第27回UBEビエンナーレ応募作品展


1. 第27回UBEビエンナーレ応募作品展 スライド

公募展/彫刻展/単館開催
会期:2016年10月3日〜11月3日
会場:ときわ湖水ホール

29カ国277点の応募作品の中から、40点の入選模型作品を選考後、18点の実物制作指定作品を決定


第27回UBEビエンナーレ選考委員会 スライド

酒井忠康(美術評論家・世田谷美術館長) ※委員長
澄川喜一(彫刻家・島根県立石見美術館長)
水沢勉(美術評論家・神奈川県立近代美術館長)
逢坂恵理子(横浜美術館館長)
河口龍夫(現代美術家・金沢美術工芸大学教授)
斎藤郁夫(山口県立美術館副館長)
藤原徹平(建築家・横浜国立大学大学院Y-GSA准教授)
日沼禎子(女子美術大学准教授)
岸桂子(毎日新聞社東京本社学芸部記者)
久保田后子(宇部市長・緑と花と彫刻の博物館長)

各賞 スライド

大賞(宇部市賞) [買上げ賞]・・・・・・・・・・・・500万円
宇部興産株式会社賞 [買上げ賞]・・・・・・400万円
毎日新聞社賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150万円
宇部マテリアルズ賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・100万円
山口銀行賞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100万円(△50万円)
宇部商工会議所賞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50万円
市民賞(緑と花と彫刻の博物館賞)・・・・・・・・・・・50万円
山口県立美術館賞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円
島根県立石見美術館賞 ・・・・・・・・・・・・・・・20万円
下関市立美術館賞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円


公募展について

公募展は、展覧会の会場、開催時期、出品条件、出品方法等を関係各方面に告知することにより、展示作品を広く募集する展覧会。コンクールコンペティションとも呼ばれる。これに対し、企画展(テーマ展)は、企画者が展覧会のテーマ等を設定して出品作品や出品作家、展示構成を考え、作品借用や作家の招待等の出品交渉を行う。
・公募展の歴史は、フランスの王立絵画彫刻アカデミーの展覧会(=サロンに遡る。1748年の審査員制度導入後、入落選が画家の社会的成功を左右する大きな権威となった。
・日本では、日本画の新旧派、洋画の新旧派を統合して、1907年に文部省美術展覧会(=文展)が発足。だが、1913年には洋画の新派が分離独立して二科展を発足させるなど、国家が主宰する官展に対し、在野の公募団体展が増加した。


2. 実物制作指定作品

・実物制作指定作品18点 展示会場
1. 石上和弘(静岡)《アフターアップル》
2. 安藤泉(神奈川)《ムー大陸より U》
3. 熊谷文秀(北海道)《空想の軌跡U》
4. 増野智紀(京都)《遊》
5. 佐藤慈男(愛知)《重力飛翔―はるか かなた》
6. 土井宏二(石川)《この星の声》
7. 北川太郎(兵庫)《時空ピラミッド》
8. ナカイデ タケヒコ(東京)《風の灯台》
9. 武田克史(滋賀)《言葉》
10. 首藤晃(北海道)《水陸(共生)
11. 岡田健太郎(神奈川)《Catch and release》
12. ハンス・ショール(ドイツ)《construction kit animal》
13. 伊藤嘉英(東京)《森の掟》
14. 神山豊(神奈川)《Mega Ptera》
15. 藤島明範(茨城)《北極星との交信X》
16. 村中保彦(広島)《エルクの工事現場》
17. 土屋昌義(神奈川)《りんご りんご》
18. 金景暋(東京)《remember-ube》


