<第一講> 国際美術展概説(一)ヴェネツィア・ビエンナーレ
1.ヴェネツィア・ビエンナーレの百周年とアジアにおける国際美術展の新設
一八九五年創設
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一九九五年に百周年を迎えた=この頃からアジアで国際美術展が次々に新設される
一九九五年 光州ビエンナーレ
一九九六年 上海双年展(最初二回は中国人作家による国内展。二〇〇〇年の第三回展から国際化)
一九九八年 台北雙年展(第一回展は、中華台湾、中国、韓国、日本の東アジア三カ国一地域のみ。二〇〇〇年の第二回展から広域化)
一九九九年 福岡アジア美術トリエンナーレ(第五回アジア美術展)
二〇〇〇年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
二〇〇一年 横浜トリエンナーレ
成都双年展
二〇〇二年 釜山ビエンナーレ
広州三年展
二〇〇三年 中国北京国際美術双年展
二〇〇四年 シンガポール・ビエンナーレ
2.ヴェネツィア・ビエンナーレを生んだ十九世紀は万博とオリンピックの時代
一八九五年 ヴェネツィア・ビエンナーレ創設
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一八五一年 ロンドン万国博覧会
=The Great Exhibition of the Works of Industry of All Nations (訳案=万国産業品大展覧会)
※その後一九五三年ニューヨーク万博、五五年パリ万博の開催へとつながっていく。
一八九六年 第一回アテネ・オリンピック
一九〇〇年 第二回パリ・オリンピック
※開催都市がアテネからパリへ。以後、近代オリンピックの開催地は巡回制として定着。
3.国際美術展の祖形としてのヴェネツィア・ビエンナーレ
◆国別参加制度
主会場のカステッロ公園には30の国別展示館が立ち並ぶ
日本館は一九五六年建設。建築家は吉阪隆正。
◆授賞制度
日本の授賞歴
一九五六年 国際大賞(内閣総理大臣賞)=棟方志功
一九五八年 アストーレ・マイエル賞/ユネスコ賞=岡田謙三
一九六二年 デヴィッド・E・ブライト基金賞=菅井汲
一九六四年 アーサー・レイワ賞=堂本尚郎
一九六六年 国際大賞(文部大臣賞)=池田満寿夫
一九六八年 カルロ・カルダッツォ賞=高松次郎
… この間、一九七〇―八四年賞制度廃止(八六年から復活)。
一九九五年 優秀賞=千住博
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4.映像資料
『ファースト&スロウ―第49回ヴェニス・ビエンナーレ日本館2001 記録』DVD(2002年)
コミッショナー=逢坂恵理子
参加作家=畠山直哉、藤本由紀夫、中村政人
参考リンク
国際交流基金/ヴェネチア・ビエンナーレ 美術展