プリティー♡プリント 江戸の花鳥版画展
1. 「プリティー♡プリント」展の概要 スライド
企画展/単館開催
会期:2017年9月16日~10月22日
前期:9/16~10/1
後期:10/3~10/22
会場:山口県立萩美術館・浦上記念館
主催:プリ♡プリ展実行委員会(山口県立萩美術館・浦上記念館、読売新聞社、KRY山口放送)、美術館連絡協議会
後援:山口県教育委員会、萩市
協賛:ライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜
◆企画展
・他館や個人コレクター等より作品を借用し、ある一定の期間のみ開催される展覧会。特殊な例として、自館のコレクションの中からテーマ性を持たせて展示した「特集展示」や、「ベスト100」のような「コレクション選」展を、常設展示としては全点出品される機会はないという文脈で、企画展と位置づけることがある
・一般に日本の公立美術館には、常設展示室、企画展示室、市民ギャラリーの3種類の展示室が設けられている
・他館の常設展示で活用されている作品を借用する場合、展覧会の企画趣旨が借用許可の判断材料となる
・美術館の活動方針と連動する企画テーマが立てられる
2. 作品紹介
1-1. 唐本『芥子園画伝』、絵師:王概、初集序文1679年(康熙18年)、彩色摺画譜、23.4×14.9cm、大東急記念文庫
1-2. 『芥子園画伝』、初集序文1679(康熙18年)年、彩色摺画譜、23.4×14.9cm、大東急記念文庫
1-3. 『芥子園画伝』、初集序文1679(康熙18年)年、彩色摺画譜、23.4×14.9cm、大東急記念文庫
1-4. 『芥子園画伝』、初集序文1679(康熙18年)年、彩色摺画譜、23.4×14.9cm、大東急記念文庫
2-1. 伊藤若冲《薔薇に鸚哥図》、1771年(明和8年)、彩色刷木版画、25.5×34.7cm、公益財団法人
平木浮世絵財団
2-2. 伊藤若冲《薔薇に鸚哥図》(左)と近代の複製(右)
3-1.
『来禽図彙』、 絵師:北尾政美、序文:1790年(寛政2年)、美濃判本、彩色摺絵本、26×19cm、個人
3-2. 『来禽図彙』、絵師:北尾政美、序文:1790年(寛政2年)、美濃判本、彩色摺絵本、26×19cm、個人
4-1.
『円翁画譜』、原画:円山応挙、模写:山口素絢、序文:1834年(天保5年)、美濃判本、彩色摺絵本、26.4×18.8cm、西尾市岩瀬文庫
4-2. 『円翁画譜』、原画:円山応挙、模写:山口素絢、序文:1834年(天保5年)、美濃判本、彩色摺絵本、26.4×18.8cm、西尾市岩瀬文庫
5-1.
『肘下選蠕』、絵師:森春渓、序文:1820年(文政3年)、堅長半紙本、彩色摺絵本、21.1×14.2cm、大東急記念文庫
5-2. 『肘下選蠕』、絵師:森春渓、序文:1820年(文政3年)、堅長半紙本、彩色摺絵本、21.1×14.2cm、大東急記念文庫
6. 魚屋北渓《江島紀行 神奈川》、1833年(天保4年)、色紙判摺物、22×17.8cm、千葉市美術館
賛1:春の夜の/月のくらけの/されことに/いけすの蛸も/吸いつきや/せむ
賛2:わたつ海を/庭にとり入れて/見る人の/春の心そ/いとゝひろ/かる
7-1.
井上北明『冠北明子画品』、1830年(文政13年)、半紙本、彩色摺絵本、22.6×15cm、東京藝術大学附属図書館
7-2. 井上北明『冠北明子画品』、1830年(文政13年)、半紙本、彩色摺絵本、22.6×15cm、東京藝術大学附属図書館
7-3. 井上北明『冠北明子画品』、1830年(文政13年)、半紙本、彩色摺絵本、22.6×15cm、東京藝術大学附属図書館
8.
