ホイッスラー展


ホイッスラー展の概要 会場写真

企画展/巡回展
会期・会場:
 2014年9月13日〜11月16日 京都国立近代美術館
 2015年12月6日〜2015年3月1日 横浜美術館
(横浜会場)
主催:横浜美術館、NHK、NHKプロモーション
協賛:あいおいニッセイ同和損保、テラ・アメリカ美術基金、日本写真印刷
協力:FMヨコハマ、神奈川新聞社、首都高速道路株式会社、日本航空、みなとみらい線、横浜ケーブルビジョン


出品作品の所蔵先に着目

・海外作家の回顧展の場合、@国内所蔵作を中心とする展覧会、A海外の単館コレクションに基づく展覧会、B海外の複数の美術館から借用された展覧会、C海外でしかもヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアやアジアなど大陸をまたがって複数の美術館から借用された展覧会の順に、主催者側の経費負担は増加する

・複数の美術館から借用された展覧会ほど、「一堂に集めた展覧会」としてはより一層貴重な機会と言える

・一緒に並べられる機会の少ない作品同士を比較して見ることは、実証的な研究の観点から意義が大きい


出品作品紹介

第1章 人物画

1. 《煙草を吸う老人》、1859年頃、油彩・カンヴァス、41×33 cm、オルセー美術館

2. 《台所》、『12点の写生エッチング集』(「フレンチ・セット」)より、1858年、エッチング、ドライポイント・紙、22.8×15.7 cm、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

3. 《灰色のアレンジメント:自画像》、1872年頃、油彩・カンヴァス、74.9×53.3 cm、デトロイト美術館

4. 《灰色と黒のアレンジメント No. 2:トーマス・カーライルの肖像》、1872-73年、油彩・カンヴァス、171.1×143.5 cm、グラスゴー美術館

5. 《黄色と金色のハーモニー:ゴールド・ガール―コーニー・ギルクリスト》、1876-77年、油彩・カンヴァス、217.8×109.5 cm、メトロポリタン美術館

 第2章 風景画

6. 《オールド・ウェストミンスター・ブリッジの最後》、1862年、油彩・カンヴァス、61×78.1 cm、ボストン美術館

7. 《小さなロンドン》、1896年、トランスファーリトグラフ・紙、19×14 cm、ハンテリアン美術館(グラスゴー大学附属)

8. 《肌色と緑色の黄昏:バルパライソ》、1866年、油彩・カンヴァス、58.6×75.9 cm、テート美術館

9. 《ヴェニス情景》、1879/80年、チョーク、パステル・紙、27.9×19.1 cm、ニューブリテン・アメリカ美術館

10. 《戸口》、『ヴェニス、12点のエッチング集』(「ファースト・ヴェニス・セット」)より、1879/80年、エッチング、ドライポイント・紙、29.4×20.2 cm、ハンテリアン美術館(グラスゴー大学附属)

11. 《灰色と真珠色:バンク・ホリデー・バナー》、1883-84年、水彩・紙、21.6×12.3 cm、フィッツウィリアム美術館(ケンブリッジ大学附属)

 第3章 ジャポニスム

12. 《紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン》、1864年、油彩・カンヴァス、93.3×61.3 cm、フィラデルフィア美術館

13. 《白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール》、1864年、油彩・カンヴァス、76.5×51.1 cm、テート美術館

14. 《白のシンフォニー No.3》、1865-67年、油彩・カンヴァス、51.4×76.9 cm、バーバー美術館(バーミンガム大学附属)

《白のシンフォニー No.1:ホワイト・ガール》、1862年、油彩・カンヴァス、214×108 cm、ワシントンD.C. ナショナル・ギャラリー

15. 《肌色と緑色のヴァリエーション:バルコニー》、1864/65年、水彩、グアッシュ・紙、62.8×50.0 cm、ハンテリアン美術館(グラスゴー大学附属)

16. 《日本の団扇のある人物像のためのスケッチ》、1867-70年、油彩・カンヴァス、31.1×17.5 cm、マイヤー美術館(ケンブリッジ大学附属)

17. 《三人の女性:ピンクと灰色》、1868-78年、油彩・カンヴァス、139.1×185.4 cm、テート美術館

18. 《艀》、1861年、エッチング、ドライポイント・紙、12.1×16.5 cm、フィッツウィリアム美術館(ケンブリッジ大学附属)

19. 《ノクターン:青と金色―オールド・バタシー・ブリッッジ》、1872-75年、油彩・カンヴァス、68.3×51.2 cm、テート美術館

20. 《ノクターン:ソレント》、1866年、油彩・カンヴァス、50.2×91.5 cm、ギルクリース美術館

21. 《青と銀色のノクターン》、1872-78年、1885年頃(蝶の加筆)、油彩・カンヴァス、44.5×61 cm、イェール英国芸術センター

ホイッスラー《白のシンフォニー No.2》/モネ《ラ・ジャポネーズ》

・ホドラー《遠方からの歌》/《遠方からの歌V》


関連年譜

1834年7月11日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州に生まれる
1854年11月 ワシントンD. C. で沿岸測地局の図面部門に勤務し、エッチングを修得
1855年11月 フランスに渡り、パリの帝国特別素描学校で学ぶ
1856年6月 シャルル・グレールのアトリエに入門
1866年1月 チリ独立戦争に参加するため、バルパライソへ向かう(従軍せず)
1878年11月 ラスキンとの裁判に勝訴
1879年5月 ホワイト・ハウスで家財、作品、東洋陶磁コレクション等の売り立て(翌日、破産宣告を受ける)
1886年6月 英国芸術家協会の会長に選出される
1890年3月 チャールズ・ラング・フリーアと出会う
1892年4月 シカゴ・コロンビア万博で金メダル 
1900年4月 パリ万博に《小さなホワイト・ガール》など出品し、グランプリ
1903年7月17日、死去

出典: 「ホイッスラー関連年譜」、『ホイッスラー展』図録(NHKほか、2014年): 256-262.


まとめ

 ・所蔵先

―企画展の充実度を計る指標

―借用元の都市を確認

―将来自分でも訪ねる機会がありそうな都市/一生行くことがなさそうな都市

 ・複数の企画展

―企画展≒テーマ展

―同主題、同時代、同地域でつなぐ

―異なる年に開催される同じ画家の回顧展

―異なる時代や地域の比較

―自分の頭の中に独自の「企画展」を構成する