第六講 ヴェネツィア・ビエンナーレ第56回国際美術展(4)国別参加部門(1)


紹介済みの国別展示

日本館塩田千春《掌の鍵》

韓国館ムン・ギョンウォン&チョン・ジュンホ《縮地法と飛行術》

フィンランド館IC-98《数時間、数年、永劫》

オーストリア館ヘイモ・ゾベルニク《無題》

セルビア館イヴァン・グルバノフ《ユナイテッド・デッド・ネーションズ》

アルメニア館

アメリカ館


1.ジャルディーニの各国館

1. スペイン館(1)(2)(3)(4)

 ジャルディーニ地図(ES)

2. ウルグアイ館マルコ・マッジ《グローバル近視眼》(1)(2)(3)

 ジャルディーニ地図(UY)

3. フランス館セレスト・ブルシエ=ムジュノ《transHumUs》(1)(2)

 ジャルディーニ地図(FR)


2.アルセナーレの各国館

アルティリエリエ

4. スロベニア館JAŠA《UTTER》(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)

 アルセナーレ地図(SI)

5. ツバル館ヴィンセント・J. F. フアン《潮を渡る》

 アルセナーレ地図(TV)Google Map(ツバル)


3.市内各所の各国館

イスティテュート・サンタ・マリア・デッラ・ピエタ

6. ジンバブエ館マシンバ・フワティ《都市のトーテム》(1)(2)(3)(4)

 ヴェネツィア地図(ZW)Google Map(ジンバブエ)

パラッツォ・モラ(1)(2)

7. フィリピン館マニー・モンテリバノ《破線の国家》

 ヴェネツィア地図(PH)

8. モーリシャス館展示風景(1)(2)(3)

 ヴェネツィア地図(MU)Google Map(モーリシャス)


4.国別参加部門の歴史

 ・第1回展ポスター:各国の後援委員(オーストリア=ハンガリーからスウェーデン=ノルウェーまで、ジャルディーニの各国館を持つ主要国が並ぶ)

 ◆各国館建設の歴史

1895年 美術宮(1)建設
 …
1907年 ベルギー館(2)建設
1909年 ハンガリー館(3)、イギリス館(4)、バイエルン館(5)建設
 …
1912年 フランス館(6)、スウェーデン館(7)建設
1914年 ロシア館(8)建設
 …
1922年 スペイン館(9)建設
 … 
1926年 チェコスロバキア館(10)建設
 …
1930年 アメリカ館(11)建設
1932年 デンマーク館(12)、ヴェネツィア工芸館(13)建設。工芸館両脇にスイス館(14)、ポーランド館(15)開館
1934年 オーストリア館(16)、ギリシア館(17)建設
 …
1938年 工芸館両翼を拡張してユーゴスラビア館(18)、ルーマニア館(19)開館
 …
1952年 新スイス館(20)、イスラエル館(21)建設
1954年 ベネズエラ館(22)建設
1956年 フィンランド館(23)、日本館(24)建設
1958年 カナダ館(25)、ウルグアイ館(26)建設
 … 
1962年 北欧館(27)建設
1964年 ブラジル館(28)建設
 …
1988年 オーストラリア館(29)建設
 …
1995年 韓国館(30)建設


 ◆国別参加部門等をめぐる状況

1851年 ロンドン万国博覧会
1855年 パリ万国博覧会
 …
1895年 ヴェネツィア市国際美術展
1907年 ベルギー館建設
 …
1968年 パリ5月革命
1972年 ドクメンタ5 ※ヴェネツィアの国別参加制度に対し「ノー・ボーダー」をスローガンに
1974年 ヴェネツィア・ビエンナーレ開催見送り
1986年 金獅子賞導入
1998年 ヴェネツィア・ビエンナーレ、国別参加部門廃止を検討
1999年 ヴェネツィア・ビエンナーレ、国際企画展部門導入
2006年 サンパウロ・ビエンナーレが国別参加部門を廃止


5.まとめ

 ・各国館の展示

―ジャルディーニ、アルセナーレ、市内のパラッツォ等
―国別パヴィリオン≠「館」
―個展、グループ展、パフォーマンスなど多種多様
―現代社会を批評する各国のさまざまな叡智

 ・国別参加部門の意義

―世界の多様性を示す場
―世界のさまざまな未来のすべて/全世界の未来
―自国では見られない国や地域の美術に接する機会
―「万国博覧会」の21世紀意義に通じる