ヨコハマトリエンナーレ2014
◆ヨコハマトリエンナーレ2014の概要 会場写真
企画展/周期展
会期: 8月1日〜11月3日(89日間)
会場:横浜美術館、新港ピアほか
主催:横浜市、(公財)横浜市芸術文化振興財団、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
芸術監督:森村泰昌
テーマ:華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある
◆森村泰昌(1951 - ) 顔写真
1988 第43回ヴェネツィア・ビエンナーレ、アペルト展
1996 「美に至る病―女優になった私」展(横浜美術館)
1998 「空装美術館―絵画になった私」展(東京都現代美術館ほか)
2001 「私の中のフリーダ/森村泰昌のセルフポートレイト」展(原美術館)
2007 「美の教室、静聴せよ」展(熊本市現代美術館ほか)
2013 「森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」(資生堂ギャラリー)
◆森村泰昌 「忘却めぐり」の旅に出る
これから私たちは、序章と11の挿話からなる
「忘却めぐり」へと旅立とうとしている。
語らないもの、語ってはならないもの、語りえぬもの。
見えないもの、見てはならないもの、見たくないもの。
とるにたらないものや、役に立たないもの。
失敗や、敗北。
それら、記憶世界に残るすべもなく、どこかへと消えていった
膨大な数の忘れものに思いを馳せる旅である。
「芸術」とは、忘却世界に向けられたまなざしの力のことをいう。
私たちが知らないふりをしていたり、
うかつにも見落としていたり、まったく眼中になかったり、
そういう忘れものに敏感に反応する超能力のことをいう。
出典:『ヨコハマトリエンナーレ2014「華氏451の芸術―世界の中心には忘却の海がある」公式ガイドブック』 (横浜トリエンナーレ組織委員会, 2014): 10.
◆周期展
・ビエンナーレ(biennale 2年毎)、トリエンナーレ(triennale 3年毎)など定期的に開催される展覧会を総称する「recurrent exhibition」の訳語
・1895年に開始されたヴェネツィア市国際美術展(1928-30年頃ビエンナーレに改称)を先例とし、英語圏でもイタリア語の「biennale」を使用する例がある(Biennale of Sydneyなど)
・日本でもイタリア語、フランス語からカタカナ語化して1950年代に定着したが、近年では英語をもとにアニュアル(annual 1年に1回)、バイエニアル(biennial 2年毎)、トライエニアル(triennial 3年毎)などの言い方も広まっている
・現代美術の先端的な表現(cutting edge)を紹介する展覧会
◆周期展としてのヨコハマトリエンナーレ
・第1回(2001年)メガ・ウェイブ―新たな総合に向けて
ディレクター:河本信治、建畠 晢、中村信夫、南條史生
・第2回(2005年)アートサーカス [日常からの跳躍]
総合ディレクター:川俣正/キュレーター:天野太郎、芹沢高志、山野真悟
・第3回(2008年)TIME CREVASSE ―タイムクレヴァス―
総合ディレクター:水沢勉/キュレーター:ダニエル・バーンバウム、フー・ファン、三宅暁子、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、ベアトリクス・ルフ
・第4回(2011年)OUR MAGIC HOUR―世界はどこまで知ることができるか?―
総合ディレクター:逢坂恵理子/アーティスティック・ディレクター:三木あき子
・第5回(2014年)華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある
アーティスティック・ディレクター:森村泰昌
・横浜トリエンナーレ2001
1. 椿昇+室井尚《インセクト・ワールド、飛蝗》 2001年
・横浜トリエンナーレ2005
2. ルック・デルー(ベルギー)《スパイバンク》 1999/2005年
・横浜トリエンナーレ2008
5. ヘルマン・ニッチュ(オーストリア, 1938- )《アクション1962-2003》 1962-2003年
・ヨコハマトリエンナーレ2011
8. ウーゴ・ロンディーネ(スイス)《月の出、東、11月》 2006年
9. 砂澤ビッキ《午前3時の玩具》 1987年
◆ヨコハマトリエンナーレ2014の章立て
序章:アンモニュメンタルなモニュメント
序章:世界の中心にはなにがある?
第1話:沈黙とささやきに耳をかたむける
第2話:漂流する教室にであう
第3話:華氏451はいかに芸術にあらわれたか
第4話:たった独りで世界と格闘する重労働
第5話:非人称の漂流〜Still Moving
第6話:おそるべき子供たちの独り芝居
第7話:光にむかって消滅する
第8話:漂流を招き入れる旅、漂流を映しこむ海
第9話:「華氏451」を奏でる
第10話:洪水のあと
第11話:忘却の海に漂う
◆作品紹介
序章 アンモニュメンタルなモニュメント
1. ヴィム・デルボア(ベルギー, 1965- )《低床トレーラー》 2007年
序章 世界の中心にはなにがある?
2. マイケル・ランディ(イギリス, 1963- )《アート・ビン》(1)、(2)、(3)、(4) 2010年
第1話 沈黙とささやきに耳をかたむける
3. 木村浩(1952- )《営業(4枚組)》 1983年
4. フェリックス・ゴンザレス=トレス(キューバ, 1957-1996)《無題(NRA-全米ライフル協会)/(青い鏡)》
第2話 漂流する教室にであう
第3話 華氏451はいかに芸術にあらわれたか
7. エドワード&ナンシー・キーンホルツ(アメリカ, 1927-1994, 1943- )《死刑囚監視人》 1976年
第4話 たった独りで世界と格闘する重労働
10. 福岡道雄(1936- )《飛ばねばよかった》 1965-66年
11. 福岡道雄《何もしたくない草花》、(部分) 1999年
第5話 非人称の漂流〜Still Moving
第6話 おそるべき子供たちの独り芝居
13. 坂上チユキ《EDEN》、(部分)
14. アリーナ・シャポツニコフ(ポーランド, 1926- )《ランプ彫刻W》、(部分) 1970年
第11話 忘却の海に漂う
・新港ピア
15. 土田ヒロミ(1939- )《ヒロシマ 1945-1979/2005》、(部分)
17. ヤン・ヴォー(ベトナム, 1975- )《我ら人民は》(1)、(2)、(3)、(4) 2011-13年
◆まとめ
・周期展
―2年、3年おきに開催される展覧会の総称
―最先端の表現を紹介する現代美術展
―近年、過去の作品を現代的な視点で再提示する展示が増加
―独自の主張や解釈に基づいた実験的な展示が試みられる
・ヨコハマトリエンナーレの変遷
―国際社会へ向けた日本の文化力の発信
―2009年8月、横浜市長交代(中田宏→林文子)
―2011年より横浜美術館を主会場に
―市民参加型の現代美術展へ