3. 彫刻の見方

 (1) 素材ごとに見る

1-1. 木 スライド
 ・木材を野外彫刻の素材として用いる際は、腐食防止や防虫処理を行う。または朽ちる過程も作品の存在様態とする
1-2. 石 スライド
 ・西洋の伝統的な彫刻素材である大理石のほか、耐久性のある御影石などが利用される
1-3. 金属(鉄、スチール、ステンレス、銅) スライド
 ・鏡面仕上げ、塗装のほか、銅の場合はパティナ(緑青)によって腐食を防止する
1-4. その他(FRP、陶) スライド
 ・FRP(繊維強化プラスティック):自由度の高い造形表現を追求できる
 ・陶:表情に暖かみが出る(焼成に関する経験や知識が必要)

 (2) 表現の傾向ごとに見る

2-1. 抽象性 スライド
 ・幾何学的形態、生物的形態など形の面白さを味わう
2-2. 具象性・キャラクター性 スライド
 ・親しみやすさ、ランド・マーク的存在
2-3. 遊具性・装置性 スライド
 ・設置環境における人との関わりを意識


4. 入選模型作品

・入選模型作品22点 展示会場
19. マルチェッロ・コーラ(イタリア)《BIRDFISH》
20. 達哉ムチャチョ(岐阜)《生命のヴォルテックス》
21. 平山悟(宇部市)《芝生の親子が出かけて行きます 仲良しのお花も一緒です》
22. 戸田裕介(埼玉)《水土の門 / 天地を巡るもの-W》


5.応募作品

・応募作品237点 展示会場
23. ニシウチ カズマ(東京)《fluctuation》
24. 臼井英之(東京)《44》
25. 外礒秀紹(滋賀)《CHA》
26. 川村兼章(神奈川)《嘶き》
27. 田中江里(ドイツ)《Giant Step-waterside 巨人の足跡―水辺》
28. 久村卓(東京)《STILL BENCHES》
29. チェ・ウンドォン(韓国)《AXIS 軸》


6. その他

鳩・はと・ハト展
第4回プチビエンナーレ展(1), (2)
ときわミュージアム 野外彫刻展示場
30. 久村卓(東京)《STANDARD》 第26回UBEビエンナーレ(2015)
31. プロジェクト・ムーン(チェ・ウンドォン/ウィ・セボク、韓国)《Transmigration》 第26回UBEビエンナーレ(2015)毎日新聞社賞
32. ヴィンセント・オリネット(フランス)《Fantaisie à la crème de Pistache au thé vert et son chocolat acrylique》(1), (2) 第26回UBEビエンナーレ(2015)宇部商工会議所賞
33. 中出武彦(東京)《深夜バス》(1), (2) 第24回UBEビエンナーレ(2011)宇部興産株式会社賞
34. 中出武彦《もりのまち》 第25回UBEビエンナーレ(2013)
UBEビエンナーレ・ライブラリー
「福島の花」 野口勝宏写真展
35. 野口勝宏《秋のイメージ》《春待ち》《ダリア》


7. まとめ

 ・公募展

―登竜門(=若手作家の発表機会)
―授賞制度による奨励と権威づけ
―選考基準や審査過程に対する批判
―公募展と企画展/グループ展と個展

 ・現代彫刻の見方

―木、石(自然素材)/合金、金属/FRP(新素材)
―抽象/具象・キャラクター/遊具・装置
―「素材別」に「傾向」を見る
―UBEビエンナーレは、模型→実制作の比較も見どころ
―周期展としての面白さ


過去の出品作品との比較

38. 村中保彦《キリンの工事現場》 第23回UBEビエンナーレ(2009)
39. 村中保彦《河馬の工事現場》 第22回現代日本彫刻展’07
40. 武荒信顕(千葉)《あなたと…(わすれてしまったこと)
41. 武荒信顕《あなたと…(わすれてしまったこと) 第23回UBEビエンナーレ(2009)
42. 武荒信顕《あなたと…(わすれてしまったこと) 第13回現代日本彫刻展 テレビ山口賞
43. 杉山雅之(京都)《肯定の石》
44. 杉山雅之《歩行視のためのオブジェ》 第23回UBEビエンナーレ(2009)