光州ビエンナーレ2016
周期展
会期: 9月2日〜11月6日(66日間)
会場:光州ビエンナーレ主展示館、国立アジア文化殿堂、毅斎美術館、無等現代美術館、禹済吉美術館、5・18民主化運動記録館ほか
主催:財団法人光州ビエンナーレ、光州広域市
テーマ:第8気候帯(芸術は何を為すか)/The Eighth Climate (What Does Art Do?)
◆マリア・リンド「第8気候帯(芸術は何を為すか)」
・“Not coincidentally, artists as well as small and mid-sized institutions today are concerned with survival, with maintaining and responding to basic infrastructural needs and demands. Yet in the process of doing so, many of these artists and institutions are at the same time acting out or giving a performative aspect to a powerful investment in art and its imaginative and projective qualities --- art’s active relationship to the future.”
・今日、アーティストや中規模の文化団体が、基本的要件を満たそうと、生き残りに関心を寄せているのは偶然ではない。そうした活動を通じて、それらの多くは、アートとその想像的で投影的な質、即ち、未来に対するアートの実践的な関係に強力な投資を行っているのである。
・“The “eighth climate” refers to a state which we might reach through our imaginative perception. ”
・「第8気候帯」は私たちの想像上の知覚を通して達することが可能かも知れない、ひとつの状態を示唆している
出典:Maria Lind, The Eighth Climate (What Does Art Do?) <http://the8thclimate.org/> (2016/12/5)
2. 光州事件(1980年)
・光州市で1980年5月18日から27日にかけて起こった、活動家、市民、学生らによる民主化運動と韓国軍の衝突
・5月18日、戒厳司令部が金大中ら26人を逮捕、金泳三を自宅軟禁。政治活動の停止、言論・出版・放送などの事前検閲、大学の休校など戒厳布告が発表される
・5月25日 第三次市民大会(5万人)。「金大中の釈放」「戒厳令撤廃」を要求
・5月27日 韓国軍が市内全域を制圧。市民に多数の死傷者が出る
3. 光州ビエンナーレ主展示館
・スケッチ・ユア・ドリームズ, (部分)
・光州ビエンナーレ主展示館・展示室1
1. ドラ・ガルシア(スペイン, 1965- )《生者と死者のためのノクドゥ・ブックストア》(1), (2), (3), (4), (5), (6), (7), (8), (9)
2. パク・インソン(光州, 1982- )《漂流》 2013年
3. パク・インソン《根 1》2014年 /《根 3》 2015年 ※展示風景
4. アデ・ダルマワン(インドネシア, 1974- ) / ムネム・ワシフ(バングラデシュ, 1983- )展示風景
5. ムネム・ワシフ《非決定領域の土地》(1), (2), (3), (4), (5), (6), (7), (8), (9) (10), (11) 2014-15年
6. 風間サチコ(1972- )《人外交差点》, (部分1), (2) 2013年
7. マリー=ルイス・エークマン(スウェーデン, 1944- ) 展示風景
8. マリー=ルイス・エークマン《愛》 1976年
9. マリー=ルイス・エークマン《ジャングルにて》 1976年
10. スハ・トラブルシ(パレスチナ, 1923- )+ワリッド・ラード(レバノン, 1967- )《読者へのもう一つの手紙》, (部分)
11. プラジャクタ・ポトニス(インド, 1980- )《裁縫》(1), (2), (3)・展示室 2
12. チャ・ジャミン(釜山, 1986- )《霧と煙》 2013年
13. セリーヌ・コンドレリ(フランス, 1974- )《右でも左でも(眼鏡なしで)》
14. アントン・ヴィドクル(旧ソ連, 1964- )《共産主義革命は太陽が原因だった》 2015年
15. ダグ・アシュフォード(モロッコ, 1958- )《韓国で民主化運動が起こった場所へと運ばれた絵画の写真、そしてそこに生み出されたものの4つの例》(1), (2), (3), (4), (5), (6), (7)
4. 5・18民主化運動記録館
・5・18民主化運動記録館
16. コーペラティヴァ・クラテル・インヴェルティード(メキシコ, 2013- ) 展示風景, (部分)
・市民軍におにぎりを提供していた鉢の展示
・「金鍾泌・金大中氏連行」を告げる号外(1980.5.18)
・市民軍に対峙する韓国軍
・バスを中心にバリケードを形成する市民軍
・体育館に並べられた犠牲者を前に決起する市民
・映画「華麗なる休日」のパンフレット
・韓国映画「光州5.18」(2007年制作)
5. 斗巖2洞ヌリボム・コミュニティセンター
・斗巖2洞ヌリボム・コミュニティセンター
17. アポロニア・シュステルシッチ(リュブリアナ, 1965- )+ベ・ダリ(ソウル, 1970- )《デュアム・ドンのためのマスター・プラン》(1), (2), (3)
・コミュニティセンター周辺の街路風景
6. 西区文化センター前電光掲示板
18. アーメット・ユーグ(トルコ, 1982- )《団結させる》
7. 国立アジア文化殿堂
・国立アジア文化殿堂(1), (2)
・アジア・クラ・クラ=リング(1), (2), (3), (4)
・「中断された調査」展(1), (2), (3)(企画:アンセルム・フランケ)
19. 『祝の島』(監督:纐纈あや)
8.まとめ
・光州事件
―1980年5月18日に始まる民主的な政治を求める市民の蜂起
―軍事政権による大量虐殺と情報操作・隠蔽
―演劇や美術を通じての表現と発信
―「民主化運動の聖地」から「アジアの文化ハブ」へ
・現代美術展の社会性
―街なか展示(普段、美術館を利用しない観客に向けた展示)
―アーティストの滞在制作に地域住民を巻き込む
―地域の課題と外部の視点(共通点と差違)
―教育普及(次世代の育成)