フランスの浮世絵師 アンリ・リヴィエール展

石川県立美術館 七月二十四日―八月二十三日
神奈川県立近代美術館 葉山 九月五日―十月十二日
山口県立萩美術館・浦上記念館 十月二十日―十二月六日


展覧会の構成

第一部:カフェ「シャ・ノワール」 初期作品と影絵劇

第二部:ブルターニュ 自然の風景

第三部:世紀末パリ 近代化する都市の風景

第四部:リヴィエールと日本

第五部:近代日本絵画とリヴィエール


展覧会図録の構成

ごあいさつ

メッセージ

謝辞

アンリ・リヴィエール 画家=版画家・絵師|ヴァレリー・シュール=エルメル

―ジャポニスムの画家が残した浮世絵―アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション|藤村忠範

アンリ・リヴィエールの写真:デッサン、版画の副次的手段として|フランソワーズ・エルブラン

アンリ・リヴィエールと近代のパリ|カロリーヌ・マチュー

アンリ・リヴィエールの谺―林忠正・杉浦非水・富本憲吉|李美那

アンリ・リヴィエールを通して見た日本と西洋|飯山雅英

カタログ

[フランス語テキスト]

出品作品リスト

略年譜

書誌


1. カフェ「シャ・ノワール」 初期作品と影絵劇

1-1. 《亡者の湾》、1885年、エッチング、44.0×57.0cm、フランス国立図書館

1-2. 楽譜本『星との歩み』、1896年、リトグラフ、25.0×33.0cm、個人蔵

1-3. リトグラフ集『星との歩み』:《漁師》、1896年、リトグラフ、32.5×38.0cm、個人蔵

1-4. 楽譜本『月の明かり』、1897年、リトグラフ、25.0×33.0cm、個人蔵/ポスター『月の明かり』、1897年、リトグラフ、43.0×83.0cm、フランス国立図書館

1-5. 楽譜本『さまよえるユダヤ人』、1898年、リトグラフ、25.0×33.0cm、個人蔵/ポスター『さまよえるユダヤ人』、1898年、リトグラフ、43.0×83.0cm、フランス国立図書館


2. ブルターニュ 自然の風景

2-1. 『海、波の研究』:《上げ潮の小波(ラ・エ岬)》、1890年、木版、23.0×35.0cm、フランス国立図書館

2-2. 『海、波の研究』:《波の後の泡(トレブル)》、1892年、木版、23.0×35.0cm、フランス国立図書館

2-3. 葛飾為斎『花鳥山水図式 壱』、明治期(嘉永2(1849)年初版)、版本、12.5×18.0cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-4. 『ブルターニュ風景』:《アル=フィックの岩場(プルマナック)》、1891年、木版、23.0×35.0cm、フランス国立図書館

2-5. 『ブルターニュ風景』:《海の漁師(サン=ブリアック)》、1891年、木版、23.0×35.0cm、フランス国立図書館

2-6. 『ブルターニュ風景』:《ペロス=ギレック村の墓場と教会》、1891年、木版、23.0×35.0cm、フランス国立図書館

2-7. 『ブルターニュ風景』:《トレブルのいわし漁船の出帆》、1893/1914年、木版、23.0×35.0cm、フランス国立図書館

2-8. 『ブルターニュ風景』:《トレブルのいわし漁船の出帆》、1893/1914年、木版、23.0×35.0cm、フランス国立図書館/葛飾北斎『富嶽三十六景』:《常州牛堀》、天保2-5(1831-1834)年、横大判錦絵、26.2×38.8cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-9. 『自然の様相』:《海の夜》、1897年、リトグラフ、54.5×83.0cm、フランス国立図書館

2-10. 『自然の様相』:《日没》、1897年、リトグラフ、54.5×83.0cm、フランス国立図書館

2-11. 『自然の様相』:《黄昏》、1898年、リトグラフ、54.5×83.0cm、フランス国立図書館/葛飾北斎『富嶽三十六景』:《東海道程ヶ谷》、天保2-5(1831-1834)年、横大判錦絵、26.5×38.0cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-12. 『美し国ブルターニュ』:《ランメリュスでの月の明かり》、1900年、リトグラフ、35.0×23.0cm、フランス国立図書館/歌川広重『名所江戸百景』:《よし原 日本堤》、安政4(1857)年、大判錦絵、33.9×22.5cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-13. 『美し国ブルターニュ』:《干潮のロギヴィの港》、1905年、リトグラフ、23.0×35.0cm、県立ブルターニュ博物館/歌川広重『名所雪月花』:《多満川秋の月あゆ猟の図》、天保10-弘化4(1839-1847)年、横大判錦絵、22.4×34.7cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-14. 『美し国ブルターニュ』:《ドゥアルヌネの港》、1911年、リトグラフ、23.0×35.0cm、県立ブルターニュ博物館/歌川広重『江都名所』:《高輪之夕景》、天保6-9(1835-1838)年、横中判錦絵、16.8×23.9cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-15. 『時の魔術』:《上弦の月》、1901年、リトグラフ、60.0×24.0cm、県立ブルターニュ博物館/歌川広重『五十三次名所図会』:《四十三 桑名 七里の渡船》、安政2(1855)年、大判錦絵、34.0×22.3cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-16. 『時の魔術』:《風》、1901年、リトグラフ、60.0×24.0cm、県立ブルターニュ博物館/葛飾北斎『富嶽三十六景』:《駿州江尻》、安政2(1855)年、横大判錦絵、24.4×36.9cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-17. 『北西の風に』:《少年水夫たち》、1906年、リトグラフ、37.5×49.5cm、県立ブルターニュ博物館/葛飾北斎『富嶽三十六景』:《甲州石班沢》、天保2-5(1831-1834)年、横大判錦絵、26.0×38.1cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

