美学・美術史講読二〇一一
◆講読テキスト
高階絵里加『異界の海―芳翠・清輝・天心における西洋―』(三好企画、改訂版二〇〇六年) ※初版二〇〇〇年
◆副読本
宮崎克己『西洋絵画の到来―日本人を魅了したモネ、ルノワール、セザンヌなど』(日本経済新聞社、二〇〇七年)
小山ブリジット『夢見た日本―エドモン・ド・ゴンクールと林忠正』、高頭麻子、三宅京子訳(平凡社、二〇〇六年)
馬渕明子『ジャポニスム―幻想の日本』(ブリュッケ、一九九七年/新装版二〇〇八年)
古田亮『狩野芳崖・高橋由一―日本画も西洋画も帰する処は同一の処』(ミネルヴァ日本評伝選)(ミネルヴァ書房、二〇〇六年)
木下長宏『岡倉天心―物ニ観ズレバ竟ニ吾無シ』(ミネルヴァ日本評伝選)(ミネルヴァ書房、二〇〇五年)
◆授業予定
十・三 |
<零> オリエンテーション (本の紹介/「目次、はじめに、序章」配布) |
十・十 |
(休講) 体育の日 |
十・十七 |
<第一講> 序章 ブルターニュの梅の木 |
十・二十四 |
<第二講> 第一章 パリ時代の山本芳翠 |
十・三十一 |
<第三講> 第二章 フランスの詩人たち |
十一・七 |
<第四講> 第三章 異種交配の海―《浦島》をめぐって |
十一・十四 |
<第五講> 第四章 山本芳翠の沖縄訪問 |
十一・二十一 |
<第六講> 第五章 《十二支》 |
十一・二十八 |
(休講) |
十二・五 |
<第七講> 第六章 黒田清輝の岡倉天心像/総括と討論 |
十二・十二 |
<第八講> 関連資料(1) 「近代美術における伝統と創造」/「開かれた伝統主義者―岡倉天心」 |
十二・十九 |
<第九講> 関連資料(2)「ジャンルの形成―『日本』をめぐる論争」(前半) |
一・九 |
(休講) 成人の日 |
一・十六 |
<第十講> 関連資料(3)「ジャンルの形成―『日本』をめぐる論争」(後半) |
一・二十三 |
<第十一講> 関連資料(4)「山本芳翠のこと」ほか |
一・三十 |
<第十二講> 総括と討論 |
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リンク:シラバス
◆講読テキストの構成
はじめに
序章 ブルターニュの梅の木
第一章 パリ時代の山本芳翠
パリ個展について
『蜻蛉集』出版について
ジュディット・ゴーティエとの交流―新発見作品(1)第二章 フランスの詩人たち―新発見作品(2)
渡辺省亭と『ラ・ヴィー・モデルヌ』
『パリ・イリュストレ』
『サムライの死』
ジャン・フルー『レ・メトレス』
『文学者および芸術家小年鑑』
『蝙蝠』と虫のジャポニスム第三章 異種交配の海―《浦島》をめぐって
《浦島》制作の背景
構図における日本と西洋の伝統
竜宮―幻影の都市のイメージ
《浦島》と前象徴派の芸術家たち
ポーとワグナー、海―国境をこえた芸術第四章 山本芳翠の沖縄訪問
制作の状況と描かれた場所について―漢詩人 森槐南と芳翠
琉球八景の伝統
琉使渡来図と《浦島》第五章 《十二支》
占勝閣について
《十二支》の来歴
《十二支》と同時代批評
注文と制作の歴史的経緯
日本美術の中の《十二支》
《十二支》の発想源―(1)
《十二支》の発想源―(2)
結論第六章 黒田清輝の岡倉天心像―《智感情》の主題と成立をめぐって
題名の由来と天心のメモについて
明治三十年前後の黒田と天心
「写意派」の画家
レンブラントと光琳
パリ万博へ―《智感情》における天心の戦略と世界観あとがき
◆講読テキスト、副読本の図書館所蔵情報
1.高階絵里加『異界の海』……山口大学教育学部文芸芸能研究室
2.宮崎克己『西洋絵画の到来』……山口大学総合図書館、山口市立図書館
3.小山ブリジット『夢見た日本』……山口県立図書館
4.馬渕明子『ジャポニスム』……山口大学総合図書館、山口県立図書館
5.古田亮『狩野芳崖・高橋由一』……山口大学総合図書館、山口県立図書館、山口市立図書館
6.木下長宏『岡倉天心』……山口県立図書館
◆提出レポート(要認証)
第一部 要旨
序章 ブルターニュの梅の木
(石井)第四章 山本芳翠の沖縄訪問
(日高)第六章 黒田清輝の岡倉天心像
(羽生)
関連資料
・高階秀爾「近代美術における伝統と創造」(後藤)
「開かれた伝統主義者―岡倉天心」(馴松)・佐藤道信「ジャンルの形成―『日本』をめぐる論争」
論争によるジャンルの移植と形成〜定義なし(末松)
日本一国対世界〜故実画から歴史画へ(野間)
勤王の画家〜戦争画の効用(福永)
裸体画論争〜「日本」像のゆらぎ(青野)
第二部 感想
後藤 /田村/仁木/長岡/本間/野間/末松/安藤/狩集/江上/篠原/田中/馴松/横田/青野/日高/村上/藤山/糸野/石井/野々内/福永/熊谷/羽生