ボストン美術館 ヴェネツィア展―魅惑の都市の500年


1. ボストン美術館 ヴェネツィア展の概要

企画展/巡回展 会場写真
会期:2015年9月19日〜2016年2月21日
会場:名古屋ボストン美術館
主催:名古屋ボストン美術館、ボストン美術館、NHK名古屋放送局
共催:中日新聞社
協賛:東海東京証券

 巡回先

ひろしま美術館 4/9〜6/12
・佐川美術館(滋賀) 6/25〜8/28
・新潟県立近代美術館 9/10〜11/27


章構成

第1章 比類なき都市
第2章 描かれた祈り
第3章 ヴェネツィア様式
第4章 芸術家たちを魅了する町


ヴェネツィア風景

ヴェネツィアはイタリア北部、半島から約4km離れた潟の上の島

サン・マルコ広場の鐘楼とドゥカーレ宮殿

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会

モーゼ I


2. 出品作品紹介

 第1章 比類なき都市

1. カナレット《サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂―サン・マルコ神殿に望む》、1726-30年頃、油彩・カンヴァス、46.3×63.2 cm、ボストン美術館

2. カナレット《ヴェネツィアのフォンテゲット・デッラ・ファリーナ(穀物取引所)》、1735年頃、油彩・カンヴァス、37.1×51.1 cm、ボストン美術館

3. エットレ・ティート《陽気なヴェネツィアの街角》、1891-99年、油彩・カンヴァス、54×80.6 cm、ボストン美術館

4. ジェンティーレ・ベッリーニ《ヴェネツィア統領パスクアーレ・マリピエーロの肖像》、1460-62年頃、テンペラ・板、53.3×42.5 cm、ボストン美術館

5. ドメニコ・ティントレット《少年の肖像》、1580-85年頃、油彩・カンヴァス、64.8×55.3 cm、ボストン美術館

 第2章 描かれた祈り

6. バルトロメオ・ヴィヴァリーニ《マグダラの聖マリア》、1480-90年頃、テンペラ・板、56.8×36 cm、ボストン美術館

7. ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《アレクサンドリアの聖カタリナの祈り》、1567年頃、油彩・カンヴァス、119.1×100 cm、ボストン美術館

8. ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ《聖母に祈りを捧げる聖ドミニクス》、1737-39年、油彩・紙(カンヴァスに貼り付け)、36.8×55.9 cm、ボストン美術館

9. パオロ・ヴェロネーゼ《天使たちに支えられる死せるキリスト》、1580-88年頃、油彩・カンヴァス、98.1×71.4 cm、ボストン美術館

 第3章 ヴェネツィア様式

10. ウォルター・ゲイ《バルバロ邸の室内》、1902年、油彩・カンヴァス、90.5×100.3 cm、ボストン美術館

11. マリアーノ・フォルトゥーニ(デザイン)《ツーピースの「デルフォス」ドレス》、1937年頃、プリーツ加工のシルク・サテン、ガラス・ビーズ、142.2 cm、ボストン美術館

12. リーノ・タリアピエトラ《瓶》、1998年頃、宙吹きガラス、68.6 cm、ボストン美術館

 第4章 芸術家たちを魅了する町

13. ウジェーヌ・ルイ・ブーダン《サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂:サン・ジョルジョ島から望む》、1895年、油彩・カンヴァス、46.3×65.4 cm、ボストン美術館

14. クロード・モネ《ヴェネツィアの大運河》、1908年、油彩・カンヴァス、73.7×92.4 cm、ボストン美術館

15. アントニオ・レイナ・マネスカウ《ヴェネツィアの運河》、19世紀後半-20世紀初頭、油彩・カンヴァス、75×43.2 cm、ボストン美術館

16. 作者不詳《紅毛フランカイノ湊》、1805(文化2)年12月、大判錦絵、22.4×34.7 cm、ボストン美術館

17. 吉田博《ヴェニスの運河》、1925(大正14)年、多色刷木版・紙、41.7×28 cm、ボストン美術館

18. アベラルド・モレル《サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂》、2006年、写真、ゼラチン・シルヴァー・プリント、61×50.8 cm、ボストン美術館


3. 名古屋ボストン美術館

名古屋ボストン美術館の企画展(第1〜10回)

1999年4-9月 モネ、ルノワールと印象派の風景 
1999年10月-2000年3月 岡倉天心とボストン美術館
2000年5-10月 母なる大地の声―アメリカ・サウスウェストプエブロ・インディアン
2000年10月-2001年2月 レンズがとらえた20世紀の顔―カーシュ写真展
2001年3-7月 紅茶とヨーロッパ陶磁の流れ―マイセン、セーブルから現代のティー・セットまで
2001年9月-2002年2月 ボストン美術館の至宝―ピラミッドの時代
2002年3-9月 ミレー展 ―人と自然へのあたたかなまなざし
2002年10月-2003年2月 時を超えた祈りのかたち―アジアの心、仏教美術展
2003年4-11月 ボストンに愛された印象派
2003年11月-2004年3月 ドイツ・ルネサンス版画の最高峰―デューラー版画展

参照: 「名古屋ボストン美術館/終了した展覧会」<http://www.nagoya-boston.or.jp/exhibition/past/index.html>(2015/12/8)


名古屋ボストン美術館の沿革 スライド

1991年10月 名古屋商工会議所が「名古屋ボストン美術館設立準備委員会」の設置を決定 
1995年8月 運営財団の設立発起人会開催
1995年11月 財団法人設立許可
1995年12月 ボストン美術館と「名古屋ボストン美術館設立契約」調印
1996年2月 金山南ビル起工式
1998年11月 金山南ビル完成
1999年4月 名古屋美術館開館
2002年 学芸部廃止
2006年3月 平成21年4月1日から平成31年3月31日までの運営契約書締結
2006年9月 学芸部復活
2019年3月 20年間の契約満了

参照: 「名古屋国際芸術文化交流財団/沿革」<http://www.nagoya-boston.or.jp/about/foundation.html >(2015/12/8)


1990年代以降、閉館した主な美術館

1996年 船橋西部美術館 
1999年2月 セゾン美術館
1999年8月 三越美術館(新宿)
2000年12月 奈良そごう美術館
2001年3月 東武美術館
2001年4月 千葉そごう美術館
2001年10月 小田急美術館
2002年3月 伊勢丹美術館
2007年10月 KPOキリンプラザ大阪
2010年9月 ジョン・レノン・ミュージアム(埼玉)※10年のライセンス満了
2011年8月 ニキ美術館(栃木)
2011年9月 マリーローランサン美術館(長野)
2011年11月 メルシャン軽井沢美術館(長野

参照: 「特別講座 美術館は静かにどこに向かうのか 第1回 美術館の閉館は誰の問題か?」
<http://bigakko.jp/wp_test_universe/wp-content/uploads/0d7fb2c2506f256e6db69af4d3074cf1.pdf>(2015/12/8)


4. まとめ

 ・美術館の沿革

―設置母胎や設立趣旨を知る

―美術館の開館年を知り歴史に思いを馳せる

―活動の蓄積(企画展、コレクション)を振り返る

 ・美術館の閉館

―運営赤字と公的資金

―美術館活動の継続性

―地域の文化活動の核(博物館・美術館、図書館、文書館と神社仏閣) cf. MLA連携

―1990年代以降、百貨店美術館、企業系美術館の閉館相次ぐ