2-18. 広告カレンダー『美し国ブルターニュ』:《ケルマリのトゥリウ川》、1912年、リトグラフ、23.0×35.5cm、県立ブルターニュ博物館


3. 世紀末パリ 近代化する都市の風景

3-1. リトグラフ集『エッフェル塔三十六景』、1888-1902年、リトグラフ、23.3×29.2cm、山口県立萩美術館・浦上記念館

3-2. 『エッフェル塔三十六景』:《建設中のエッフェル塔、トロカデロからの眺め》、1902年、リトグラフ、17.0×21.3cm、オルセー美術館

3-3. 『エッフェル塔三十六景』:《ポワン・ドゥ・ジュール波止場から》、1902年、リトグラフ、17.0×21.3cm、オルセー美術館

3-4. 『エッフェル塔三十六景』:《セーヌ川のパリ祭、7月14日》、1902年、リトグラフ、17.0×21.3cm、オルセー美術館

3-5. 『エッフェル塔三十六景』:《桟橋から》、1902年、リトグラフ、17.0×21.3cm、オルセー美術館/歌川広重『東海道五十三次』《岡崎 矢はぎのはし》、天保11(1840)年、横大判錦絵、33.0×43.0cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

3-6. 自宅で東洋陶磁器を鑑賞するリヴィエール、1896年、写真、13.0×18.1cm、ヌフラール・コレクション


4. リヴィエールと日本

4-1. 鈴木春信《婚礼錦貞女軍 色直し》、明和4-7(1767-70)年、横中判錦絵、20.5×27.5cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

4-2. 鳥居清長《大川端夕涼み》、天明4(1784)年、大判錦絵、37.5×26.5cm、旧アンリ・リヴィエール浮世絵コレクション、フランス国立図書館

4-3. 雑誌『パリ・イリュストレ』日本特集、1886年5月1日号、45.2×33.5cm、個人蔵

4-4. 「日本美術友の会 夕食会招待状」、1907年、リトグラフ、17.4×12.0cm、フランス国立図書館


5. 近代日本絵画とリヴィエール

5-1. 南薫造《伊太利アッシシの城》、1911年頃、木版、25.5×18.5cm、町田市立国際版画美術館

5-2. 山本鼎《ブルトンヌ》、1920年、木版、36.9×28.4cm、千葉市美術館

5-3. 川瀬巴水『旅みやげ 』第T集 :《金沢ながれのくるわ》、1920年、木版、36.4×24.3cm、山口県立萩美術館・浦上記念館

5-4. 吉田博『東京拾二題』:《隅田川》、1926年、木版、24.8×37.3cm、山口県立萩美術館・浦上記念館/『東京拾二題』:《隅田川 夕》、1926年、木版、24.9×37.2cm、山口県立萩美術館・浦上記念館

5-5. 吉田博《ヴェニスの夕》、1928年、木版、12.6×8.1cm、山口県立萩美術館・浦上記念館

5-6. 漆原木虫《ストーンヘンジ・昼》、1913-39年、木版、25.4×38.1cm、個人蔵/《ストーンヘンジ・夜》、1913-39年、木版、25.4×38.3cm、個人蔵


アンリ・リヴィエール 略年譜

1864年 パリに生まれる。

1880年 16歳 レアンドル、シニャックとともに画家エミール・バンのアトリエに通う。

1882年 18歳 週刊新聞『シャ・ノワール』の編集者となり、記事や挿絵を発表。

1885年 21歳  《亡者の湾》など幻想的なエッチングを制作。

1889年 25歳 「日本流」の木版画を始める。

1890年 26歳 リヴィエールの舞台美術による『星との歩み』初演。

1892年 27歳 『ブルターニュ風景』と『海、波の研究』を「画家=版画家」展に出品。

1897年 33歳 極東美術専門の古美術商フロリン・ランヴェイユと知り合う。

1898年 34歳 『美し国ブルターニュ』シリーズを開始

1900年 36歳 パリ万国博覧会で「木版画およびリトグラフ」部門の金メダルを受賞。

1902年 38歳 『エッフェル塔三十六景』を出版。

1903年 39歳 日本美術商林忠正の注文により、東京の林邸の食堂を飾る油絵大作の制作を開始。

1906年 42歳 林忠正注文の油絵を日本へ向けて発送。同年4月、林が亡くなったため、設置はされなかった。

1917年 53歳『美し国ブルターニュ』シリーズの最後の作品を出版。以降、版画家としての活動を停止し、水彩画制作に集中する。

1923年 69歳 『極東美術の陶磁』出版。

1944年 80歳 視力を失う。最後の水彩画を制作。

1951年 87歳 スシー=アン=ブリで死去。

参照:『フランスの浮世絵師 アンリ・リヴィエール展』図録(NHKサービスセンター、2009年)、214-215頁。