芸術論特殊講義二〇〇九


期末試験問題概略告知

一、講義で紹介した展覧会について基礎的な知識を問う/○×問題/一〇問/各 三点(三〇点)

二、ビエンナーレ、トリエンナーレなどの国際美術展の現況と歴史について述べた文章の空欄に適切な用語を選んで文を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/一〇問/各二点(二〇点)

三、美術館学芸員の仕事について、指定される五つの用語を適切に用いて論述せよ/論述問題・用語指定/字数制限なし/ 二〇点

四、美術展の楽しみ方について、この講義で学んだ内容をまとめた上で、自由に論述せよ/論述問題・自由形式/字数制限なし/三〇点


美学・美術史特殊講義/芸術論特殊講義(後期)試験問題

実施日時 二〇一〇年一月二十六日(火)
12時50分〜14時20分(90分)

(各三点、計三〇点)

一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。

(1)THEハプスブルク展は、一月現在、国立新美術館で開催中である。

(2)アンリ・リヴィエール旧蔵の浮世絵コレクションは、ゴッホやモネ、ロダンのそれを凌ぐ最大級のものである。

(3)ラファエル・コランは、アレクサンドル・カバネルを弟子にした。

(4)黒田清輝が第四回内国勧業博に出品した《朝妝》は、裸体画問題を引き起こした。

(5)神戸ビエンナーレは、二〇〇五年から一年おきに開催されており、昨年第三回展を開催した。

(6)UBEビエンナーレは、野外彫刻の公募展である。

(7)第四回福岡アジア美術トリエンナーレ2009のテーマ「共再生」は、「共生」と「再生」を合わせた造語である。

(8)大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレの総合監督は、北川フラムである。

(9)マイク・ボードは、スウェーデン生まれの美術家。第二回北九州国際ビエンナーレに参加するために来日した。

(10)山口情報芸術センターの企画展「tFont/fTime」は、文字と時間を組み合わせた作品を紹介した展覧会である。

 

(各二点、計二〇点)

二、次の文を読み、空欄となっている( A )〜( J )に、のちに記されている(1)〜(30)のうち最も適当と思われる言葉を補い、文を完成せよ。解答用紙には、( A )〜( J )の各欄に該当する言葉を(1)〜(30)の番号で記すこと。

 ビエンナーレ、トリエンナーレは、それぞれ( A )年ごと、( B )年ごとに開催される展覧会の総称である。最も長い歴史を有するのが、( C )・ビエンナーレ国際美術展である。十九世紀に開始された、この国際美術展は、同じ世紀に開始され、ロンドンやパリで大成功を収めていた( D )をモデルとしている。第二次世界大戦中には、( E )の威信を表明する場としても注目を集めた。
 ビエンナーレやトリエンナーレなどの国際美術展の開催が増加したのは、戦後のことである。まず一九五一年にサンパウロ、五九年にパリ、七三年にはシドニーで、それぞれビエンナーレが開始された。ヨーロッパ以外に、( F )での開催が注目される。アジアなど、非欧米圏での開催が顕著になってくるのは、八〇年代以降である。八四年にハバナ、八七年にイスタンブール、九二年にダカールでビエンナーレが開始され、九五年には光州で東アジア最大規模のビエンナーレが開始された。これらの国際美術展は、現代美術における脱欧米中心主義や( G )を推し進めた。
 日本では、一九九九年に福岡アジア美術館で福岡アジア美術トリエンナーレ、二〇〇〇年に越後妻有アートトリエンナーレ、そして〇一年に( H )トリエンナーレが開始されて、本格的な国際美術展時代に突入した。このうち、福岡アジア美術トリエンナーレは、七九年の福岡市美術館の開館時より、「アジア美術展」の名称で開催されてきた事業を発展継承させたものである。また、UBEビエンナーレは、六五年以来、( I )という名称で開催されてきた展覧会を、二〇〇八年四月に改称したものである。
ビエンナーレ、トリエンナーレの新設は、国内でも海外でも続いており、昨年は、チリ・トリエンナーレが新たに開始された。二〇一〇年の今年は、国内で新たに( J )トリエンナーレが開始される。

(1)一  (2)二  (3)三  (4)四  (5)五  (6)六  (7)ヴィチェンツァ
(8)ヴェネツィア  (9)ドロミーティ  (10)産業博覧会  (11)万国博覧会  (12)オリンピック  
(13)芸術  (14)国家  (15)民衆  (16)第三世界  (17)発展途上国  (18)南半球  
(19)多文化主義  (20)個人主義  (21)芸術至上主義  (22)横須賀  (23)横浜  (24)神戸  
(25)現代日本彫刻展  (26)日本国際美術展  (27)ときわ国際彫刻展  (28)あいち  (29)こうち  
(30)せとうち

 

(二〇点)

三、美術館学芸員の仕事について、次の五つの語句を全て適切に用いて論述せよ。なお、文中に用いる順序は自由に変えてよい(字数制限なし)。

企画展  展覧会図録  コレクション  研究紀要  年報

 

 

(三〇点)

四、美術展の楽しみ方について、この講義で学んだ内容をまとめた上で、自由に論述せよ(字数制限なし)。

 

 

 

評価基準は、優=一〇〇〜八〇(学年によって秀=一〇〇〜九〇)、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、三、四の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である。