ターナー展


ターナー展の概要 会場写真

 企画展/巡回展/個展/回顧展

 会期・会場:

2013年10月8日〜12月18日 東京都美術館
2014年1月11日〜4月6日 神戸市立博物館


作品スライド

 I 初期

1. 《ターナーの自画像》(W. ホウル[子]による版画)、1859-61年刊、エングレーヴィング・紙、15×12 cm、テート美術館

2. 《パンテオン座、オックスフォード・ストリート、火事の翌朝》、1792年ロイヤル・アカデミー展出品、鉛筆、水彩・紙、5 1.6×64 cm、テート美術館

3. 《月光、ミルバンクより眺めた習作》、1797年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・板、31.4×40.3 cm、テート美術館

4. 《嵐の近づく海景》、1803-04年以前、油彩・カンヴァス、45.7×61 cm、東京富士美術館

 II 「崇高」の追求

5. 《グリゾン州の雪崩》、1810年ターナーの画廊に展示、油彩・カンヴァス、90.2×120 cm、テート美術館

6. 《ディドとアエネアス》、1805-06年頃? / 1814年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・カンヴァス、146×237.2 cm、テート美術館

 III 戦時下の牧歌的風景

7. 《廃墟の脇で水を飲む牛(聖アガタ修道院と牛の群れ)》、1800-02年、鉛筆、水彩、グワッシュ・紙、40.5×54.6 cm、テート美術館

8. 《スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船》、1808年ターナーの画廊に展示、油彩・カンヴァス、171.4×233.7 cm、テート美術館

9. 《イングランド:リッチモンド・ヒル、プリンス・リージェント(摂政王太子)の誕生日に》、1819年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・カンヴァス、180×334.6 cm、テート美術館

 IV イタリア

10. 《月影のコロッセオ(円形闘技場)、ローマ》、1819年、鉛筆、水彩、グワッシュ・灰色のウォッシュで下塗りされた白い紙、23.2× 36.9 cm、テート美術館

11. 《チャイルド・ハロルドの巡礼―イタリア》、1832年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・カンヴァス、23.2×36.9 cm、テート美術館

12. 《レグルス》、1828年ローマで展示、1837年加筆、油彩・カンヴァス、89.5×123.8 cm、テート美術館

13. 《ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ》、1820年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・カンヴァス、177.2×335.3 cm、テート美術館

VIII ヴェネツィア

14. 《ヴェネツィア、総督と海の結婚の儀式が行われているサン・マルコ小広場》、1835年頃、油彩・カンヴァス、91.4×121 cm、テート美術館

15. 《ヴェネツィア、嘆きの橋》、1840年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・カンヴァス、68.6×91.4 cm、テート美術館

16. 《サン・ベネデット教会、フジーナ港の方角を望む》、1843年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・カンヴァス、62.2×92.7 cm、テート美術館

 X 晩年の作品

17. 《ウォータールー橋上流のテムズ川》、1830-35年頃、油彩・カンヴァス、90.5×121 cm、テート美術館

18. 《戦争、流刑者とカサ貝》、1842年ロイヤル・アカデミー展出品、油彩・カンヴァス、79.4×79.4 cm、テート美術館


19世紀の美術史

1801年 ダヴィッド《サン・ベルナール峠を越えるナポレオン・ボナパルト》
1815年 ワーテルローの戦い(仏・ナポレオン軍敗北)
1819年 ジェリコー《メデューズ号の筏》
1830年 ドラクロワ《民衆を導く自由の女神》
1831年 北斎「冨嶽三十六景」刊行開始(-35年)
1839年 ダゲール、仏学士院に「ダゲレオタイプ」発表
1844年 ターナー《雨、蒸気、スピード−グレート・ウェスタン鉄道》
1851年 ロンドン万国博覧会
1855年 パリ万国博覧会/クールベ《画家のアトリエ》
1863年 マネ《オランピア》
1867年 パリ万国博覧会(江戸幕府、薩摩藩、佐賀藩が参加)
1872年 モネ《印象―日の出》 /高橋由一《花魁》
1874年 第1回印象派展
1878年 パリ万国博覧会(明治政府が参加)
1888年 狩野芳崖《悲母観音》 /ゴッホの「耳切り事件」
1897年 黒田清輝《湖畔》
1900年 パリ万国博覧会(日本展示の事務官長・林忠正)


ターナー展の章立て

I 初期
II 「崇高」の追求
III 戦時下の牧歌的風景
IV イタリア
V 英国における新たな平和
VI 色彩と雰囲気をめぐる実験
VII ヨーロッパ大陸への旅行
VIII ヴェネツィア
IX 後期の海景画
X 晩年の作品


ターナー 略年譜

1775年 4月23日(?)、ロンドンに生まれる
1789年 1学期の見習い期間ののち、ロイヤル・アカデミー入学
1802年 ロイヤル・アカデミー正会員に推挙される
1804年 自身の画廊を完成させ、20〜30点の自作を展示
1807年 ロイヤル・アカデミーの遠近法教授に任命される
1816年 芸術家博愛基金の理事長兼出納長に選出される
1819年 初のイタリア旅行、ヴェネツィア、ローマ、ナポリ、フィレンツェ訪問
1823年 ジョージ4世の依頼を受けてトラファルガーの海戦を主題とする作品に着手、ターナー最大の作品となる
1828年 2度目のローマ訪問
1832年 ウォルター・スコット『詩集』のための挿絵をペル・メル画廊で展示
1837年 遠近法教授の職を辞す
1851年 12月19日、チェルシーの自宅で死去、享年76歳

参照: 「ターナー略年譜」、『ターナー展』図録(朝日新聞社、2013年)、232-237頁。


まとめ

 ・作品の制作年

―美術史における基準作との前後関係を考える

―画家の代表作との前後関係を考える

―作家の生涯における「初期」と「晩年」

―作風の転換期を探る

 ・19世紀の美術史

―日本は幕末から明治時代

―浮世絵の黄金期を経て、洋画の学習、日本画の確立期

―フランスでは第一共和政から第三共和政までの時代

―写真術の発明、官展派と前衛派の対立が顕在化

―世紀後半は「博覧会の時代」