ミュンスター彫刻プロジェクト2017
1. ミュンスター彫刻プロジェクト2017の概要 スライド
第5回展(Skulptur projecte münster
2017)
会期:2017年6月10日~10月1日
会場:LWL芸術文化美術館ほか市内各所 ・駅前のサーヴィスポイント,
地図
参加作家:34名・組
テーマ設定なし
ディレクター:カスパー・ケーニッヒ(Kasper König)
キュレーター:ブリッタ・ペーテアス(Britta Peters)
マリアンヌ・ヴァグナー(Marianne Wagner)
◆ミュンスター彫刻プロジェクトの歴史
展覧会が始まった経緯
1. ジョージ・リッキーのモビール作品の設置:市政府が拒否
2.ヘンリー・ムーアの贈呈作品を大学構内に置くことを学長が拒否
↓
3部構成の彫刻展の開催(1977年)
第1部 ロダンからジャコメティまで(美術館内で開催)
第2部 カルダーを中心とする1960年代彫刻展
第3部 アーティストを招聘して新作を制作してもらう「プロイエクテ」
↓
1987年 ミュンスター彫刻プロジェクトとして「プロイエクテ」部門が開催。以後、10年おきに開催されるようになった
◆パブリック・アート スライド
・「公共芸術」という意味。広場、公園など公共性の高い空間に設置される造形作品の総称。その意味では伝統的な聖堂壁画やモニュメントをも含みうるが、むしろそうしたあからさまなイデオロギー性を排除して、公的予算を使って公共空間に作られる現代の大型の造形作品に用いられる。
『岩波 西洋美術用語辞典』 239頁。
2. 野外彫刻
1. ララ・ファヴァレット(イタリア, 1973- )《瞬間の記念碑―石》
2. トーマス・シュッテ(ドイツ, 1954- )《原子力の聖堂》
・エアブドロシュテンホフ宮殿
3. ナイリー・バグラミアン(イラン, 1971- )《特別な場所》(1),
(2)
4. ニコール・アイゼンマン(フランス, 1965- )《噴水のためのスケッチ》(1),
(2)
5. ジャスティン・マザリー(アメリカ, 1972- )《ニーチェの岩》
6. エルヴェ・ユンビ(中央アフリカ, 1973- )《天上の仮面》,
(部分)
3. 建築的表現
7. フレイン・フリッドフィンソン(アイスランド, 1943-
)《家プロジェクトsince 1974の第4の家》
8. ペレス・エンパイア(2005年結成)《彫刻》,
(内部)
9. クリスティアン・オツォック(ドイツ, 1978- )《オフ税務署》,
(部分),
関連画像
10. オスカー・トゥアゾン(アメリカ, 1975- )《型枠を焼く》
4. 公共空間への介入(インターヴェンション)
11. アイシェ・エルクメン(トルコ, 1949- )《水の上に》(1),
(2)
12. コジマ・フォン・ボニン(ケニア, 1962- )/トム・バー(アメリカ,
1963- )《ベンツ・ボニン・バー》(1),
(2)
13. ルドゥガー・ゲルデス(ドイツ, 1954-2008)《恐怖》
1989年
14. ミカ・ロッテンバーグ(アルゼンチン, 1976- )《コズミック・ジェネレータ》,
(部分1),
(2)
15. アンドレアス・ブンテ(ドイツ, 1970- )《実験室の生活》
16. アラム・バルトル(ドイツ, 1972- )《5V》,
(部分)
17. アラム・バルトル《12V》(部分1),
(2)
・放送塔
18. アラム・バルトル《3V》
19. ケリス・ウィン・エヴァンス(イギリス, 1958- )《変更された閾値…(ミュンスターのために)(少し)高めのピッチで鳴るように改変された既存の教会の鐘
》
5. 屋内展示
20. マイケル・ディーン(イギリス, 1977- )《親切な世話人》,
(部分1),
(2)
21. ヒト・スタヤル(ドイツ, 1966- )《ヘルヤァウィファックダイ》,
(部分1),
(2)
22. ピエール・ユイグ(フランス, 1962- )《人工生命以後の先へ》,
(部分1),
(2)
23. 田中功起(1975- )《暫定的習作:ワークショップ#7
いかにして共に生き、未知のものを共有するか》,
(部分1), (2)
6. パフォーマンス
24. アレクサンドラ・ピリチ(ルーマニア, 1982- )《漏出する諸領域》(1), (2), (3)
7. その他
25. 荒川医(1977- )《キツイ引用、キツイ田園詩、キツイミュンスター》,
(部分1),
(2)
26. ジェレミー・デラー(イギリス, 1966- )《大地に語りかければ応えてくれるだろう2007-2017》,
(部分1),
(2)
8. 過去の設置作品
27. マイケル・アッシャー(アメリカ, 1943-2012)《ミュンスター(キャラヴァン)》
1977-2007年
28. ウルリッヒ・リュックリーム(ドイツ, 1938- )《切断された白雲岩》
1977年
29. ジョヴァンニ・アンセルモ(イタリア, 1934- )《縮められた空》
1987年
30. ジュゼッペ・ペノーネ(イタリア, 1947- )《ミュンスターのための井戸プロジェクト》,
(部分), 1987年
31. ヘルマン・ピッツ(ドイツ, 1956- )《内,
外》 1997年
・聖ラムベルティ教会
32. ロタール・バウムガルテン(ドイツ, 1944- )《3つの鬼火》
1987年
9. まとめ
・パブリック・アートの展開
―公共彫刻から公共空間における「介入」へ
―観点のずらし、歴史の想起、新たな結びつきの提案
―エコロジー、モバイル端末とネット空間、ALife
―「公共性」の問い直し
・現代アートと公共性
―大規模な現代アートと公的スポンサーシップ
―社会を見つめ直す「鏡」としての同時代のアート
―参加型・体験型アート
―地域住民との対話や地域に関するリサーチを重視する制作プロセス