ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年


授業の目標

・コレクション展について理解する。

・ベルリン国立美術館の成り立ちについて理解する。


1.ベルリン美術館展の概要 会場写真 ポスター

企画展/コレクション展/巡回展

会期・会場:

 6月13日〜9月17日 国立西洋美術館

 10月9日〜12月2日 九州国立博物館


コレクション展

・単一の美術館の収蔵作品を紹介する展覧会。特殊な例として、古いコレクションが解体されて、現在、複数の美術館に分かれて所蔵されている場合、それらを再構成して紹介することがある

・単一の美術館から一括借用した作品で展覧会を構成するため、複数の美術館から数点ずつ作品を借用する場合と比べて、輸送費・保険料等の経済的負担を軽減することが可能

・常設展示を常態としている欧米の美術館からの借用の場合、美術館の改修工事等で「門外不出の名品」が借用可能な機会に開催される

・コレクションの知名度や個性が開催成否の鍵


作品紹介

1. ベルナルディーノ・ピントゥリッキオ《聖母子と聖ヒエロニムス》、1490年頃、テンペラ・板、49.5×38 cm、ベルリン国立絵画館

2. ティルマン・リーメンシュナイダー派《聖母戴冠》、1510年頃、菩提樹材、42×33 cm、ベルリン国立美術館彫刻コレクション

3. ブリュッセルの彫刻家《聖母の結婚》、1450-1470年頃、胡桃材、35×24×10 cm、ベルリン国立美術館彫刻コレクション

4. ティルマン・リーメンシュナイダー《龍を退治する馬上の聖ゲオルギウス》、1490年頃、菩提樹材、77.5×56×23.5 cm、ベルリン国立美術館彫刻コレクション

5. アルブレヒト・デューラー《ヤーコプ・ムッフェルの肖像》、1526年、油彩・板(カンヴァスに移替え)、48×36 cm、ベルリン国立絵画館

6. ルーカス・クラーナハ(父)《ルクレティア》、1533年、油彩(?)・板、37.3×23.9 cm、ベルリン国立絵画館

7. レオンハルト・ケルン《ガイア、もしくは人喰いの擬人像》、1640年頃、スモモ材、高さ45 cm、ベルリン国立美術館彫刻コレクション

8. ヨハネス・フェルメール《真珠の首飾りの少女》、1662-65年頃、油彩・カンヴァス、55×45 cm、ベルリン国立絵画館

9, 10. イグナーツ・エルハーフェン《シカ狩り》/《イノシシ狩り》、1690年頃、ツゲ材、13.8×18.8×3.1 cm/13.8×18.7×3.1 cm、ベルリン国立美術館彫刻コレクション

10. イグナーツ・エルハーフェン《イノシシ狩り》(部分)、1690年頃

11. セバスティアーノ・リッチ《バテシバ》、1725年頃、油彩・カンヴァス、111.4 × 144.4 cm、ベルリン国立絵画館

12. サンドロ・ボッティチェッリ《ダンテ『神曲』「煉獄篇」挿絵素描より:地上の楽園、ダンテの告白、ベールを脱ぐベアトリーチェ(第31歌)》(部分)、1480-95年頃、銀筆、ペン、没食子インク・カンヴァス、322 × 470 cm、ベルリン国立素描版画館

13. ラファエッロ・サンティ《幼児キリストと洗礼者ヨハネ(《インパンナータの聖母》の習作)》、1511-12年頃、銀筆、鉛白・灰色の着色紙(ペンとインクは後世の加筆)、21×20.8 cm、ベルリン国立素描版画館

・参考:ラファエッロ・サンティ《幼児キリストと洗礼者ヨハネ》と《インパンナータの聖母》


ベルリン国立美術館群とプロイセン文化財団

プロイセン帝国時代のコレクションを中心とした、ベルリン市全域に点在する15の美術館から成る

※博物館島(ムゼウムスィンゼル、世界遺産)=5つの美術館

(1)旧博物館、(2)新美術館、(3)旧国立美術館、(4)ボーデ美術館、(5)ペルガモン美術館

(6) ベルクグリュン美術館
(7) シャーフ・ゲルステンベルク・コレクション
(8) ダーレム博物館
(9) 写真美術館
(10) 絵画館
(11) 素描版画館
(12) 装飾美術館
(13) 新国立美術館
(14) ケペニック宮殿、
(15) ハンブルク駅現代美術館


2.まとめ

 ・コレクション展

―フェルメールとヨーロッパ絵画の400年

―数点の名品と関連作品で構成

―「名品選」と「テーマ展」

―常設展中心の欧米の美術館と企画展中心の日本の美術館

 ・ベルリン国立美術館の成り立ち

―プロイセン帝国の遺産と新しいコレクション

―古代エジプトから現代美術までを複数の美術館で展示

―東西ドイツ統一後の再編と改修の途上

―日本ではまだ相対的に知名度が低い