フランス印象派の陶磁器1866-1886 ジャポニスムの成熟
◆フランス印象派の陶磁器展の概要 会場写真
企画展/巡回展/テーマ展
会期・会場:
2013年3月9日〜6月9日 滋賀県立陶芸の森 陶芸館
2013年10月8日〜11月24日 山口県立萩美術館・浦上記念館
2013年12月20日〜2014年2月2日 岡山県立美術館
2014年4月5日〜6月22日 パナソニック汐留ミュージアム
2014年7月5日〜8月31日(予定) 岐阜県現代陶芸美術館
◆展覧会の章立て
・展覧会におけるコーナー分け。鑑賞者の展覧会理解に資するよう、作品をグループ毎にまとめて展示する手法
・公募展の場合はジャンル毎、回顧展の場合は時代毎あるいは主題毎、テーマ展の場合は時代毎あるいはサブテーマ毎に分類される。常設展にも適用される。
・章立ては、展覧会会場と展覧会図録の双方の構成に反映される。会場では解説パネルが、図録内では短い解説文あるいは、詳細な論文が章の冒頭におかれる。
・通常、3〜5章立てにまとめられるが、広領域にわたる時代や地域を調査対象とした展覧会の場合、10章を超える場合もある。
◆作品スライド
I―テーブルウエアの大革命! フェリックス・ブラックモンの《ルソー》シリーズとジュール・ヴュエイヤール工房
1. 《染付風景文皿》、ジュール・ヴィエイヤール工房、ボルドー、1879年頃、ファイアンス陶器、径23 cm、Y. & L. ダルビス蔵
2. 《ルソー》シリーズ、えいに四十雀図皿、クレイユ・エ・モントロー陶器工場、フェリックス・ブラックモン、1867年、ファイアンス陶器、径24 cm、Y. & L. ダルビス蔵
3. 《ルソー》シリーズ、撫子に魚図皿/雄鳥に熊蜂図皿/雄鳥に花図深皿/鶏に花図皿、クレイユ・エ・モントロー陶器工場、フェリックス・ブラックモン、1867年、ファイアンス陶器、径24 cm、Y. & L. ダルビス蔵
4. 《ルソー》シリーズ、4人用のカジュアルセッティング、クレイユ・エ・モンロー陶器工場、フェリックス・ブラックモン、1867年、ファイアンス陶器、Y. & L. ダルビス蔵、テーブルコーディネート:株式会社エデュウス 木村ふみ
5. 山伏図皿/漁撈図皿/傘職人図深皿/魚釣図皿、ジュール・ヴィエイヤール工房、ボルドー、伝アメデ・ド・カランザ、1878年頃、ファイアンス陶器、径22.5 cm、Y. & L. ダルビス蔵
6. 雪景図皿/鳥人物図皿/蹴鞠図コンポート/雨景図皿、ジュール・ヴィエイヤール工房、ボルドー、伝アメデ・ド・カランザ、1878年頃、ファイアンス陶器、径22.5 cm、Y. & L. ダルビス蔵
7. 花鳥図、ジュール・ヴィエイヤール工房、ボルドー、1878年頃、ファイアンス陶器、径35 cm、Y. & L. ダルビス蔵
II―アビランド社の硬質磁器における革命 オートゥイユ工房のデザイン
8. 花文皿、アビランド社、リモージュ、レオン・パランドル、1873年、磁器、径24 cm、Y. & L. ダルビス蔵
9. 海草蟹文皿、レオン・パランドル、1874年、径25.5 cm/鳥草文皿、リサック、1876年頃、径23 cm/花文皿、ジラルダン、1883年、径24 cm/藍地金彩花文皿、伝アルベール・ダムーズ、1884年以降、径24 cm、アビランド社、リモージュ、磁器、Y. & L. ダルビス蔵
10. 日本風文皿×3点、アビランド社、リモージュ、フランソワ・クレマン・ソミエ、1872年、磁器、径18.5 cm、Y. & L. ダルビス蔵
11. 《日本の題材》シリーズ(《13の日本の美》シリーズ)デザート皿、アビランド社、リモージュ、フェリックス・ブラックモン、1876年、磁器、径22.7 cm、Y. & L. ダルビス蔵
