第27回UBEビエンナーレ


1. 第27回UBEビエンナーレの概要 スライド

公募展/彫刻展/単館開催
会期:2017年10月1日~11月26日
会場:ときわミュージアム彫刻野外展示場
主催:宇部市、UBEビエンナーレ運営委員会、毎日新聞社
協賛:宇部興産株式会社
後援:国際交流基金、山口県、山口県立美術館、山口情報芸術センター、下関市立美術館、秋吉台国際芸術村、島根県立石見美術館、北九州市立美術館、NHK山口放送、tysテレビ山口、KRY山口放送、 yab山口朝日放送、 山口ケーブルビジョン、エフエム山口、エフエムきらら
平成27年度 文化庁 文化芸術創造活用プラットフォーム形成事業


主催・後援・協賛・助成・協力

主催は、展覧会全体に責任を持つ。美術館単独の場合もあれば、行政組織や企業などが名を連ねる場合もある。また、共催という位置づけで、中心的に責任を担う組織とは別立てで、同等の実施責任を担う場合もある。

後援は、展覧会の実施にあたり便宜をはかる。政府機関や地方自治体、教育委員会など。さまざまな認可手続きの際に、他の競合事業との調整を行う。

協賛は、物理的な支援や業務上の協力を行う企業等。

助成は、経済的支援を行う財団や基金。

協力は、そのほかさまざまな形での支援を行う機関や団体。個人も含む。


各賞

大賞(宇部市賞)[実物・模型作品買上げ賞]・・・・・・・・ 500万円
宇部興産株式会社賞[実物・模型作品買上げ賞]・・・ 400万円
毎日新聞社賞[模型作品買上げ賞] ・・・・・・・・・・・・・ 150万円
宇部マテリアルズ賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100万円
山口銀行賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100万円(△50万円)
宇部商工会議所賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50万円
緑と花と彫刻の博物館賞[模型作品買い上げ賞]・・・・ 50万円
島根県吉賀町賞(新設)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円
山口県立美術館賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円
島根県立石見美術館賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円
下関市立美術館賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円


第27回UBEビエンナーレ選考委員会 スライド

酒井忠康(美術評論家・世田谷美術館長) ※委員長
澄川喜一(彫刻家・島根県立石見美術館長)
水沢勉(美術評論家・神奈川県立近代美術館長)
逢坂恵理子(横浜美術館館長)
河口龍夫(現代美術家・金沢美術工芸大学教授)
斎藤郁夫(山口県立美術館副館長)
藤原徹平(建築家・横浜国立大学大学院Y-GSA准教授)
日沼禎子(女子美術大学准教授)
岸桂子(毎日新聞社東京本社学芸部記者)
久保田后子(宇部市長・緑と花と彫刻の博物館長)


2. 受賞作品

1. 金景暋(キム・キョンミン、東京)《リメンバー宇部》   大賞(宇部市賞)
2. 伊藤嘉英(東京)《森の掟》, (部分)   宇部興産株式会社賞
3. ハンス・ショール(ドイツ)《construction kit animal(組み立てキット動物)  毎日新聞社賞
4. 藤島明範(茨城)《北極星との交信Ⅴ》(1), (2)   宇部マテリアルズ賞
5. 佐藤慈男(愛知)《重力飛翔―はるか かなた》   山口銀行賞
6. 北川太郎(兵庫)《時空ピラミッド》   宇部商工会議所賞
7. 石上和弘(静岡)《アフターアップル》   島根県吉賀町賞
8. ナカイデ タケヒコ(東京)《風の灯台》, (部分)   山口県立美術館賞
9. 神山豊(神奈川)《Mega Ptera 大きな翼(ザトウクジラ)   島根県立石見美術館賞
10. 増野智紀(京都)《遊》   下関市立美術館賞


3. 入選作品

11. 武田克史(滋賀)《言葉》
12. 村中保彦(広島)《エルクの工事現場》
13. 首藤晃(北海道)《水陸(共生)
14. 土井宏二(石川)《この星の声》
15. 熊谷文秀(北海道)《空想の軌跡Ⅱ》
16. 土屋昌義(神奈川)《りんご りんご》
17. 安藤泉(神奈川)《ムー大陸より Ⅱ》
18. 岡田健太郎(神奈川)《Catch and release とらえて はなつ》


