期末試験問題概略告知
1.国際美術展、および現代美術について基礎的な知識を問う/○×問題/10問/各3点(30点)
2.地球規模化する国際美術展の現状について解説した文の空欄に適切な用語を選んで文章を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/5問/各4点(20点)
3.ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展について、指定される5つの用語を適切に用いて論述せよ/論述問題・用語指定/字数制限なし/20点
4.世界美術史について、自由に論述せよ/論述問題・自由形式/字数制限なし/30点
成績評価方法
試験:100点満点×0.7(計70点)
翻訳課題:10点
出席:12回=12点(1欠席毎-1点 ex.欠席3回=出席点9点)
※最初の1回をカウントしない
授業態度等の調整点:全回出席者に+2点
そのほか授業への参加度をオピニオンシートの回答等をもとに6〜10点の範囲で加算
美学・美術史特殊講義/芸術論特殊講義(前期)試験問題
実施日時 二〇〇九年七月二十八日(火)
12時50分〜14時20分(90分)
(各三点、計三〇点)
一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。
(1)現在開催中のヴェネツィア・ビエンナーレ第五十三回国際美術展の日本代表作家は、やなぎみわである。
(2)ドクメンタは、第二次大戦中のドイツで開始された。第一回展では、ドイツ民族の優位性を強調する作品が多数紹介された。
(3)シドニー・ビエンナーレの第三回展「ヨーロッパとの対話」には、日本やアジアの作家は含まれなかった。
(4)横浜トリエンナーレ二〇〇八の総入場者数は約三〇万人。第一回展約一〇万人、第二回展約二〇万人と毎回、一〇万人ずつ着実に増えてきている。
(5)横浜トリエンナーレ二〇〇八の決算の総額は約九億円。そのうち約三割を国際交流基金が支出し、同じく約三割強を横浜市が支出。残りは入場料収入、カタログ等販売、企業協賛金等で補っている。
(6)キャロライン・ジョーンズは二〇〇六年のCAAボストン大会の研究発表で、ビエンナーレ文化と美術館文化を対比的に論じた。
(7)光州ビエンナーレ2008の総合監督は、ナイジェリア出身のオクウィ・エンウェゾー。外国人キュレーターを抜擢したのは同展史上、初めてである。
(8)今年十二月五日、アジア太平洋現代美術トライエニアルの第四回展がオーストラリアのブリスベンで開幕する。
(9)サンパウロ・ビエンナウの第一回展は一九五一年開催。ヴェネツィア・ビエンナーレに次いで「世界で二番目に古いビエンナーレ」と通称される。
(10)インディジェネス・アートという言葉は、通常、民族芸術や先住民美術と翻訳されている。
(各二点、計二〇点)
二、次の文を読み、空欄となっている( A )〜( E )に、のちに記されている(1)〜(15)のうち最も適当と思われる言葉を補い、文を完成せよ。解答用紙には、( A )〜( E )の各欄に該当する言葉を1〜15の番号で記すこと。
「東洋と西洋の平等な歴史の創造と二十一世紀のアジア文化の能動的な発芽のため、そして太平洋時代の文化共同体のために各民族文化の多様な固有生産方式を尊重する」。
右の文章は、( A )ビエンナーレ宣言文の一部である。同展の第一回展が開催された一九九五年制作の日本語パンフレットに掲載されている。一九八〇年代より、ビエンナーレや( B )と呼ばれ、二年ごと、三年ごとに開催される国際美術展の開催が、非欧米圏、欧米圏を問わずに広がった。日本でも、一九九九年に( C )アジア美術トリエンナーレ、二〇〇〇年に大地の芸術祭―越後妻有アートトリエンナーレ、二〇〇一年に( D )トリエンナーレが相次いで新設された。世界各地で国際美術展が開催されるようになって、各展覧会に参加している作家の顔ぶれや展覧会のテーマが似通ったものになってきたことを指して、( E )という言葉が使われ始めた。しかし他方で、各国際美術展が目指してきたものは、冒頭の宣言文にもある通り、国際的な平等主義であるとともに地域固有の文化の称揚であり、均質化よりも差違化であった。
(1)イスタンブール (2)シドニー (3)光州 (4)バイエニアル (5)トリエンナーレ
(6)アートフェア (7)福岡 (8)広島 (9)神戸 (10)愛知 (11)横浜 (12)千葉
(13)ビエンナリゼーション (14)グローバリゼーション (15)アメリカニゼーション
(二〇点)
三、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展について、次の五つの単語を適切に用いて論述せよ(字数制限なし)。
国際映画祭 国別参加制度 国際交流基金 コミッショナー 金獅子賞
(三〇点)
四、世界美術史について、自由に論述せよ(字数制限なし)。
評価基準は、優=一〇〇〜八〇(学年によって秀=一〇〇〜九〇)、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、三、四の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である。