美学・美術史概論U二〇一三


<第三講> ウィーン、美術史美術館ほか

ヨーロッパ地図

◆音楽の都―ウィーン

・モーツァルト、ベートーヴェンが活躍。ウィーン・フィル、ウィーン少年合唱団が有名

・オーストリア=ハンガリー帝国(ハプスブルク家)の帝都

世紀末美術の中心地、分離派の活躍

◆ハプスブルク家

1273年 ルドルフ1世が神聖ローマ帝国皇帝に選ばれる

16世紀 カール5世の時代に全盛を迎える(スペイン、ネーデルラント、ナポリ、中南米を支配)

      スペイン系とオーストリア系に分家(ルドルフ2世 在位1576-1612が収集の基礎作り)

18世紀 マリア・テレジアが最後の皇后となる(以後、「ハプスブルク=ロートリンゲン家」)

(参考作品) ハンス・フォン・アーヘン《神聖ローマ皇帝ルドルフ2世》、1600-03年頃、油彩・カンヴァス、60.0×48.0cm、美術史美術館

ウィーン主要部地図


美術史美術館

1-1. デューラー《1万人のキリスト者の殉教》、1508年、油彩・板(カンヴァスに移行)、99.0×87.0cm、美術史美術館

1-2. デューラー《1万人のキリスト者の殉教》(部分:崖から突き落とされる殉教者)

1-3. デューラー《1万人のキリスト者の殉教》(部分:首を切り落とされる殉教者と馬上のペルシア王シャープール2世)

2-1. コレッジョ《イオ》、1531年、油彩・カンヴァス、163.5×74.0cm、美術史美術館

2-2. コレッジョ《イオ》(部分:ユピテルとイオ)

2-3. コレッジョ《イオ》(部分:水を飲む鹿)

(参考図版) コレッジョ《ガニュメデス》、《イオ》、《レダ》、《ダナエ》

美術用語C ゼウス


美術史の方法論A 典拠の有無の確認と照合:

A-1. 典拠の有無:

 ・旧約聖書、新約聖書、外典など

 ・ホメロス『イーリアス』『オデュッセイア』

 ・オウィディウス『変身物語』

A-2. 典拠との照合:

 ・選択された場面(人物、小道具、背景など)

 ・提示されている解釈(表現の力点)


3-1. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》、1559年、油彩・板、118.0×164.5cm、美術史美術館

3-2. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》(部分:謝肉祭の擬人像)

3-3. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》(部分:四旬節の擬人像)

美術用語D 擬人像

4-1. ブリューゲル《バベルの塔》、1563年、油彩・板、114.0×155.0cm、美術史美術館

4-2. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:ニムロデ王の訪問)

4-3. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:画面左の街並み)

4-4. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:画面右半分)

4-5. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:クレーンなど)

5-1. アルチンボルド《四季―夏》、1563年、油彩・板、67.0×50.8cm、美術史美術館

5-2. アルチンボルド《四季―夏》(部分:顔)

(参考図版) アルチンボルド《四季―冬》、1563年、油彩・板、66.6×50.5cm、美術史美術館

(参考図版) 歌川国芳《みかけはこはゐがとんだいゝ人だ》、1847-48年、大判錦絵、35.5×24.8cm、山口県立萩美術館・浦上記念館

6. ベラスケス《青い服の王女マルガリータ》、1659年、油彩・カンヴァス、127.0×107.0cm、美術史美術館

7. フェルメール《絵画芸術の寓意》、1666-67年頃、油彩・カンヴァス、120.0×100.0cm、美術史美術館


オルブリヒ分離派館

8-1. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》、1902年、ガゼイン塗料、化粧漆喰、塗金216.0×3088.0cm、オルブリヒ分離派館

8-2. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/左壁:幸福への憧れ、か弱き人間の苦しみ)

8-3. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/左壁:幸福への憧れ)《完全武装の勇者》

8-4. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/正面:敵意に満ちた力)《巨大な怪獣ティポン》、《ゴルゴン3姉妹》、《不幸、愚行、死》、《邪欲、不貞、不摂生》、《悲嘆する苦悩》

8-5. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/正面:敵意に満ちた力(左半分)

8-6. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/正面:敵意に満ちた力(右半分)《悲嘆する苦悩》

8-7. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/右壁:歓喜)《ポエジー》、《芸術》

8-8. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/右壁:歓喜)《天使のコーラス》


オーストリア美術館

9. クリムト《接吻》、1907年、油彩・カンヴァス、180.0×180.0cm、オーストリア美術館

10.エゴン・シーレ《死と乙女》、1915年、油彩・カンヴァス、150.0×180.0cm、オーストリア美術館

美術用語E 世紀末


まとめ

音楽の都ウィーン=ハプスブルク家の帝都

・ハプスブルク家/神聖ローマ皇帝ルドルフ2世

・美術史美術館

・オルブリヒ分離派館

・オーストリア美術館

・美術用語:ゼウス擬人像世紀末

・美術史の方法論:典拠の有無の確認と照合

 ―典拠:聖書ホメロスオウィディウスなど

 ―場面の「選択」や「解釈」に着目


作家一覧

1.アルブレヒト・デューラー(1471-1528)Albrecht Duerer

2.コレッジョ(1489頃-1534)Correggio

3.ピーテル・ブリューゲル(1525/30-1569)Pieter Bruegel I

4.ジュゼッペ・アルチンボルド(1527-1593)Giuseppe Arcimboldo

5.ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)Diego Velázquez

6.ヨハネス・フェルメール(1632-1675)Johannes Vermeer

7.グスタフ・クリムト(1862-1918)Gustav Klimt

8.エゴン・シーレ(1890-1918)Egon Schiele