福岡アジア美術トリエンナーレ
◆第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009
テーマ:共再生―明日をつくるために
出品作家選考協議会:中村英樹、後小路雅弘、藤井浩、プージャ・スード、フォン・ボイ(馮博一)
協力キュレーター:遠藤水城
コーディネーター:サリマ・ハシミ
会期:2009年9月5日〜11月23日
会場:福岡アジア美術館
◆展覧会図録より
“「共再生」は「共生」と「再生」を合わせた造語である。「共生」は、人間と他の生物、異なる生物どうしが相互に安定した関係をとりむすんでいる状態を示す。ここでは、自然における「共生」関係に加えて、自己と他者、個人と集団、富者と貧者、多数派と少数派、中央と地方・周縁、巨大都市と小村落、都市と自然など、あるいは異なる世代・異なる文化間などの政治的・経済的・社会的な「共生」関係をも包含する。これらの関係においては、しばしば互いに対立し、一方だけが勝者となることも多いのが現状であるが、本展では、双方に適切な利益があることで永続的な発展と創造が行われるような「共生」関係を探究したい。
……(中略)……
このような状況で、「再生」が必要なのは、経営危機の企業や自治体、衰退した街や村落、荒廃した学校だけではなく、人間の生きる権利であり、他者や自然や歴史への責任感である。それはデジタル録画のような同一物の再生ではなく、失われたり傷ついた生体・物体の復元や、瀕死の状態からの蘇生にとどまるものでもなく、実験的な手法と、飛躍した発想に基づき、未来への希望で私たちの胸を再び満たすような、創造的な「生まれ変わり」でなければならない。”
「テーマ 《共再生―明日をつくるために》」、『第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009』(福岡アジア美術館、2009年)、8-9頁。
◆作品紹介
ジャン・リーロイ・ニュー(フィリピン)《キメラ》、2009年
会場模型 株式会社環境デザイン機構(縮尺 1:50)
黄永砅(ホワン・ヨンピン)(中国)《2002年6月11日、ジョージ5世の夢》、2002年
黄永砅《ニシキヘビの尾》(1)、(2)、2000年
ソレン・ポース(デンマーク) &アパルナ・ラオ(インド)《無題》、2009年
ディン・チ・レ(ベトナム)《南シナ海ピシュクン》(1)、(2)、(3)、2009年
チュオン・タン(ベトナム)《平和の母》、2009年
アトゥル・バッラ(インド)《ヤムナー川を歩く》 (1)、(2)、2009年
比嘉豊光《赤いゴーヤー》 (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、1970-72/2004年
シャジア・シカンダー(パキスタン)《絵巻》 (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、1989-91年
シャジア・シカンダー《女神ネメシス》 (1)、(2)、2003年
邱志傑(チゥ・ジージエ)(中国)《国々を救う水》 (1)、(2)、(3)、2009年
西京人(小沢剛、陳劭雄(チェン・シャオション)、キムホンソク) 《第4章 アライブ西京―西京国大統領の日常》(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、2009年