美学・美術史概論U二〇一一


<第十講> マドリード、プラド美術館ほか

ヨーロッパ地図

◆芸術の都―マドリード

かつてのスペイン帝国(太陽の沈まない国)の首都

16-17世紀=「黄金の世紀」

プラド美術館=スペイン王家の美術品蒐集。 1819年開館(王立美術館として)、1868年に国立美術館化、1872年国内の修道院の絵画を集約。

英・仏・独など政治的・宗教的に敵対関係にあった国の美術品は少なく、スペイン絵画の体系的展示と、フランドル、ヴェネツィア派の収集に特徴がある。

◆スペイン王家

  ハプスブルク(アブスブルゴ)朝

・カルロス1世(1516年 - 1556年) (兼神聖ローマ皇帝カール5世、1519年 - 1556年)

・フェリペ2世(1556年 - 1598年) (兼ポルトガル王フィリペ1世、1581年 - 1598年)

・フェリペ3世(1598年 - 1621年) (兼ポルトガル王フィリペ2世、1598年 - 1621年)

・フェリペ4世(1621年 - 1665年) (兼ポルトガル王フィリペ3世、1621年 - 1640年)

・カルロス2世(1665年 - 1700年)

マドリード主要部地図


プラド美術館(内部)

1-1. カンピン《寄進者ヴェルルと洗礼者ヨハネ》《聖バルバラ》、1438年、油彩・板、各101×47cm、プラド美術館

1-2. カンピン《寄進者ヴェルルと洗礼者ヨハネ》《聖バルバラ》/ロヒール・ファン・デル・ウェイデン《聖母を描く聖ルカ》

1-3. カンピン《寄進者ヴェルルと洗礼者ヨハネ》(部分図:凸面鏡)

美術用語(25) ヨハネ(洗礼者)

1-4. カンピン《聖バルバラ》(部分図:塔)

美術用語(26) 北方ルネサンス美術

2-1. ボス《快楽の園》、1500-05年、油彩・板、中央パネル、220×195cm、左右各220×97cm、プラド美術館

2-2. ボス《快楽の園》(部分図:左パネル)

2-3. ボス《快楽の園》(部分図:エヴァの創造)

2-4. ボス《快楽の園》(部分図:楽園の動物たち)

2-5. ボス《快楽の園》(部分図:中央パネル)

2-6. ボス《快楽の園》(部分図:左下)

2-7. ボス《快楽の園》(部分図:右中段)

2-8. ボス《快楽の園》(部分図:動物にまたがった男たちが泉の周囲を巡る)

2-9. ボス《快楽の園》(部分図:右パネル)

2-10. ボス《快楽の園》(部分図:楽器の拷問具)

2-11. ボス《快楽の園》(部分図:自画像)


美術史の方法論H 写真図版の活用:

・作品比較
  →分割して所蔵されている作品を再構成
  →真贋、工房作等の検討

・細部の研究=拡大写真の活用

・X線写真=下書きや修正箇所の発見

・美術史研究の成果→美術全集や展覧会図録に結実


3-1. エル・グレコ《受胎告知》、1597-1600年、油彩・カンヴァス、315×174cm、プラド美術館

3-2. エル・グレコ《受胎告知》(部分:燃える柴)

3-3. エル・グレコ《受胎告知》(部分:マリアと天使)

3-4. エル・グレコ《受胎告知》(部分:奏楽の天使)

4-1. ベラスケス《ラス・メニーナス(フェリペW世の家族)》、1656年頃、油彩・カンヴァス、318×276cm、プラド美術館

4-2. ベラスケス《ラス・メニーナス》(部分:王女マルガリータと付き人)

4-3. ベラスケス《ラス・メニーナス》(部分:ベラスケス)

4-4. ベラスケス《ラス・メニーナス》(部分:矮人)

5-1. ベラスケス《織女たち(アラクネの寓話)》、1657年頃、油彩・カンヴァス、220×289cm、プラド美術館

5-2. ベラスケス《織女たち》(部分図:むちを振り下ろすミネルウァ)

6-1. ムリーリョ《聖ベルナルドゥスに顕現した聖女》、1660年頃、油彩・カンヴァス、311×249cm、プラド美術館

6-2. ムリーリョ《聖ベルナルドゥスに顕現した聖母》(部分図:聖母の乳を受ける聖ベルナルドゥス)

7-1. ゴヤ《裸のマハ》 、1795年、油彩・カンヴァス、98×191cm、プラド美術館

7-2. ゴヤ《裸のマハ》 /《着衣のマハ》(全体図)

7-3. ゴヤ《裸のマハ》 /《着衣のマハ》(上半身)

8-1. ゴヤ《1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺》、1814年、油彩・カンヴァス、268×347cm、プラド美術館

8-2. ゴヤ《1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺》(部分図:銃殺される市民)

9-1. ゴヤ《わが子を食うサトゥルヌス》、1821-23年、油彩・カンヴァス、143×81cm、プラド美術館

9-2. ゴヤ《わが子を食うサトゥルヌス》(部分図:顔)

美術用語(27) クロノス


国立ソフィア王妃美術センター

10. ピカソ《ゲルニカ》、1937年5月1日〜6月4日、油彩・カンヴァス、349.3×776.6cm、国立ソフィア王妃美術センター


まとめ

・マドリード=スペイン帝国の首都

・16-17世紀=黄金の世紀:カルロス1世〜2世

・プラド美術館

・国立ソフィア王妃美術センター

・美術用語:ヨハネ(洗礼者)、北方ルネサンス美術、クロノス

・美術史の方法論:写真図版の活用


作家一覧

1.ロベルト・カンピン(1375頃-1444)Robert Campin

2.ヒエロニムス・ボス(1450-1516)Hieronymus Bosch

3.エル・グレコ(1541-1614)El Greco

4.ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)Diego Velázquez

5.バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(1617-1682)Bartolomé Esteban Perez Murillo

6.フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)Francisco José de Goya y Lucientes

7.パブロ・ピカソ(1881-1973)Pablo Picasso