第六講 ヴェネツィア・ビエンナーレ第56回国際美術展(4)国別参加部門(1)
◆紹介済みの国別展示
・韓国館/ムン・ギョンウォン&チョン・ジュンホ《縮地法と飛行術》
1.ジャルディーニの各国館
2. ウルグアイ館/マルコ・マッジ《グローバル近視眼》(1)、(2)、(3)
2.アルセナーレの各国館
4. スロベニア館/JAŠA《UTTER》(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)
3.市内各所の各国館
6. ジンバブエ館/マシンバ・フワティ《都市のトーテム》(1)、(2)、(3)、(4)
4.国別参加部門の歴史
・第1回展ポスター:各国の後援委員(オーストリア=ハンガリーからスウェーデン=ノルウェーまで、ジャルディーニの各国館を持つ主要国が並ぶ)
◆各国館建設の歴史
1895年 美術宮(1)建設
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1907年 ベルギー館(2)建設
1909年 ハンガリー館(3)、イギリス館(4)、バイエルン館(5)建設
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1912年 フランス館(6)、スウェーデン館(7)建設
1914年 ロシア館(8)建設
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1922年 スペイン館(9)建設
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1926年 チェコスロバキア館(10)建設
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1930年 アメリカ館(11)建設
1932年 デンマーク館(12)、ヴェネツィア工芸館(13)建設。工芸館両脇にスイス館(14)、ポーランド館(15)開館
1934年 オーストリア館(16)、ギリシア館(17)建設
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1938年 工芸館両翼を拡張してユーゴスラビア館(18)、ルーマニア館(19)開館
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1952年 新スイス館(20)、イスラエル館(21)建設
1954年 ベネズエラ館(22)建設
1956年 フィンランド館(23)、日本館(24)建設
1958年 カナダ館(25)、ウルグアイ館(26)建設
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1962年 北欧館(27)建設
1964年 ブラジル館(28)建設
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1988年 オーストラリア館(29)建設
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1995年 韓国館(30)建設
◆国別参加部門等をめぐる状況
1851年 ロンドン万国博覧会
1855年 パリ万国博覧会
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1895年 ヴェネツィア市国際美術展
1907年 ベルギー館建設
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1968年 パリ5月革命
1972年 ドクメンタ5 ※ヴェネツィアの国別参加制度に対し「ノー・ボーダー」をスローガンに
1974年 ヴェネツィア・ビエンナーレ開催見送り
1986年 金獅子賞導入
1998年 ヴェネツィア・ビエンナーレ、国別参加部門廃止を検討
1999年 ヴェネツィア・ビエンナーレ、国際企画展部門導入
2006年 サンパウロ・ビエンナーレが国別参加部門を廃止
5.まとめ
・各国館の展示
―ジャルディーニ、アルセナーレ、市内のパラッツォ等
―国別パヴィリオン≠「館」
―個展、グループ展、パフォーマンスなど多種多様
―現代社会を批評する各国のさまざまな叡智
・国別参加部門の意義
―世界の多様性を示す場
―世界のさまざまな未来のすべて/全世界の未来
―自国では見られない国や地域の美術に接する機会
―「万国博覧会」の21世紀意義に通じる