ヨコハマトリエンナーレ2017


1. ヨコハマトリエンナーレ2017の概要 スライド

ヨコハマトリエンナーレ2017(第6回展)
島と星座とガラパゴス
会期:2017年8月4日~11月5日(88日間)
会場:横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館 地下 ほか スライド
参加作家:38組+1プロジェクト
ディレクターズ:逢坂恵理子、三木あき子、柏木智雄
構想会議メンバー:スハーニャ・ラフェル、スプツニ子!、高階秀爾、リクリット・ティラヴァーニャ、鷲田清一、養老孟司


島と星座とガラパゴス:コンセプト

 1. 「接続性」と「孤立」から世界を考える(三木あき子)

“世界は今、従来の枠組みを超えて様々なネットワークが拡大する一方で、紛争や難民・移民の問題、保護主義や排外主義、ポピュリズムの台頭といった課題に直面し、大きく揺れています。”“ネット上の小さなコミュニティやグループの中だけに身を置くような世界観の島宇宙化”“異なる星や島が緩やかに繋がり星座や多島海を形成するように、作品世界が連なっていくイメージ”

 2. 分断され孤立しているものを対話と思考と想像力でつなげ、新しい可能性を切り開く(逢坂恵理子)

“他者を知り、対話を重ねそして立ち止まって考えることの重要性”“9 月に横浜で開催予定のIBA* 総会”

*IBA=International Biennale Association(国際ビエンナーレ協会)

 3. 「開港」の地・横浜からの発信(柏木智雄)

“…横浜村は、1859年に開港場の一つとなり、…(中略)…ガラパゴス的な「孤立」から「接続」する場へと劇的な変貌を遂げ、日本の近代化を牽引する街の一つとして発展を遂げました。”


2. 横浜美術館

1. シュシ・スライマン(マレーシア, 1973- )《金香木の島、シリウスの星、赤道軸の上で》
2. アイ・ウェイウェイ(艾未未, 中国, 1957- )《安全な通行》(手前), 《Reframe》(奥)
3. ジョコ・アヴィアント(インドネシア, 1976- )《善と悪の境界はひどく縮れている》
4. マップオフィス(香港, 1996年結成)《色覚障がいのための島》 2014年
5. マップオフィス《インド洋から太平洋まで移動するレムリア大陸》 2015年
6. ミスター(キューパ, 1969- )《和花》,《アナ》,《優芽》,《加奈》,《ナオミ》, 展示風景, (部分1), (2), (3)
7. カールステン・ヘラー、トビアス・レーベルガー、 アンリ・サラ&リクリット・ティラヴァーニャ《ジルバ タンゴフライ タグプラント》2016年
8. イヴ・タンギー(1990-1955)《風のアルファベット》1944年, マン・レイ(1890-1976)の写真
9. タチアナ・トゥルヴェ(イタリア, 1968- )《UT》 ほか
10. アン・サマット(マレーシア, 1973- )《酋長シリーズ5》, (部分)
11. 畠山直哉(1958- )《陸前高田市高田町 2012年6月23日 #2》, (部分)
12. 風間サチコ(1972- )《黒い花電車―僕の代》2008年 ほか
13. 風間サチコ《第一次幻惑大戦》
14. 風間サチコ《獲物は狩人になる夢を見る》2016年
15. ブルームバーグ&チャナリン(南アフリカ, 1970- /イギリス, 1971-)《フロイトの長椅子の残存繊維を石英楔型検板を用いて暗殺した際の干渉縞》2015年 ほか
16. 木下晋(1947- )《合掌図・懺悔》2015年 ほか
17. 木下晋《光の孤独》2009年
18. パオラ・ピヴィ(イタリア, 1971- )《準備ができたら教えて》2014年 ほか
19. パオラ・ピヴィ《私の大好きなジジ》2014年
20. オラファー・エリアソン(デンマーク, 1967- )《Green Light―アーティスティック・ワークショップ》
21. ザオ・ザオ(赵赵, 中国, 1982- )《スーツ》, (部分) 2016年
22. スプツニ子!(1985- )《"Why Are We?" Project》, (部分)


