期末試験問題概略告知
一、西欧美術史について基礎的な知識を問う/○×問題/一〇問/各二点(二〇点)
二、美術館と代表作の正しい組み合わせを問う/選択肢あり/一五問/各二点(三〇点)
三、作品とおおまかな制作年代(紀元前二世紀、十六世紀初頭、十九世紀前半など)の正しい組み合わせを問う/選択肢あり/一〇問/各二点(二〇点)
四、授業で紹介された一二〇点の美術作品について、全体的な傾向や特徴を分析し、美術史学の方法論と関連づけて論じなさい。/論述問題・課題あり/字数制限なし/三〇点
成績評価方法
試験:一〇〇点満点×〇.七(計七〇点)
課題レポート:一〇点
出席:一二回=一二点(欠席毎マイナス一点 例:欠席三回=出席点九点)
※最初の一回をカウントしない
授業態度等の調整点:全回出席者にプラス二点
そのほか授業への参加度をオピニオンシートの回答等をもとに六〜一〇点の範囲で加算
美学・美術史概論U試験問題
実施日時 二〇一五年七月二十七日(月)
12時50分〜14時20分(90分)
(各二点、計二〇点)
一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。
(1)アレクサンドロス大王の遠征によりギリシア文化が西側に拡がった時代をヘレニズム時代と呼ぶ。
(2)イエス降誕の場面に描かれる東方三博士は、占星術にたけた賢者で「マギ」と称される。
(3)キリスト洗礼の場面に登場する洗礼者ヨハネは、駱駝の毛皮を身にまとった姿で表される。
(4)キリストの磔刑や十字架降架の場面に描かれる福音書記者ヨハネのアトリビュートは鍵である。
(5)描かれた人物の聖性を記号的に表現する「ニンブス」は、中世には正円で表現されていたが、ルネサンス以降、頭部の向きに合わせた楕円に変化した。
(6)ヴェネツィア派の特徴は、鮮やかな色彩と享楽的な主題解釈である。
(7)十八世紀に流行したヴァニタスは、繊細さや優美さ、華奢さを特徴とする。
(8)ロマン主義の文学者や画家たちは、調和、理想、厳格といった規範的価値を問い直し、個人の感情や価値観に基づく表現を追求した。
(9)ポスト印象主義は、印象主義に影響を受けながらそれに反発する方向に進んだ画家たちを指す。
(10)「超現実主義」と訳されるシュルレアリスムは、アポリネールの「シュルレアリスム宣言」によって広く認知されるようになった。
(各二点、計三〇点)
二、次に示される(A)〜(O)の作品について、あとの(ア)〜(ソ)の選択肢より所蔵先を選んで解答用紙に記し、正しい組み合わせを完成させよ。
(A)ベルヴェデーレのアポロン (B)ヤン・ファン・エイク《アルノルフィニ夫妻の肖像》
(C)デューラー《自画像(一五〇〇年)》 (D)ボス《快楽の園》 (E)ジョルジョーネ《嵐(ラ・テンペスタ)》
(F)ティツィアーノ《ウルビーノのヴィーナス》 (G)フェルメール《真珠の首飾りの女》
(H)フェルメール《絵画芸術の寓意》 (I)フリードリヒ《海辺の修道士》
(J)ドラクロワ《サルダナパールの死》 (K)マネ《フォリー・ベルジェールの酒場》 (L)ゴッホ《自画像》
(M)クノップフ《私は私自身に扉を閉ざす》 (N)クリムト《接吻》 (O)ピカソ《ゲルニカ》(ア)ピオ・クレメンティーノ美術館(ヴァチカン) (イ)ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
(ウ)アカデミア美術館(ヴェネツィア) (エ)美術史美術館(ウィーン)
(オ)オーストリア美術館(ウィーン) (カ)アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)
(キ)ノイエ・ピナコテーク(ミュンヘン) (ク)国立美術館絵画館(ベルリン)
(ケ)旧国立美術館(アルテ・ナチオナルガレリー)(ベルリン) (コ)ルーヴル美術館(パリ)
(サ)オルセー美術館(パリ) (シ)ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
(ス)コートールド美術研究所(ロンドン) (セ)プラド美術館(マドリード)
(ソ)国立ソフィア王妃芸術センター(マドリード)
(各二点、計二〇点)
三、次に示される(a)〜(j)の作品の制作年について、あとの(1)〜(10)のうちから最も適切な選択肢を選んで解答用紙に記しなさい。
(a)ミケランジェロ《最後の審判》
(b)ボッティチェリ《春》
(c)ティエポロ《聖十字架の発見》
(d)ブリューゲル《バベルの塔》
(e)ベックリン《ヴァイオリンを弾く死神のいる自画像》
(f)ファン・エイク《宰相ロランの聖母》
(g)レンブラント《34歳の自画像》
(h)ブレイク《オーベロンとタイターニア、パック、踊る妖精たち》
(i)サルバドール・ダリ《ナルキッソスの変容》
(j)ゴヤ《わが子を食うサトゥルヌス》(1)十五世紀前半 (2)十五世紀後半 (3)十六世紀前半 (4)十六世紀後半 (5)十七世紀前半
(6)十八世紀前半 (7)十八世紀後半 (8)十九世紀前半 (9)十九世紀後半 (10)二十世紀前半
(三〇点)
四、授業で紹介された一二〇点の美術作品について、全体的な傾向や特徴を分析し、美術史学の方法論と関連づけて論じなさい。
評価基準は、秀=一〇〇〜九〇、優=八九〜八〇、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、四の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である。