<第六講> 事例研究(五)光州ビエンナーレ
1.配付資料
『光州ビエンナーレ』(1995年)、2-7頁。 ※日本語パンフレット
シンボル・ロゴ/マスコット/光州ビエンナーレ宣言文
主題/展示館
国際美術展
国際特別展/記念展/後援展
1−1.光州ビエンナーレ宣言文
■芸術の本当の精神と価値は文明社会の葛藤の中で本質的な危機にさられて〔ママ〕いる.
政治的イデオロギーの時代,文化の覇権主義時代はすぎ去っても 芸術の本質的機能と信
ョに対する問いかけは止むことがない.芸術はこれから,権威主義が 自ら招いた孤立と観念
をのり越え,自由奔放な時代の前線へと向かわなければならず,大衆の共感と支持を得るた
めに新しい地を開拓しなければならない.1995 年,時代の曲がり角にあって光州ビエンナーレは新しい芸術の秩序の為に 錨を上げ
て出発をなす.光州,韓国そして世界史の歪曲を主体的に克服し芸術 のすばらしさにあふれ
る和合の広場を実現するためにその機首を開かれた世界へと方向を変えている.これとともに分断の韓国史を克服し引き裂かれた世界史を統合し,芸術により 再照明す
る‘光の都’ となる為に多様な文化創造に積極的に寄与するつもりである.芸術は対決と矛盾,暴力と差別を拒否し,人間愛を基盤とした自然精神を尊重しなければ
ならない.それは芸術のすぐれた 自生力によるものであり,政治社会,産業社会の破局をい
やす芸術の機能であると信じている.光州ビエンナーレは光州の民主的市民精神と芸術的伝統をパターンとしている.健康な民
族精神を尊重し地球村時代の世界化の一員として文化生産の中心軸としての役割を自ら引
き受け,東洋と西洋の平等な歴史の創造と21 世紀のアジア文化の能動的な発芽のため,そし
て太平洋時代の文化共同体のために各民族文化の多様な固有生産方式を尊重する.光州ビエンナーレは西欧化より世界化に,画一性より多様性のために芸術の集中力と適応
力を育てていくつもりである.芸術の在り方を未来指向〔ママ〕と現実認識に均等に適用し,伝統の
価値を生き方と精神の中に探し出す文化運動として成熟させなければならない.このために
先端科学と伝統の協力を模索し,自由と想像力を土台に新しい時代精神を築き上げていくつ
もりである.※文中の精神の“神”,社会の“社” の示偏,尊重の“尊”の酋部は原文では旧字体が用いられている