生誕100年 ジャクソン・ポロック展
◆授業の目標
・巡回展について理解する。
・海外美術の紹介について考察する。
1.ジャクソン・ポロック展の概要 会場写真
企画展/周年記念展/巡回展/回顧展
会場・会期:
愛知県美術館 11月11日〜2012年1月22日
主催:愛知県美術館、読売新聞社、中京テレビ放送
東京国立近代美術館 2月10日〜5月6日
主催:東京国立近代美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網
2.美術館連絡協議会と巡回展について 解説スライド
・美術館連絡協議会(美連協)
・1982年12月、35館が参加して設立
・現在、132館が参加
・毎年、20〜30件の展覧会を、40〜60の美術館で開催
・巡回展のメリット
・各館学芸員の専門性に基づいた横断的な協力体制
・共通経費の分担
・広報面での相乗効果
◆ジャクソン・ポロック展の章立て
Chapter 1 1930-1941年 初期 自己を探し求めて
Chapter 2 1942-1946年 形成期 モダンアートへの参入
Chapter 3 1947-1950年 成熟期 革新の時
Chapter 4 1951-1956年 後期・晩期 苦悩の中で
3.作品紹介
Chapter 1 1930-1941年 初期 自己を探し求めて
1. 《女》、1930-33年頃、油彩・メゾナイトの粗い面、35.8×26.6 cm、長島美術館
2. 《西へ》、1934-35年頃、油彩・ファイバーボード、38.3×52.7 cm、スミソニアン・アメリカ美術館
3. 《頭蓋骨のあるアーチの前でひざまずく人物像》、1934-38年頃、油彩・カンヴァス、68.5×53.6 cm、ポロック=クラズナー財団
4. 《無題(赤いアーチと馬のある構成)》、1938年頃、油彩・上塗りされたメゾナイト・タイプの板、30.4×52 cm、ポロック=クラズナーハウス・アンド・スタディセンター
5. 《無題(蛇の仮面のある構成)》、1938-41年頃、油彩・メゾナイトの滑らかな面、30.2×26.6 cm、個人蔵
6. 《コンポジション》、1938-41年頃、油彩・メゾナイトの滑らかな面、44.1×26.4 cm、長島美術館
7. 《無題(多角形のある頭部)》、1938-41年頃、油彩・カンヴァス、板にマウント、69.2×48.8 cm、東京国立近代美術館
8. 《誕生》、1941年頃、油彩・カンヴァス、116.4×55.1 cm、テート
Chapter 2 1942-1946年 形成期 モダンアートへの参入
9. 《ポーリングのある構成U》、1943年、油彩・カンヴァス、63.9×56.3 cm、ハーシュホーン美術館
10. 《ブルー―白鯨》、1943年頃、グワッシュ、インク・ファイバーボード、48×60.5 cm、大原美術館
11. 《トーテム・レッスン 2》、1945年、油彩・カンヴァス、182.8×152.4 cm、オーストラリア国立美術館
12. 《月の器》、1945年頃、油彩、エナメル塗料・カンヴァス、板にマウント、84.8×44.5 cm、ヒューストン美術館
13. 《星座》、1946年、油彩・カンヴァス、56×46.5 cm、個人蔵
14. 《無題》、1946年、油彩、エナメル塗料、新聞紙コラージュ・メゾナイト、60.5×48cm、富山県立近代美術館
Chapter 3 1947-1950年 成熟期 革新の時
15. 《無題》、1949年頃、布、紙、厚紙、エナメル塗料、アルミニウム塗料・板、78.7×57.5cm、バイエラー財団
16. 《カット・アウト》、1948-58年、油彩、エナメル塗料、アルミニウム塗料など・厚紙、カンヴァス、ファイバーボード、77×56.8 cm、大原美術館
17. 《銀と黒のディプティック》、1950年頃、油彩・カンヴァス、29.2×43.2 cm、ケンバー現代美術館
Chapter 4 1951-1956年 後期・晩期 苦悩の中で
18. 《ナンバー 2》、1951年、油彩・カンヴァス、96.9×66.2 cm、石橋財団ブリヂストン美術館
19. 《無題》、1951年頃、油彩、エナメル塗料、小石・板、55.2×74.9 cm、個人蔵
20. 《黒、白、茶》、1952年、油彩・カンヴァス、91×70 cm、原美術館
◆ジャクソン・ポロック 略年譜
1912 1月28日、ワイオミング州コディに生まれる。
1928 手工芸高校に入学。復学と停学を繰り返す
1930 美術を学ぶためにニューヨークへ
1934 美術教師となる
1935 連邦美術計画(FAP)に参加
1937 アルコール依存症の治療を受ける
1942 《誕生》出品
1943 「今世紀の美術」画廊で初個展
1944 ニューヨーク近代美術館が作品を購入
1948 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展で展示
1951 アルコール依存症の生物化学的治療を受ける
1953 大型作品に取り組む
1954 翌年にかけて制作中断
1956 自動車事故で死去。享年44歳
4.まとめ
・巡回展
―美術館連絡協議会(読売新聞東京本社)
―複数館の協力体制によって企画を充実させ、負担を軽減する手段
―会期の調整を伴う
―展示室の規模と学芸員の専門性による連携
・海外美術の紹介
―新聞社の海外駐在事務所の活用
―「市立」、「県立」の美術館学芸員の海外出張は難しい
―美術館連絡協議会の「海外研修派遣制度」の活用
―美術品の国家補償制度(ポロック展は国立西洋美術館のゴヤ展とともに第1号に認定される)