芸術論特殊講義二〇〇八


期末試験問題概略告知

一、講義で紹介した展覧会について基礎的な知識を問う/○×問題/一〇問/各 三点(三〇点)

二、展覧会の成り立ちについて述べた文章の空欄に適切な用語を選んで文を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/一〇問/各二点(二〇点)

三、近代における日本画と西洋画について、指定される五つの用語を適切に用いて論述せよ/論述問題・用語指定/字数制限なし/ 二〇点

四、美術展と、そのほかの文化イベント(映画、演劇、コンサート、ライヴ等)を比較して自由に論述せよ/論述問題・自由形式/字数制限なし/三〇点


成績評価方法

試験:一〇〇点満点×〇.七(計七〇点)

課題レポート:一〇点

出席:一一回=一一点(欠席毎マイナス一点 例:欠席三回=出席点八点)

※最初の一回をカウントしない

授業態度等の調整点:全回出席者にプラス二点

そのほか授業への参加度をオピニオンシートの回答等をもとに七〜一〇点の範囲で加算


芸術論特殊講義(後期)試験問題

実施日時 二〇〇九年一月二十七日(火)
16時10分〜17時40分(90分)

(各三点、計三〇点)

一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。

(1)ベルリン国立アジア美術館が所蔵する日本美術のうちの一部は、林忠正コレクションから取得されたものである。

(2)ラファエル前派は、ルネサンスの巨匠ラファエロの美術を崇拝した若い画家たちの集団である。

(3)狩野芳崖の代表作《悲母観音》は、東京藝術大学に所蔵されている。

(4)国際共同巡回展「アジアとヨーロッパの肖像」は、国立民族学博物館と国立国際美術館を皮切りに、福岡、神奈川を巡回ののち、マレーシア、シンガポール、フィリピン、スウェーデン、イギリスへと巡回する。

(5)イギリス人チャールズ・ワーグマンは五姓田義松に師事して日本画を学んだ。

(6)運慶の父は康慶、息子は湛慶。

(7)一九八〇年の光州民主化運動をきっかけとして、反軍部、民主化闘争に協調する近代主義美術が全盛期を迎えた。

(8)ヒロシマ賞は、原爆の悲惨さを世界に訴えることに貢献した美術家に与えられる現代美術の賞である。

(9)エミリー・ウングワレーは、カンガルーやエミューなどオーストラリアの野生動物を写実的に描いた絵で国際的に高く評価された。

(10)中国の美術家たちが欧米の現代美術についての情報が得られるようになったのは、一九八九年の天安門事件以後である。

 

(各二点、計二〇点)

二、次の文を読み、空欄となっている( A )〜( J )に、のちに記されている(1)〜(30)のうち最も適当と思われる言葉を補い、文を完成せよ。解答用紙には、( A )〜( J )の各欄に該当する言葉を(1)〜(30)の番号で記すこと。

 ひとくちに展覧会と言っても、その内容はさまざまである。一人の作家の生涯をその代表作で振り返るような展覧会を( A )という。通常、作家の代表作は、さまざまな美術館に所蔵されているため、それらを一堂に会して開催される( A )は、作家の( B )五〇周年、( C )一〇〇周年などの特別な機会に開かれることが多い。作品は、制作年順に並べられるか、主題ごとに分けて展示される。
 会場で、観客が作品を見て回る順路を( D )という。( D )を十分配慮しつつ、会場構成を考えるのも( E )の仕事のひとつである。
 ( E )の研究成果に基づいて、新たな見方や新知見を紹介するような展覧会を( F )という。( F )の図録には作品図版のほかに、論文やエッセイ、年表、参考文献などが収録される。( F )は、複数の美術館の( E )によって準備され、それぞれの美術館を( G )する場合もある。こうした展覧会を( G )展と呼ぶ。( G )展を開催する利点は、複数の美術館に所属する( E )が互いの専門性を活かすことで、内容を充実させられる点にある。また、共通( H )の分担によって一館当たりの負担を抑えられる点も利点である。
 展覧会の開催において、責任を分有している組織は( I )として、経済的な支援を行った組織は( J )として展覧会会場の入口や印刷物等に記載される。
 

(1)生涯展  (2)回顧展  (3)傑作展  (4)生後  (5)生誕  (6)創設  (7)没後

(8)入寂  (9)絶滅  (10)誘導線  (11)指示線  (12)動線  (13)画家  (14)学芸員

(15)監視員  (16)常設展  (17)企画展  (18)広報展  (19)巡視  (20)巡回  (21)巡業  

(22)経費  (23)作業  (24)作品  (25)主催  (26)協賛  (27)後援  (28)共催  

(29)協力  (30)助成

 

(二〇点)

三、近代における日本画と西洋画について、次の五つの語句を全て適切に用いて論述せよ。なお、文中に用いる順序は自由に変えてよい(字数制限なし)。
 

アーネスト・フェノロサ   肖像画   山本芳翠   五姓田芳柳   狩野芳崖

 

 

(三〇点)

四、美術展と、そのほかの文化イベント(映画、演劇、コンサート、ライヴ等)を比較して自由に論述せよ(字数制限なし)。

 

 

 

評価基準は、優=一〇〇〜八〇(学年によって秀=一〇〇〜九〇)、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、三、四の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である。