期末試験問題概略告知
一、西洋美術史について基礎的な知識を問う/○×問題/一〇問/各二点(二〇点)
二、作品と所蔵美術館の正しい組み合わせを問う/選択肢あり/一五問/各二点(三〇点)
三、作品とおおまかな制作年代(紀元前二世紀、十六世紀初頭、十九世紀前半など)の正しい組み合わせを問う/選択肢あり/一〇問/各二点(二〇点)
四、授業で紹介された美術作品のうち、二点以上の作品を選び、それらの作品について対比的に論じなさい。/論述問題・課題あり/字数制限なし/三〇点
成績評価方法
試験:100点満点×0.9(計90点)
授業への参加度に関する評点をオピニオンシートへの記述等をもとに加算(10点程度)
美学・美術史概論(美術史)試験問題
実施日時 二〇一七年八月二日(水)
10時20分〜11時50分(90分)
(各二点、計三〇点)
一、次に示される(1)〜(10)の短文のうち、内容の正しいものに○印を、誤ったものに×印をそれぞれ解答用紙の各欄に記せ。
(1)黒像式は、背景を黒く塗りつぶし、人物などのモティーフを赤茶色のまま残す古代ギリシア美術の陶器画の技法である。
(2)アレクサンドロス大王の遠征によりギリシア文化が東側に拡がった時代をヘレニズム時代と呼ぶ。
(3)聖ゲオルギウスは、異教のシンボルである悪魔を退治する姿で表される伝説上の聖戦士である。
(4)テンペラは、「粉と液体を混ぜる」というラテン語に由来する、中世から初期ルネサンスまで用いられた板絵の技法である。
(5)占星術にたけた三人の賢者が、星の導きによって、降誕したイエスの馬小屋に達する場面を「東方三博士の礼拝」と呼ぶ。
(6)描かれた人物の聖性を記号的に表現する「ニンブス」は、中世には正円で表現されていたが、ルネサンス以降、頭部の向きに合わせた楕円に変化した。
(7)十九世紀半ばに起ったギリシア・ローマ的美術への回帰運動を新古典主義と呼ぶ。
(8)ラファエル前派は、ラファエロ以前の北方ルネサンス美術に戻ることを標榜した画家のグループと、その影響を受けた芸術家の活動全般を指す。
(9)印象主義は、クロード・モネの《印象―日の出》を好意的に評価したルイ・ルロワの造語に基づく名称。
(10)十九世紀末の芸術・文化の特徴は、産業中心の物質主義に対する反発から、精神性や現実逃避などに傾き、頽廃的な性格が支配的であった。
(各二点、計三〇点)
二、次に示される(A)〜(O)の作品について、あとの(ア)〜(ソ)の選択肢より所蔵先を選んで解答用紙に記し、正しい組み合わせを完成させよ。
(A)サモトラケのニケ (B)アゲサンドゥロス、アタノドロス、ポリュドロス合作《ラオコーン》
(C)ミケランジェロ《ピエタ》
(D)レオナルド・ダ・ヴィンチ《フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻、リーザ・ゲラルディーニの肖像》
(E)ブロンズィーノ《愛の寓意》 (F)ルーカス・クラーナハ《若返りの泉》 (G)エル・グレコ《受胎告知》
(H)ヘラルト・テル・ボルフ《父の訓戒》 (I)ベラスケス《青い服の王女マルガリータ》
(J)ゴヤ《裸のマハ》 (K)ダヴィッド《皇帝ナポレオンT世と皇妃ジョセフィーヌの戴冠》
(L)ミレー《落ち穂拾い》 (M)モネ《印象―日の出》 (N)ルノワール《桟敷席》
(O)クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》
(ア)ピオ・クレメンティーノ美術館(ヴァチカン) (イ)サン・ピエトロ大聖堂(ヴァチカン)
(ウ)ウフィツィ美術館(フィレンツェ) (エ)美術史美術館(ウィーン)
(オ)オルブリヒ分離派館(ウィーン) (カ)アルテ・ピナコテーク(ミュンヘン)
(キ)ノイエ・ピナコテーク(ミュンヘン) (ク)国立美術館絵画館(ベルリン)
(ケ)ルーヴル美術館(パリ) (コ)オルセー美術館(パリ)
(サ)マルモッタン美術館(パリ) (シ)ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
(ス)コートールド美術研究所(ロンドン) (セ)プラド美術館(マドリード)
(ソ)国立ソフィア王妃芸術センター(マドリード)
(各二点、計二〇点)
三、次に示される(a)〜(j)の作品の制作年について、あとの(1)〜(10)のうちから最も適切な選択肢を選んで解答用紙に記しなさい。
(a)エゴン・シーレ《死と乙女》
(b)ゴッホ《自画像》
(c)ティントレット《最後の晩餐》
(d)ドラクロワ《サルダナパールの死》
(e)ファン・エイク《アルノルフィニ夫妻の肖像》
(f)ブーシェ《ポンパドゥール夫人の肖像》
(g)フェルメール《真珠の首飾りの女》
(h)ボッティチェリ《ヴィーナスの誕生》
(i)ラファエロ《アテネの学堂》
(j)レンブラント《プロセルピナの略奪》
(1)十五世紀前半 (2)十五世紀後半 (3)十六世紀前半 (4)十六世紀後半 (5)十七世紀前半
(6)十七世紀後半 (7)十八世紀後半 (8)十九世紀前半 (9)十九世紀後半 (10)二十世紀前半
(三〇点)
四、授業で紹介された美術作品のうち、二点以上の作品を選び、それらの作品について対比的に論じなさい。
評価基準は、秀=一〇〇〜九〇、優=八九〜八〇、良=七九〜七〇、可=六九〜六〇、不可=五九〜〇である。本試験の結果をもとに各自の出席数による調整点等を加算したものを評点とする。また、四の解答のうち優れたものは、試験問題を蓄積し、今期以後の学生の参考に供するため、ウェブ上で公開する予定である。