12. 《パリジャン》シリーズ皿「月」、アビランド社、リモージュ、フェリックス・ブラックモン、1876年、磁器、径24 cm、アビランド社
13. 《パリの花》シリーズ、軍配形竹花文皿、アビランド社、リモージュ、ジラルダン、アルベール・ダムーズ、1883年、磁器、高25 cm、幅35 cm、Y. & L. ダルビス蔵
14. 『芸術の日本』No. 9 (1889年1月号)/No. 10 (1889年2月号)/No. 15 (1889年7月号)/No. 16 (1889年8月号)、サミュエル・ビング編、C. マルポン & F. フラマリオン、パリ、1889年、書籍、32×24.5 cm、Y. & L. ダルビス蔵
III―ファイアンス陶器から「印象派の陶磁器」テラコッタへ アビランド社オートゥイユ工房
15. 彫文青山秋景図大皿、アビランド社、オートゥイユ工房、フェリックス・ブラックモン、1874年、ファイアンス陶器、径51.5 cm、Y. & L. ダルビス蔵
16. バルポティーヌ 薔薇クレマチス図花瓶、アビランド社、成形:リモージュ、装飾・本焼:オートゥイユ工房、アンリ・ランベール、1876年、ファイアンス陶器、高32 cm、胴径17 ×11 cm、Y. & L. ダルビス蔵
17. バルポティーヌ 抽象文耳付花瓶、アビランド社、オートゥイユ工房、1876-83年、テラコッタ、高32 cm、径25 cm、バロンヌ・フレイ蔵
18. バルボティーヌ 黒地金彩花図水注、アビランド社、オートゥイユ工房、シャルル・ミドゥー、1876-83年、テラコッタ、高22 cm、径14 cm、Y. & L. ダルビス蔵
19. バルボティーヌ 薔薇図花瓶、アビランド社、オートゥイユ工房、ジュール・アルベール、1876-83年、テラコッタ、高30 cm、胴径31×10 cm、A. & T. ダルビス蔵
IV-1―b器・新しい素材への新しいアプローチ アビランド社ブロメ通り工房
20. 焼締金彩鯉文手付壺、アビランド社、ブロメ通り工房、伝アルベール・ダムーズ、1882年、b器、高22 cm、径11 cm、Y. & L. ダルビス蔵
IV-2―チャイニーズ・レッド―名陶工エルネスト・シャブレ
◆ジャポニスム
―japonisme[仏語]
―1860年頃からパリを中心に流行した、日本の浮世絵版画や工芸品の収集、およびそうした日本の美術品から得られた造形感覚やモティーフを芸術表現に採り入れようとす る動きの総称。
◆関連年表
1838年 アメリカ人アビランド兄弟、ニューヨークに食器類を扱う「D. G. & D. アビランド」設立
1862年 アビランド・ブラザーズ商会解散。リモージュ工場が独立してアビランド社となり、ダヴィッド・アビランドの息子シャルルが事業を継承し拡大
1867年 パリ万博に江戸幕府、薩摩藩、佐賀藩が参加。アビランド社、《ゴシック》シリーズで銀賞受賞
1872年 ブラックモン、アビランド社オートゥイユ工房の指揮権を得る
1876年 ブラックモン《パリジャン》シリーズを製作
1878年 パリ万博に明治政府が参加。
1883年 林忠正、パリに日本美術店を開く
1886年 フェノロサと岡倉天心、欧米視察旅行
1887年 ゴッホ、パリで日本版画展開催
1888年 ビング、『芸術の日本』創刊
参照: 福冨幸「関連年譜」、『フランス印象派の陶磁器1866-
◆まとめ
・展覧会の章立て
―「展覧会」理解の手掛かり
―作品を鑑賞する/展覧会構成を読み解く
―休憩コーナーに置いてある図録を活用する
―独自に章構成を組み直す可能性を探る
・ジャポニスム
―19世紀後半から20世紀初頭にかけての日本美術ブーム
―図案のソースとして
―コレクション熱(浮世絵や漆器など)
―斬新な構図や明るい色彩、連作などモティーフ以外の面でも西洋の美術動向に新しい造形感覚の発達を促す