4. 応募作品展

  ・実物制作指定作品 スライド

19. ナカイデ タケヒコ(東京)《風の灯台》
20. 神山豊(神奈川)《Mega Ptera 大きな翼(ザトウクジラ)
21. 増野智紀(京都)《遊》

 ・入選模型作品 スライド

22. チャトチャワン・アムソムキッド(タイ)《The Expansion》
23. マルチェッロ・コーラ(イタリア)《BIRDFISH》
24. アレクサンドラ・フビンスカ(ベルギー)《A HOLE》
第27回UBEビエンナーレ応募作品展(2016年10月3日~11月3日 ときわ湖水ホール)
実物制作指定作品18点 展示会場
入選模型作品22点 展示会場


5. 関連イベント

開会式
彫刻×踊る・舞う2017(リハーサル風景)
・ライブラリートーク1 UBEビエンナーレ鑑賞術「時間・場・記憶をめぐる彫刻の話」


6. UBEビエンナーレの歴史

第1回宇部市野外彫刻展 1961年7月18日~9月17日
チャドウィック・アーミテージ彫刻展 1962年11月2日~11月6日
第1回全国彫刻コンクール応募展 1963年9月10日~11月5日
第1回現代日本彫刻展 1965年10月1日~10月31日 
 ↓
第22回現代日本彫刻展 2007年9月29日~11月11日
第23回UBEビエンナーレ  2009年10月3日~11月15日
第24回UBEビエンナーレ  2011年9月24日~11月13日 
        ※野外彫刻展50周年記念(宇部市制施行90周年)
第25回UBEビエンナーレ  2013年9月29日~11月24日
第26回UBEビエンナーレ  2015年10月3日~11月15日
第27回UBEビエンナーレ  2017年10月1日~11月26日


・宇部市は炭鉱の町としてスタートし、工業都市へと、順次転換しました。1951年の記録によりますと、まだ石炭もたくさん出ており、化学工業も最盛期という時代でしたので、1日の降灰量が、1平方キロメートル当たり約56トンというすさまじい公害を経験しました。…(中略)…市民と学者と企業と行政、この4者が協力して対策を講じ克服していったという歴史があります。…(中略)…企業は、灰が降らないように煙突に電気集塵機を取り付けました。また、市民は、そういう対策にあわせて灰や煙の量を少しでも減らそうと、街に木を植え緑化に努めたわけです。

・この運動が、市民の「緑化運動」へと発展し、あわせて「花いっぱい運動」へと展開しました。

・そうした緑と花の延長線上で、1960年、女性問題対策審議会から、“自然と人間の接点としての芸術”という提言を受け、この彫刻事業がスタートしたのです。

・この女性問題対策審議会は、女性を中心とした組織で、公害の問題だけでなく子供達の不良化問題にも取り組んでいました。ある時、花いっぱい運動で集めた募金に余剰金が出たため、彫刻のレプリカを購入し、駅前の広場に置いたところ、たくさんの子供たちが、写生を始めたそうです。これは教育上すばらしいことだということで、是非子供達に本物の芸術を見せようではないかという運動になり、これが彫刻を始める起点となったと聞いています。

藤田忠夫(宇部市長)「緑と花と彫刻のまち」、『第20回現代日本彫刻展記念シンポジウム報告書』(第20回現代日本彫刻展記念事業実行委員会、2003年)、22頁。


25. ファルコネ《ゆあみする女》(1), (2)(レプリカ)
26. 内田晴之《重力空間―赤》 1997年
27. 澄川喜一《そりのあるかたち》 1981年
28. 伊藤憲太郎《SEED 増殖》 1999年
29. 大井秀規《Gravitation》 2009年


7. まとめ

 ・展覧会の開催組織

―美術館とメディア、行政との協力関係を読み解く
―助成団体、協賛企業に展覧会組織の特性が見えてくる
―展覧会の社会的意義の裏書き
―学芸員の構想力と組織構成力

 ・野外彫刻と街づくり

―公園、駅前、大通り、空港、市役所・図書館など公共施設を中心に設置
―50年以上続く継続性・歴史性
―彫刻清掃ボランティア等によるサポート体制(うべ彫刻ファン倶楽部)
―子どもの頃から日常的に目にする現代彫刻(人づくり)


30. 村中保彦(広島)《エルクの工事現場》
31. 村中保彦《キリンの工事現場》
32. 村中保彦《河馬の工事現場》