フェルメールとレンブラント―17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち


1. フェルメールとレンブラント展の概要

企画展/巡回展 会場写真
会期:2015年10月24日〜2016年1月5日
会場:京都市美術館
主催:京都市美術館、(京都市)、MBS
後援:外務省、文化庁、アメリカ大使館、オランダ王国大使館
協賛:株式会社大林組
協力:日本通運
企画:財団ハタステフティング

 巡回先

・森アーツセンターギャラリー 2016年1/14〜3/31
・福島県立美術館 2016年4/6〜5/8


財団ハタステフティング企画の展覧会

・ゴッホと19世紀オランダ絵画展 ―アムステルダム国立美術館コレクションより(1995年3月〜1996年3月 仏蘭会館パリ、リヨン市立美術館、高崎シティギャラリー、佐倉市立美術館、熊本県立美術館/分館)

・レンブラントと巨匠たちの時代展―ドイツ・カッセル美術館秘蔵の名画コレクション(1998年10月〜11月 伊勢丹美術館)

・ボイマンス美術館展―モネ、ゴッホからピカソまで(1999年9月〜2000年4月 高崎シティギャラリー、佐倉市美術館、長崎県立美術博物館)

・フェルメールとその時代展(2000年4月〜7月 大阪市立美術館)

・フェルメール展―光の天才画家とデルフトの巨匠たち(2008年8月〜12月 東京都美術館)

・フェルメールからのラブレター展(2011年6月〜12月 京都市美術館、宮城県美術館、Bunkamura ザ・ミュージアム)

・ゴッホ展―空白のパリを追う(2012年7月〜2013年9月 ハウステンボス美術館、京都市美術館、福宮城県美術館、広島県立美術館)

・フェルメールとレンブラント展(2015年10月〜2016年5月 京都市美術館、森アーツセンターギャラリー、福島県立美術館)


展覧会の章立て

・展覧会におけるコーナー分け。鑑賞者の展覧会理解に資するよう、作品をグループ毎にまとめて展示する手法

・公募展の場合はジャンル毎、回顧展の場合は時代毎あるいは主題毎、テーマ展の場合は時代毎あるいはサブテーマ毎に分類される。常設展にも適用される。

・章立ては、展覧会会場と展覧会図録の双方の構成に反映される。会場では解説パネルが、図録内では短い解説文あるいは、詳細な論文が章の冒頭におかれる。

・通常、3〜5章立てにまとめられるが、広領域にわたる時代や地域を調査対象とした展覧会の場合、10章を超える場合もある。


フェルメールとレンブラント展の章構成

T ハールレム、ユトレヒト、アムステルダム―オランダ黄金時代の幕開け
U 風景画家たち
V イタリア的風景画家たち
W 建築画家たち
X 海洋画家たち
Y 静物画家たち
Z 肖像画家たち
[ 風俗画家たち
\ レンブラントとレンブラント派
] オランダ黄金時代の終焉


2. 出品作品紹介

 T ハールレム、ユトレヒト、アムステルダム―オランダ黄金時代の幕開け

1. ピーテル・ラストマン《モルデカイの凱旋》、1617年、油彩・板、52×71.5 cm、アムステルダム、レンブラントハイス美術館(オランダ文化遺産研究所より長期貸与)

 U 風景画家たち

2. アールト・ファン・デル・ネール《月明かりに照らされる村》、1645-50年頃、油彩・板、41.3×35.3 cm、個人蔵

3. アールベルト・カイプ《牛と羊飼いの少年のいる風景》、1650-60年頃、油彩・カンヴァス、101.5×136 cm、アムステルダム国立美術館

4. ヤーコプ・ファン・ライスダール《家と鶏小屋のある砂丘風景》、1648年、油彩・板、53×67 cm、アールベルト・コレクション

 V イタリア的風景画家たち

5. ヤン・バプティスト・ウェーニクス《地中海の港》、1650年頃、油彩・カンヴァス、91.5×117.5 cm、個人蔵


 W 建築画家たち

6. エマニュエル・デ・ウィッテ《ゴシック様式のプロテスタント教会》、1680-85年頃、油彩・カンヴァス、122×104 cm、アムステルダム国立美術館(アムステルダム市より貸与)

7. ヤン・ファン・デル・ヘイデン《跳ね橋》、1660-72年、油彩・板、36×44.5 cm、アムステルダム国立美術館

 Y 静物画家たち

8. ウィレム・カルフ《貝類と杯のある静物》、1675年、油彩・カンヴァス、53.5×44.5cm、オーフェルエイセル、財団美術館

 Z 肖像画家たち

9, 10. イサーク・リュティックハイス《男性の肖像(ピーテル・デ・ランゲ)》《女性の肖像(エリザベート・ファン・ドッペン)、1655年、油彩・カンヴァス、128.5×102.5cm/128.5×102cm、ロッテルダム美術館(エラスムス財団より貸与)

 [ 風俗画家たち

11. ヘラルト・テル・ボルフ(2世)《好奇心》、1660-62年、油彩・カンヴァス、76.2×62.2cm、ニューヨーク、メトロポリタン美術館

12. ヤン・ステーン《女将と戯れる老人とバックギャモンに興じるふたりの男のいる酒場の室内、通称「二種類の遊び」》、1660-79年、油彩・カンヴァス、63×69.5cm、アムステルダム国立美術館

13. ピーテル・デ・ホーホ《女性と召使いのいる中庭》、1660-61年頃、油彩・カンヴァス、73.7×62.6 cm、ロンドン、ナショナル・ギャラリー

14. ヨハネス・フェルメール《水差しを持つ女》、1662年頃、油彩・カンヴァス、45.7×40.6cm、ニューヨーク、メトロポリタン美術館

 \ レンブラントとレンブラント派

15. レンブラント・ファン・レイン《ベローナ》、1633年、油彩・カンヴァス、127×97.5cm、ニューヨーク、メトロポリタン美術館

16. レンブラントに帰属《マルハレータ・デ・ヘールの肖像》、1661年、油彩・カンヴァス、75.3×63.8 cm、ロンドン、ナショナル・ギャラリー

17. ヘラルト・ダウ《窓際でランプを持つ少女(好奇心の寓意)、1660年頃、油彩・板、22×17cm、アムステルダム国立美術館

18. サミュエル・ファン・ホーホストラーテン《貧血症の女》、1670年頃、油彩・カンヴァス、69.5×55cm、アムステルダム国立美術館(アムステルダム市より貸与)

 ] オランダ黄金時代の終焉

19. アルノルト・ハウブラーケン《イフゲネイアの犠牲》、1690-1700年頃、油彩・カンヴァス、79.5×63.4cm、アムステルダム国立美術館


3. まとめ

 ・展覧会の章立て

―「展覧会」理解の手掛かり

―作品を鑑賞する/展覧会構成を読み解く

―休憩コーナーに置いてある図録を活用する

―独自に章構成を組み直す可能性を探る

 ・展覧会の集客

―キラー・コンテンツ(=日本初公開)による客寄せ

―ブロックバスター(広告戦略による大量動員)

―文化施設の収支バランス

―美術鑑賞の満足度(世間が注目しているものを私も見に行った/人気はなくとも私は好きだ)