アルセナーレの歴史と現在


1.アルセナーレ地図

【Arsenale】 ヴェネツィア共和国時代に設置された国立造船所。現在はイタリア海軍基地として利用されている。

1980年に国別展示の枠組みを取り払った「アペルト(Aperto: 開放/出口)」展が開催され(1993年まで継続)、1997年以降、国際企画展の主会場の一つとなった。

アルセナーレ入口(1)(2)

アルセナーレ内部(1)(2)

 ◆会場利用の変遷

1999年(第48回):テーゼの一部エリアでアルゼンチンほか19カ国の作家が展示

2001年(第49回):全エリアを国際企画展「人類の舞台」の会場として使用

2003年(第50回):8つの企画展の会場として使用

2005年(第51回):中国館が開館

2007年(第52回):イタリア館(2006年開館)、アフリカ館、トルコ館が開館

2009年(第53回):アラブ首長国連邦館、チリ館、ラテンアメリカ館が開館

2011年(第54回):クロアチア館、インド館、アルゼンチン館、サウジアラビア館が開館

 ◆アルセナーレの主要エリア

1. コルデリエ(製縄工場)
2. アルティッリエリエ(大砲倉庫)
3. イソレット(小島)
4. テーゼ
5. ガッジャンドレ
6. ジャルディーノ・デッレ・ヴェルジーニ


 ◆第54回展(2011年)で使用された国別館の開館年

2005年 中国館(RC)
2006年 イタリア館(I)
2007年 トルコ館(TR)
2009年 ラテンアメリカ館(IILA)、チリ館(RCH)、アラブ首長国連邦館(UAE)
2011年 クロアチア館(HR)、インド館(IND)、アルゼンチン館(RA)、サウジアラビア館(SA)

アルセナーレの現在

 ◆第55回展(2013年)参加予定国

中国、イタリア、トルコ、チリ、アラブ首長国連邦、ラテンアメリカ、アルゼンチンのほか、
バハマ、バーレン、グルジア、ホーリー・シー、インドネシア、コソボ、ラトビア、レバノン、南アフリカ共和国など27カ国


2.作品紹介

1. サウジアラビア館:「黒いアーチ」展

2. アルゼンチン館:アドリアン・ビジャール・ロハス《今は私の息子とともにいよう》(1)(2)

3. インド館:「誰もが認める―今にも破裂しそう」展

ザリナ・ハシミ《ノア》

4. クロアチア館:「自信をもって生きなければならない…監視」展

5. トルコ館:アイシャ・エルクメン《プランB》(1)(2)

6. アラブ首長国連邦館:「ほぼ2度目」展

リーム・アル・ガイス《ドバイ:その地には何が残されているのか?》

イソレット入口

7. チリ館:「大いなる南」展

8. IILA イタロ=ラティーノ・アメリカーノ研究所: 「常態と未態の間」展

イタリア館入口

9. イタリア館:「美術は〈私たちのもの/コーサ・ノストラ〉ではない」展(1)(2)(3)

10. マフィア美術館(サレーミ)展示風景

11. 中国館:「充満」展/潘公凱(パン・ゴンカイ)《融(蓮の上に溶ける雪)》(1)(2)(3)


3.まとめ

 ・アルセナーレの歴史

―ヴェネツィア共和国時代の造船所跡地

―1980-93年 「アペルト展」開催

―1997年以降 国際企画展の会場

―2005年以降 南米や中東を中心に後発参加国の国別展示スペースが開館中

 ・文化事業と都市の再開発

―歴史的景観の保全と活用

―保全費用と観光収入

―サイトスペシフィックな現代美術