美学・美術史概論�U二〇一五

<第四講> ウィーン、美術史美術館ほか

・ヨーロッパ地図

◆音楽の都―ウィーン

・モーツァルト、ベートーヴェンが活躍。ウィーン・フィル、ウィーン少年合唱団が有名

・オーストリア＝ハンガリー帝国（ハプスブルク家）の帝都

・世紀末美術の中心地、分離派の活躍

◆ハプスブルク家

1273年　ルドルフ1世が神聖ローマ帝国皇帝に選ばれる

16世紀　カール5世の時代に全盛を迎える（スペイン、ネーデルラント、ナポリ、中南米を支配）

　　　　　 スペイン系とオーストリア系に分家（ルドルフ2世 在位1576-1612が収集の基礎作り）

18世紀　マリア・テレジアが最後の皇后となる（以後、「ハプスブルク＝ロートリンゲン家」）

（参考作品） ハンス・フォン・アーヘン《神聖ローマ皇帝ルドルフ2世》、1600-03年頃、油彩・カンヴァス、60.0×48.0cm、美術史美術館

・ウィーン主要部地図

・美術史美術館

31. デューラー《1万人のキリスト者の殉教》、1508年、油彩・板（カンヴァスに移行）、99.0×87.0cm、美術史美術館

31. デューラー《1万人のキリスト者の殉教》（部分：崖から突き落とされる殉教者）

31. デューラー《1万人のキリスト者の殉教》（部分：首を切り落とされる殉教者と馬上のペルシア王シャープール2世）

32. コレッジョ《イオ》、1531年、油彩・カンヴァス、163.5×74.0cm、美術史美術館

32. コレッジョ《イオ》（部分：ユピテルとイオ）

32. コレッジョ《イオ》（部分：水を飲む鹿）

（参考図版） コレッジョ《ガニュメデス》、《イオ》、《レダ》、《ダナエ》

・美術用語�F　ゼウス

◆美術史の方法論�B　典拠の有無の確認と照合：

1. 典拠の有無：

　・旧約聖書、新約聖書、外典など

　・ホメロス『イーリアス』『オデュッセイア』

　・オウィディウス『変身物語』

2. 典拠との照合：

　・選択された場面（人物、小道具、背景など）

　・提示されている解釈（表現の力点）

33. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》、1559年、油彩・板、118.0×164.5cm、美術史美術館

33. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》（部分：謝肉祭の擬人像）

33. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》（部分：四旬節の擬人像）

・美術用語�G　擬人像

34. ブリューゲル《バベルの塔》、1563年、油彩・板、114.0×155.0cm、美術史美術館

34. ブリューゲル《バベルの塔》（部分：ニムロデ王の訪問）

34. ブリューゲル《バベルの塔》（部分：画面左の街並み）

34. ブリューゲル《バベルの塔》（部分：画面右半分）

34. ブリューゲル《バベルの塔》（部分：クレーンなど）

35. アルチンボルド《四季―夏》、1563年、油彩・板、67.0×50.8cm、美術史美術館

35. アルチンボルド《四季―夏》（部分：顔）

（参考図版） アルチンボルド《四季―冬》、1563年、油彩・板、66.6×50.5cm、美術史美術館

（参考図版） 歌川国芳《みかけはこはゐがとんだいゝ人だ》、1847-48年、大判錦絵、35.5×24.8cm、山口県立萩美術館・浦上記念館

36. ベラスケス《青い服の王女マルガリータ》、1659年、油彩・カンヴァス、127.0×107.0cm、美術史美術館

37. フェルメール《絵画芸術の寓意》、1666-67年頃、油彩・カンヴァス、120.0×100.0cm、美術史美術館

・オルブリヒ分離派館

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》、1902年、ガゼイン塗料、化粧漆喰、塗金216.0×3088.0cm、オルブリヒ分離派館

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》（部分／左壁：幸福への憧れ、か弱き人間の苦しみ）

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》（部分／左壁：幸福への憧れ）《完全武装の勇者》

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》（部分／正面：敵意に満ちた力）《巨大な怪獣ティポン》、《ゴルゴン3姉妹》、《不幸、愚行、死》、《邪欲、不貞、不摂生》、《悲嘆する苦悩》

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》（部分／正面：敵意に満ちた力（左半分））

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》（部分／正面：敵意に満ちた力（右半分））《悲嘆する苦悩》

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》（部分／右壁：歓喜）《ポエジー》、《芸術》

38. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》（部分／右壁：歓喜）《天使のコーラス》

・オーストリア美術館

39. クリムト《接吻》、1907年、油彩・カンヴァス、180.0×180.0cm、オーストリア美術館

40．エゴン・シーレ《死と乙女》、1915年、油彩・カンヴァス、150.0×180.0cm、オーストリア美術館

・美術用語�H　世紀末

◆まとめ

・音楽の都ウィーン＝ハプスブルク家の帝都

・ハプスブルク家／神聖ローマ皇帝ルドルフ2世

・美術史美術館

・オルブリヒ分離派館

・オーストリア美術館

・美術用語：ゼウス、擬人像、世紀末

・美術史の方法論：典拠の有無の確認と照合

　―典拠：聖書、ホメロス、オウィディウスなど

　―場面の「選択」や「解釈」に着目

作家一覧

１．アルブレヒト・デューラー（1471-1528）Albrecht Duerer

２．コレッジョ（1489頃-1534）Correggio

３．ピーテル・ブリューゲル（1525/30-1569）Pieter Bruegel I

４．ジュゼッペ・アルチンボルド（1527-1593）Giuseppe Arcimboldo

５．ディエゴ・ベラスケス（1599-1660）Diego Velázquez

６．ヨハネス・フェルメール（1632-1675）Johannes Vermeer

７．グスタフ・クリムト（1862-1918）Gustav Klimt

８．エゴン・シーレ（1890-1918）Egon Schiele