芸術論特殊講義 二〇〇七


期末試験問題概略告知

一、講義で紹介した展覧会について基礎的な知識を問う/○×問題/十問/各二点(二〇点)

二、学芸員とキュレーターについて述べた文章の空欄に適切な用語を選んで文を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/五問/各二点(一○点)

三、「第22回現代日本彫刻展'07」について述べた文章の空欄に適切な用語を選んで文を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/五問/各二点(一○点)

四、山口市、山口県および近県の美術館活動について指定された五つの語句を全て用いて論述せよ/論述問題・語句使用指定/字数制限なし/三〇点

五、 美術について語ることを主題として自由に論述せよ/論述問題・ 主題指定/字数制限なし/三〇点


成績評価方法

試験:一〇〇点満点×〇・七(計七〇点)

課題レポート:一○点満点

出席:十回=一○点(一回欠席毎にマイナス一点 ex.欠席三回=出席点七点)

※最初の二回をカウントしない

授業態度等の調整点:全回出席者にプラス二点

そのほか授業への参加度をオピニオン・シートの回答等をもとに八〜一○点の範囲で加算


芸術論特殊講義(後期)試験問題

実施日時 二〇〇八年一月三十一日(木)
14
30分〜16時(90分)

(各二点、計二〇点

一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。

 (1)田中米吉は山口県山口市に生まれ、山口で作品制作を続けてきた作家である。

 (2)現代日本彫刻展は、二年に一回、きらら博記念公園で開催されている。

 (3)北九州国際ビエンナーレは、絵画や彫刻、書や生け花を展示した総合芸術祭である。

 (4)マルレーネ・デュマスは南アフリカ共和国に生まれ、その後オランダへ移り住んだ。

 (5)モディリアーニは結核で亡くなった妻ジャンヌの後を追って自殺した。

 (6)大竹伸朗の絵本『ジャリおじさん』で、主人公は途中からピンク色のワニを連れている。

 (7)神戸ビエンナーレは、主会場のメリケンパークに貨物用コンテナを並べ、コンテナ内に作品を展示した。

 (8)六本木クロッシングは、五年に一度開催されるシリーズ展である。

 (9)「SPACE FOR YOUR FUTURE―アートとデザインの遺伝子を組み替える」展の企画者は長谷川祐子である。

 (10国立新美術館は、黒川紀章の設計により、二〇〇七年一月に開館した。

 

(各二点、計一〇点)

二、次の文を読み、空欄となっている( A )〜( E )に、のちに記されている(1)〜(15)のうち最も適当と思われる言葉を補い、文を完成せよ。解答用紙には、( A )〜( E )の各欄に該当する言葉を(1)〜(15)の番号で記すこと。

 

日本の博物館、美術館などで展覧会を企画したり、所蔵品の管理、調査、研究を行なっている専門職を指して( A )という。( A )は博物館法に定められた国家資格で、博物館、美術館のみならず、科学館や動物園、植物園、水族館などに勤務する専門職員にもその取得が求められている。他方、近年では、美術館で展覧会を企画する専門職について、欧米で使用されている( B )という肩書きで呼ぶ例も増えてきている。展覧会の企画は、さまざまな業務の複合体である。テーマの設定、作品の選定、出品交渉、予算確保、輸送手段の確保、保険、会場設営、広報、カタログ製作、作品解説などなど。日本における( A )と欧米などにおける( B )との違いは、そうした諸般の業務における裁量権の大きさにもとめられるだろう。一般に、( A )と( B )では、( C )の裁量権の方が大きい。日本の文化施設は、博物館、美術館に限らず、膨大な業務量をごく少数の人員で何とかこなしている場合が多い。専門職には、それだけの力量と熱意が求められるということでもあるが、やはり限界や限度はある。文化施設に求められるニーズはますます( D )してきている。文化施設がきめ細やかで行き届いたサーヴィスを提供できるように、( E )による支援が求められている。

 

(1)キュレーター  (2)レジストラー  (3)学芸員  (4)司書  (5)教育普及員

(6)前者  (7)後者  (8)大衆化  (9)矮小化  (10)多様化

11)財務省  (12)文化庁  (13)企業メセナ  (14)ボランティア  (15)地域社会

  

(各二点、計一〇点)

三、次の文を読み、空欄となっている( ア )〜( オ )に、のちに記されている(a)〜(o)のうち最も適当と思われる言葉を補い、文を完成せよ。解答用紙には、( ア )〜( オ )の各欄に該当する言葉を(a)〜(o)の小文字アルファベットで記すこと。

現代日本彫刻展は、一九六五年に第一回展が行なわれて以来、二年に一度開催されてきた( ア )である。二〇〇七年には( イ )を迎えた。( イ )展がこれまでと異なっていたのは、国際コンペティションとして公募を行なった点である。この拡張とともに、同展は海外向けに新たな名称として( ウ )を採用した。大賞に選ばれたのは、( エ )の《PERMUTATION》という鉄の彫刻で、抽象的形態をさまざまに組み合わせた同作は、見る角度の違いによってさまざまな表情を見せた。また、宇部市とともに創設時から主催者に名前を連ねている( オ )、特別協賛の宇部興産株式会社などの名前を冠した賞も設定されており、( オ )賞は、林武史《立つ人―宇部》が、宇部興産株式会社賞は、大井秀規《Gravitation》が受賞した。

 

(a)前衛彫刻展  (b)野外彫刻展  (c)環境彫刻展  (d)第二十一回  (e)第二十二回  

(f)第二十三回  (g)宇部コンビナート  (h)宇部カンタビーレ  (i)宇部ビエンナーレ  

)ハンス・ショール  ()アクセル・アンクラム  (l)ピョートル・ツフォルドフスキー  

)朝日新聞社  ()読売新聞社  ()毎日新聞社

 

 

(三〇点)

四、山口市、山口県および近県の美術館活動について、次の五つの語句を全て適切に用いて論述せよ。なお、文中に用いる順序は自由に変えてよい(字数制限なし)。

 

山口情報芸術センター  山口県立美術館  秋吉台国際芸術村  広島市現代美術館  丸亀市猪熊源一郎現代美術館

 

(三〇点)

五、美術について語ることを主題として自由に論述せよ(字数制限なし)。

 

 

 

評価基準は、優=一〇〇〜八〇(学年によって秀=一〇〇〜九〇)、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、四、五の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である。