90分)

(各三点、計三〇点)

一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。

(1)第一回ヴェネツィア・ビエンナーレは、国王ウンベルト一世の成婚五十周年記念事業として企画された。

(2)マニフェスタは開催回ごとに開催地を変える遊牧民型国際美術展である。

(3)ギリシャでは、今年テサロニキとアテネでそれぞれ新しい国際美術展が開始される。

(4)日本国際美術展(東京ビエンナーレ)は、一九五二年に開始され、一九九〇年に廃止された。

(5)一九五一年に開始されたサンパウロ・ビエンナウは、史上二番目に古い隔年展形式の国際美術展である。

(6)オーストラリアのメルボルンで開催されているアジア太平洋トライエニアルは、アジア太平洋地域の作家紹介に焦点を絞った国際美術展である。

(7)ヨハネスブルグ・ビエンナーレは、一九九五年の第一回展、一九九七年の第二回展のみ開催された。

(8)第二十七回サンパウロ・ビエンナウのテーマは「五感で考え、心で感じよ」。リゼッチ・ラニャードが総合監督を務めた。

(9)第五十二回ヴェネツィア・ビエンナーレの総合監督はダヴィデ・クロフ。アメリカ人が選出されたのは史上初めて。

(10)ミュンスター彫刻プロジェクトは十年ごと、ドクメンタは五年ごとにイタリアで開催されている国際美術展である。

 

(各二点、計二〇点)

二、次の文を読み、空欄となっている( A )〜( J )に、のちに記されている(1)〜(30)のうち最も適当と思われる言葉を補い、文を完成せよ。解答用紙には、( A )〜( J )の各欄に該当する言葉を(1)〜(30)の番号で記すこと。

  ヴェネツィアで開始された国際美術展も、一九九〇年代に入るとアジア各地で開催されるようになる。その嚆矢となったのが「東アジア最大規模の国際美術展」を標榜して、一九九五年に韓国の( A )市で開始された( A )ビエンナーレである。中国では、一九九六年に国内作家を中心として開始された( B )ビエンナーレが、二〇〇〇年の第三回展から国際展形式へと発展し、中国現代美術に対する市場の期待とあいまって注目を集めている。また台湾では一九九八年より( C )ビエンナーレが開催されている。
  日本では、福岡市美術館で一九七九/八〇年に開催されたアジア美術展が、一九八五年の第二回展以降、五年おきに開催されるようになり、一九九九年の第五回アジア美術展から福岡アジア美術( D )と改称されて、発展的に継続されている。また二〇〇〇年には大地の芸術祭( E )アートトリエンナーレが、二〇〇一年には( F )トリエンナーレがそれぞれ開始された。さらに東南アジアでも、二〇〇六年には( G )・ビエンナーレが開始され、その第一回展の総合監督を日本人キュレーター南條史生が務めた。
  このように、年々、開催地が増加の一途をたどる国際美術展であるが、南アジアでは、一九九〇年代の国際美術展開催ブームに先立って一九六八年より( H )・トリエンナーレが、また一九八一年からは( I )・アジア美術ビエンナーレが開催されている。
 こうした海外の国際美術展へ日本人の美術家が参加する際、あるいは国内で国際美術展が企画される際に支援を行っている独立行政法人が( J )である。
 

(1)ソウル  (2)光州  (3)釜山  (4)北京  (5)上海  (6)香港  (7)台北  

(8)台中  (9)台南  (10)北九州国際  (11)神戸  (12)愛知  (13)越後妻有  

(14)横浜  (15)東京  (16)ホーチミン  (17)バンコク  (18)シンガポール  (19)インド  

(20)スリランカ  (21)ネパール  (22)バングラデシュ  (23)ブータン  (24)モルジブ  

(25)ビエンナーレ  (26)トリエンナーレ  (27)クアドリエンナーレ  (28)国際協力機構  

(29)国際交流基金  (30)日本芸術文化振興会

 

(二〇点)

三、第一回シンガポール・ビエンナーレについて、次の五つの単語を適切に用いて論述せよ(字数制限なし)。

世界銀行・国際通貨基金総会    多文化理解    宗教    日本    信念

 

(三〇点)

四、地球規模化時代の国際美術展について自由に論述せよ(字数制限なし)。

 

 

評価基準は、優=一〇〇〜八〇(学年によって秀=一〇〇〜九〇)、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、三、四の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である