美学・美術史特殊講義二〇一六


期末試験問題概略告知

1.ビエンナーレや国際美術展について基礎的な知識を問う/○×問題/10問/各2点(20点)

2.二〇一六年に国内外で開催される国際美術展について解説した文の空欄に適切な用語を選んで文章を完成させよ/穴埋め問題・選択肢あり/10問/各2点(20点)

3.現代美術作品の野外設置について、指定される五つの用語を適切に用いて論述せよ/論述問題・用語指定/字数制限なし/20点

4.周期展開催の意義について、美術館で開催される単発の現代美術展との違いを踏まえた上で論述せよ/論述問題・自由形式/字数制限なし/40点


成績評価方法

試験:100点満点×0.8(計80点)

出席:12回=12点(1欠席毎-1点 ex.欠席3回=出席点9点)

※最初の1回をカウントしない

授業態度等の調整点:全回出席者に+2点

そのほか授業への参加度をオピニオンシートの回答等をもとに6〜10点の範囲で加算


美学・美術史特殊講義(前期)試験問題

実施日時 二〇一六年七月二十六日(火)
12時50分〜14時20分(90分)

 

(各二点、計二〇点)

一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。

(1)あいちトリエンナーレは、第一回展を名古屋市で開催した後、第二回展で岡崎市を、第三回展では豊橋市を会場に加えている。

(2)ヨコハマトリエンナーレは、二〇〇一年に「横浜トリエンナーレ」としてスタートしたが、主催者から国際交流基金が抜けた二〇一一年の第四回展以降、「ヨコハマトリエンナーレ」に改称した。

(3)コーチ=ムジリス・ビエンナーレは、グーグル・アート・プロジェクトと共同で過去二回分の会場の様子をデジタル・アーカイブ化し、公式サイトで公開している。

(4)瀬戸内国際芸術祭二〇一六は、春、夏、秋の三つの会期で開催される。

(5)二〇〇九年作成の「彫刻ウォーキングマップ」によれば、宇部市内に八七点、ときわ公園エリアに二六点、合計一一三点の彫刻が設置されていることがわかる。

(6)ミュンスター彫刻プロジェクトは、一九六七年より一〇年に一度開催されている。

(7)大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレの第一回展の会場となった十日町市、川西町、津南町、中里村、松代町、松之山町の一市四町一村は、二〇〇五年の市町村合併を経て、十日町市と津南町の一市一町となった。

(8)一九八〇年の光州事件で、軍事政権の戒厳令に反対する市民や学生が砦として闘った旧市庁舎は、現在、文化施設として整備され、光州ビエンナーレの主会場の一つとなっている。

(9)ドイツのヴュルツブルクで開催されているドクメンタは、ナチス時代に「退廃芸術」として迫害された前衛美術の失地回復と再紹介を目指して、一九五五年に始まった。

(10)ビーチェ・クリーガーが総合監督を務めたヴェネツィア・ビエンナーレ第五四回国際美術展では、主会場の中央展示室に一六世紀の画家ティントレットの作品を飾った。

 

(各二点、計二〇点)

二、次の文を読み、空欄となっている( A )〜( J )に、のちに記されている(1)〜(30)のうち最も適当と思われる言葉を補い、文を完成せよ。解答用紙には、( A )〜( J )の各欄に該当する言葉を1〜30の番号で記すこと。

 ( A )と( B )は、ともに二〇一〇年に開始された比較的新しい国際美術展で、今年三回目を迎えた。( A )は「海の復権」をキーワードに、島固有の時間や文化を来場者に体験してもらうことで、着実にファン層を広げつつある。( B )は毎回異なる芸術監督が独自のテーマを打ち出し、キュレーター・チームがリサーチして、世界のさまざまな地域で活躍する作家を紹介する。今回の芸術監督は写真家・著述家で、多摩美術大学教授の( C )。「虹のキャラヴァンサライ―創造する人間の旅」をテーマに、人類の創造活動を未知なるものへと向かう「旅」と捉え、美術展をそうした旅人たちの集団が疲れを癒し、交流する場所と位置づけた。
 ほかにも国内では、昨年、第六回展を開催した( D )が、十六日間だけの特別プログラムを開催し、( E )は、来年の第二十七回展に向けて模型による応募作品展を開催する。( D )と( A )は、開始年や開催地域は異なるが、前者が「里山」、後者が「里海」の再評価を訴え、またサポーター・スタッフのネーミングも「こへび隊」と「こえび隊」など、姉妹展のような関係にある。双方とも総合ディレクターに( F )を置くが、前者は二〇〇九年の第四回展から、後者は二〇一〇年の第一回展から、総合プロデューサーとして( G )を冠している。( E )は、一九六一年に開催された野外彫刻展に由来するが、六三年の全国彫刻コンクール応募展以来、主催に毎日新聞社、協賛に( H )が名を連ねている。
これらのほか、九月二十四日から「さいたまトリエンナーレ2016」が、十月九日からは、やはりトリエンナーレ形式での開催を目指す「岡山芸術交流2016」が第一回展を開幕予定で、人びとが世界の現代アーティストやその作品と接する機会が増えている。
 海外に目を向けると、偶数年は、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展が開催されない「裏の年」でもあり、ベルリン、リヴァプール、アトランタ、釜山、台北、サンパウロ、モントリオール、クエンカ、シンガポール、上海など、各地でビエンナーレが開催される。一九九五年に開始され、二〇〇〇年を機に偶数年開催に移行した光州ビエンナーレは、( I )を芸術監督に選出し、「第八の風土(アートは何を為すか)」というテーマを掲げて九月二日に開幕する。また、二〇一二年に始まり、今年三回目を迎えるコーチ=ムジリス・ビエンナーレは、彫刻的なインスタレーション作品で高い評価を得ているアーティストの( J )をキュレーターに指名している。いずれもアジア地域で開催され、国際的な注目を集めている展覧会である。

(1)ヨコハマトリエンナーレ (2)大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ  (3)あいちトリエンナーレ  
(4)福岡アジア美術トリエンナーレ  (5)はこだて十人十色トレインナーレ  (6)おおいたトイレンナーレ  
(7)神戸ビエンナーレ  (8)瀬戸田ビエンナーレ  (9)UBEビエンナーレ  (10)中之条ビエンナーレ  
(11)札幌国際芸術祭  (12)十和田奥入瀬芸術祭  (13)瀬戸内国際芸術祭  (14)京都国際芸術祭  
(15)宇部商工会議所  (16)宇部興産株式会社  (17)宇部マテリアルズ株式会社  (18)五十嵐太郎  
(19)北川フラム  (20)建畠晢  (21)福武總一郎  (22)港千尋  (23)森村泰昌  
(24)アダム・シムジック  (25)イリヤ&エミリア・カバコフ  (26)カスパー・ケーニッヒ  
(27)クリスティン・マセル  (28)スダーシャン・シェッティ  (29)ハラルド・ゼーマン  
(30)マリア・リンド


 

(二〇点)

三、現代美術作品の野外設置について、指定される五つの語句を適切に用いて論述せよ(字数制限なし)。なお、各語句の使用順や回数は自由だが、初出時に傍線を引いて明示すること。

花と緑と彫刻の街   サイト・スペシフィック   「大地の芸術祭」の里   アーティスト   ミュンスター




(四〇点)

四、周期展開催の意義について、美術館で開催される単発の現代美術展との違いを踏まえた上で論述せよ(字数制限なし)

 

 

評価基準は、秀=一〇〇〜九〇、優=九〇〜八〇、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、三、四の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である。


一、二の解答