<第五講>第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展 国別参加部門


0. 前回までのおさらい

 〜3部門から成る〜

 1. 国際企画展部門

毎回異なるキュレーターが抜擢され、独自のコンセプトのもとで作家や作品を選定して構成される(1999年から始まる)

 2. 国別参加部門

各国の代表作家による展示。ジャルディーニに展示館を持つ国が約30、アルセナーレの会場を長期で借りている国が約20、市内の教会などを一時的に借りて展示を行う国が約30ある(第57回展では85か国が参加)

 3. 並行展部門

ビエンナーレ事務局から認定された参加企画展

ジャルディーニ、アルセナーレ、市内各所 〈スライド

・日本館のあるジャルディーニのほか、イタリア館、中国館のあるアルセナーレ、教会やかつての貴族の邸宅などを借りて行われる市内展示に会場が分かれる


1. ジャルディーニ

1. ベルギー館:ディルク・ブレックマン
2. 韓国館:コディ・チョイ、イー・ワン「釣り合い―石と山」
3. ドイツ館:アンネ・インホフ
4. ブラジル館:シンシア・マルセル「狩猟場」
5. オーストリア館:エルヴィン・ヴルム

 ◆ベルギー館外観

1. ディルク・ブレックマン(1958- )
2. ディルク・ブレックマン《Z.Z.-T.T.-17 #4, 2017》
3. ディルク・ブレックマン《B.J.-D.U.-12, 2012》
4. ディルク・ブレックマン 展示風景

 ◆韓国館 コディ・チョイ《ヴェネツィア狂騒曲》

5. コディ・チョイ(1961- )、イー・ワン(1979- )「釣り合い―石と山」
6. イー・ワン《Mr. Kと韓国史コレクション》(部分1), (部分2)

 ◆ドイツ館外観

7. アンネ・インホフ(1978- )
8. パフォーマンス風景(1), (2), (3), (4)

 ◆ブラジル館外観

9. シンシア・マルセル(1974- )「狩猟場」(1), (2)

 ◆オーストリア館外観

10. エルヴィン・ヴルム(1954- )《静かに佇んで地中海の向こうを見晴るかせ》
11. エルヴィン・ヴルム《ほぼ一般的な美徳と悪徳》
12. エルヴィン・ヴルム《希望, 運命, 受け入れ, 安堵》
13. エルヴィン・ヴルム《直立してパラシュートを使う》
14. エルヴィン・ヴルム《幾何学的秩序によって表現された倫理》


2. アルセナーレ 〈スライド

アルティリエリエ
 1. マルタ館:ホモ・メリテンシス―19章の不完全な財産目録
 2. アイルランド館:ジェッセ・ジョーンズ「震える震える」
イソレット
 3. ニュージーランド館:リサ・レイハナ「使者」
テセ
 4. イタリア館:「魔法の世界」
 5. 中国館:「不息(連綿)―世代毎に」
サーレ・ダルミ   ※各建物内に、各国が間借りしている
 6. アルゼンチン館:クラウディア・フォンテス「馬の問題」
 7. トルコ館:セヴデト・エレク「チーン」

 ◆アルティリエリエ  〈外観

15. マルタ館:ホモ・メリテンシス―19章の不完全な財産目録(1), (2), (3)
16. マルタ館:G-人相学
17. アイルランド館:ジェッセ・ジョーンズ(1978- )「震える震える」(1), (2)

※マルタ共和国、通称マルタは、南ヨーロッパの共和制国家。首都バレッタ。イギリス連邦および欧州連合の加盟国。公用語はマルタ語と英語、通貨はユーロ。地中海に位置する島国で、面積316 km²(山口市=1,023.23 km² )。人口40万9千人。いわゆるミニ国家の1つ。 〈スライド

 ◆イソレット 〈外観

18.ニュージーランド館:リサ・レイハナ(1964- )「使者」
19. リサ・レイハナ《(感染した)ヴィーナスを追い求めて》(部分)


 ◆イタリア館:「魔法の世界」 〈外観

20. ロベルト・クオッギ(1973- )《模造キリストの記録》(1), (2), (3), (4)
21. ジョルジョ・アンドレオッタ・カロ(1979- )《無題》(1), (2)

 ◆中国館:「不息(連綿)―世代毎に」 〈外観

展示風景(1), (2), (3), (4)

 ◆サーレ・ダルミ 〈外観

22. アルゼンチン館:クラウディア・フォンテス(1964- )「馬の問題」(1), (2)
23. トルコ館:セヴデト・エレク(1974- )「チーン」(1), (2)


3. 市内の各国館

1. タイ館:ソンブーン・ホームティエントン「クルンテープ バンコク」
2. ベラルーシ館:「テーブル」
3. グレナダ館:「橋」
4. アンティグア・バーブーダ館:フランク・ワルター「最後の普遍人」
5. キリバス館:「芸術は長く、人生は短い」
6. アゼルバイジャン館:「1つの太陽の下に―一緒に暮らす術」
7. シリア館:「誰もがパルミラの偉大さを賞賛する」1. 岩崎貴宏《Out of Disorder (Upside Down)

 ◆タイ館 〈外観

24. ソンブーン・ホームティエントン(1949- )「クルンテープ バンコク」(1), (2)

 ◆ベラルーシ館:「テーブル」  〈外観

25. ローマン・ザスロノフ、ヴィクタル・ラブコヴィッチ、セルゲイ・タリボフ《テーブル》(1), (2), (3)

 ◆グレナダ館:「橋」  〈外観

26. アシャー・マインス(1984- )《海の肺》
27. ジェイソン・デ・カイレス・テイラー(1975- )

 ◆アンティグア・バーブーダ館 〈外観

28. フランク・ワルター(1926-2009)「最後の普遍人」(1), (2)

 ◆キリバス館 〈会場外観

29. 「芸術は長く、人生は短い」(1), (2)

 ◆アゼルバイジャン館:「1つの太陽の下に―一緒に暮らす術」 〈外観

30. ヒプノティカ・ヴィジュアル・パフォーマンス・グループ《交通》
エルヴィン・ナビザデ
31. エルヴィン・ナビザデ《1つの太陽の下に》
32. エルヴィン・ナビザデ《球》

 ◆シリア館:「誰もがパルミラの偉大さを賞賛する」 〈外観

アナス・アル・ラッダウィ(1986- )展示風景
34. アナス・アル・ラッダウィ《無知の流血》(部分)
35. アナス・アル・ラッダウィ《メイド・イン・パルミラ》(部分1), (部分2)
36. アナス・アル・ラッダウィ《私はまだ赤ちゃんだ》(部分)


4. まとめ

 ・国別参加部門の3つの展示エリア

―ジャルディーニ=ビエンナーレ開始時から参加している欧米を中心としたメジャーな国々
―アルセナーレ=イタリア、中国+20世紀後半に経済力をつけて台頭してきた南米、中東、アジア、アフリカ、ヨーロッパ周辺国
―市内各所=初参加の国のほか、政情が不安定で継続的には参加していない国々

 ・日本の国際性

―日本と国交のある国は195ヵ国(大使館の設置数。外務省HPより)
―ニュース等で話題に上る国は限られている
―真にグローバルな視野とは何か