3. 横浜赤レンガ倉庫1号館 外観

23. 小沢剛(1965- )《帰って来たK.T.O.》, (部分)
24. 宇治野宗輝(1964- )《プライウッド新地》, (部分)
25. クリスチャン・ヤンコフスキー(ドイツ, 1968- )《重量級の歴史(シレンカ) 2013年, 展示風景
26. クリスチャン・ヤンコフスキー《重量級の歴史(ロナルド・レーガン) 2013年
27. クリスチャン・ヤンコフスキー「アーティスティック・ジムナスティック」シリーズ(1), (2)
28. 照沼敦朗(1983- )《ミエナイ ノゾミちゃんの視界コンプレックス》
29. 青山悟(1973- )「時空の歪み―刺繍とモリスと個人史と」
30. 青山悟《政治家と黄色いセイターの少女(メルケル)2010年
31. 青山流水の油彩画
32. ラグナル・キャルタンソン(アイスランド, 1976- )《ザ・ビジターズ》, (部分)  2012年
33. ドン・ユアン(董媛, 中国, 1984- )《おばあちゃんの家》 2013年


4. 横浜市開港記念会館 外観

34. 柳幸典(1959- )《Project God-zilla-横浜市開港記念開館の地下室-》(1), (2) 2017年
35. 柳幸典《Article 9》2016年


5. まとめ

 ◆ヨコハマトリエンナーレの出品作品

  ・スペクタクルな作品
   ―ジョコ・アヴィアント《善と悪の境界はひどく縮れている》
   ―柳幸典《Project God-zilla-横浜市開港記念開館の地下室-》

 ・インスタレーション
   ―ミスター《和花》 ほか
   ―タチアナ・トゥルヴェ《UT》 ほか
   ―宇治野宗輝《プライウッド新地》
   ―ラグナル・キャルタンソン《ザ・ビジターズ》

 ・ワークショップ
   ―オラファー・エリアソン《Green Light―アーティスティック・ワークショップ》

 ・国際情勢・政治情勢・環境問題
   ―アイ・ウェイウェイ《安全な通行》
   ―マップオフィス《インド洋から太平洋まで移動するレムリア大陸》
   ―畠山直哉《陸前高田市高田町 2012年6月23日 #2》
   ―柳幸典《Article 9》

 ・個人史・家族
   ―ザオ・ザオ《スーツ》
   ―青山悟「時空の歪み―刺繍とモリスと個人史と」
   ―ドン・ユアン《おばあちゃんの家》  


ヨコハマトリエンナーレの出品作家

・日本(12作家・組+1プロジェクト):青山悟/宇治野宗輝/小沢剛/風間サチコ/川久保ジョイ/木下晋/小西紀行/瀬尾夏美/照沼敦朗/畠山直哉/ミスター/柳幸典/Don't Follow the Wind
・中国:アイ・ウェイウェイ(艾未未)/ドン・ユアン(董媛)/ザオ・ザオ(赵赵)
・香港:マップオフィス
・ベトナム:ザ・プロペラ・グループ、トゥアン・アンドリュー・グエン
・マレーシア:シュシ・スライマン/アン・サマット
・インドネシア:ジョコ・アヴィアント
・フィリピン:マーク・フスティニアーニ
・インド:プラバワティ・メッパイル

                    23作家・組+1プロジェクト

・アメリカ:イアン・チェン/サム・デュラント/ジェニー・ホルツァー/ロブ・プルイット
・イギリス:アレックス・ハートリー/ケイティ・パターソン
・ドイツ:クリスチャン・ヤンコフスキー
・イタリア:マウリツィオ・カテラン/タチアナ・トゥルヴェ/パオラ・ピヴィ
・デンマーク:オラファー・エリアソン
・アイルランド:キャシー・プレンダーガスト
・アイスランド:ラグナル・キャルタンソン

                    13作家・組

・エジプト:ワエル・シャウキー
・南アフリカ/イギリス:ブルームバーグ&チャナリン

                    2作家・組


 ・国際現代美術展の出品作品の特徴

―大型作品やインスタレーションのスペクタクル性
―ワークショップ等を介した参加体験
―国際情勢・政治情勢・環境問題等を主題とした同時代性
―家族・個人を見つめ直し、社会と向き合う機会

 ・「孤立」と「接続」

―“萌え絵”=特異な進化(深化)←海外からの支持や批判
―ますます「孤立」すると同時に、より広く「接続」可能になった現代社会
―「生」をより豊かにする「孤立」と「接続」
―「孤立」と「接続」の両方に豊かな可能性を見い出す