歌川広重《白梅に寿帯鳥》(重要美術品)、1832-35年頃(天保3-6年頃)、大短冊判錦絵、38.3×17.8cm、公益財団法人 平木浮世絵財団
賛:大當/一樹獨先/天下春
9. 歌川広重《波上丹頂》、1832-35年頃(天保3-6年頃)、大短冊判錦絵、37.7×16cm、中外産業株式会社 原安三郎コレクション
10. 歌川広重《牡丹に孔雀》、1832-35年頃(天保3-6年頃)、大短冊判錦絵、37.7×17.1cm、個人
賛:牡丹花/富貴者/也
11. 歌川広重《唐傘に鶏に朝顔》、1830年代(天保前期)、大短冊判錦絵、39×17.6cm、中外産業株式会社
原安三郎コレクション
賛:鳴波古楚別於/尾志女鶏野音/廼喜挙江奴里/之暁茂加奈(なけばこそ わかれをおしめ とりのねの きこえぬさとの あかつきもかな)
12. 歌川広重《海棠に鸚鵡》(重要美術品)、1832-35年頃(天保3-6年頃)、大短冊判錦絵、39.3×17.8cm、公益財団法人 平木浮世絵財団
13.
歌川広重《月に雁》、1832-35年頃(天保3-6年頃)、中短冊判錦絵、37.5×12.5cm、和泉市久保惣記念美術館
賛:こむな夜の 又も有ろうか 月に雁
14. 歌川広重《東都名所 隅田川》、1840年頃(天保11年頃)、中短冊判錦絵、37.7×12.5cm、個人
15. 歌川広重《牡丹に孔雀》、1840年代(天保後期)、大判錦絵 竪二枚続、(上)35.3×23.5cm, (下)35.9×23.5cm、個人
16. 葛飾北斎《牡丹に蝶》、1831-34年(天保2-5年)、横大判錦絵、25.3×37cm、和泉市久保惣記念美術館
17. 葛飾北斎《雪中松に鶴図》、1833年(天保4年)、長大判錦絵、52×23.1cm、千葉市美術館
18. 小林清親《猫と提灯》、1877年(明治10年)、横大々判錦絵、34.1×47.3cm、千葉市美術館
◆浮世絵の歴史
1606年 慶長11年 この頃から『嵯峨本』の出版が始まる
1702年 元禄15年 松尾芭蕉『おくのほそ道』
1703年 元禄16年 近松門左衛門作、『曾根崎心中』初演
1731年 享保16年 沈南蘋、長崎に来朝。南蘋派の流行
1743年 寛保3年 この頃、紅摺絵の誕生
1759年 宝暦9年 円山応挙、この頃、眼鏡絵制作
1765年 明和2年 絵暦交換会が流行。錦絵誕生
1783年 天明3年 司馬江漢、銅版画創製
1814年 文化11年 曲亭馬琴、葛飾北斎『南総里見八犬伝』(~42)
1821年 文政4年 伊能忠敬『大日本沿海輿地全図』完成
1829年 文政12年 シーボルト事件
1830年 天保元年 この頃、葛飾北斎「富嶽三十六景」刊行
1836年 天保7年 この頃、歌川広重「東海道五十三次」刊行開始
1853年 嘉永6年 ペリー来航
1862年 文久2年 ロンドン万博で浮世絵展示
1867年 慶應3年 大政奉還
1872年 明治5年 開化錦絵の興隆
3. まとめ
・企画展
―美術館(=コレクション):収集方針≒企画テーマ
―地元ゆかりの作家(地域の文化的な記憶)=紹介と顕彰
―回顧展(生誕○○年、没後○○周年)
―地域の美術活動と現代的な(観客にアピールする)テーマ
・視覚文化の違い
―西洋風の写実的技法が普及する以前と以後
―写真によるイメージが普及する以前と以後
―インターネットやデジタルカメラが普及する以前と以後
―「時代の目(period eye)」:時代ごとに異なる視覚文化
※ Michael Baxandall, Painting and Experience in Fifteenth-Century Italy, 1988.